「マクロ経済から公的年金を考える その4」について

自分の連載進めろよという話はあるのだが、とてもbewaadさんのペースについてはいけないので、私の方はスローペースで進めざるを得ないと考えている。最低、週一連載が目標なので、気長にお付き合い願いたい。

で、本題。

例によって、一部異論があるのでメモ書き程度に書いておく(もちろん、正しい保証はない)

年金脱退権について

bewaadさんの案によれば、年金脱退権とは以下のような権利である。

自らの所得に応じた予定利率が世代全体の予定利率よりも低いものとなる者については、上記の実質的な課税額を支払うことにより、年金受取権を停止することができることとする。

ただ、この案には二点の問題があるように思う。

  1. 現在の金持ちが将来も金持ちとは限らない。例えば、「うほーい、バブルで儲かったぜぃ。オレってさいこ〜。年金なんていらないも〜ん」とか言っているほりえもんみたいな奴*1が、年金受給時期が到達した後、突然のバブル崩壊により一夜にして一文無しになった場合、年金脱退権を行使しているとのたれ死ぬこともあり得る。もちろん、自己責任ではあるかもしれないのだが、その話を持ち出すのならそもそも年金って何のためにあるの?という話になってしまう。
  2. 文章だけ読むと「金持ちだけ脱退できる」というように読めるが、金持ちだけにその権利があるような制度を国民は納得してくれるのだろうか。現実問題として、年金を払いたくないと思っている人は「払った金が返ってこない金持ち」ではなくて「明日をも知れない貧乏人」である(たぶん)*2。もし、そうであれば年金脱退権など行使する人はほとんど居らず、貧乏人から「俺も脱退させろ!」と言われるだけなのではないだろうか*3

*1:あくまで筆者の憶測である。念のため

*2:所得と加入率の統計データがほしいところである。もし、そのようなデータがあったら教えていただきたい

*3:親の心子知らずではあるが、明日死ぬなら今日現金を欲しがるのは合理的な行動であろう。