国の宝。

この時期のニューヨークは、一年で一番美しく優しい気候である。街路の花も、人々が連れる犬達も何処か嬉しげで、冬の間に険しくなった此方の眼付きも、それらを見る度に緩んで行くのが嬉しい。

先日、日本美術ライター橋本麻里女史の新著「日本の国宝100」(幻冬社新書)を読了した。

この著作は、2007年発行の芸術新潮特集号「国宝って何?」の記事を大きく膨らました力作で、著者の選んだ国宝一点一点の「解説の面白度」や「タメになる度」は云うに及ばず、この100+1点(この「1点」はお楽しみ)を通して読む事によって、「日本美術史通史」をハンディに勉強できる所が素晴らしい!

著者の事なので、当然時には現代用語辞典の如く、時には叙情溢れ、そして時には「切捨て御免」的爽快な語り口で綴られる本書は、最後の「いつ&どこで見る?」リストに至るまで、読者を飽きさせない。欲を云えばもっと図版が欲しかった所だが、こちとらこれだけ美術品を語っていても、唯の一点も「画像」を入れない事で有名なダイアリーなので、文句を云う権利は無い(笑)…要は美術品は、気になった作品は自分で検索し、実物を観に行く事が肝要だと云う事であろう。

因みに筆者お勧め「国宝NO.1」はと云うと…それは内緒であるが(笑)、この新書片手に「国宝探訪の旅」も楽しそうな、お勧めの一冊である!

さて、今回のダイアリー・タイトルの「国の宝」とは、実は日本の「国宝」の事ではない。それは数日後に誕生する英国の「宝物」の事で、その名は「ケイト・ミドルトン」。

後1週間(4月29日)に迫った「ロイヤル・ウエディング」が、此処ニューヨークでも毎日報道が続いて過熱食傷気味では有るが、個人的にはそれも納得、何故ならば彼女は、色々な意味でダイアナよりも「美しい」からである。

何を隠そう、筆者は元々英国人女性が嫌いではない…と云うか、正直に云えば、「極く少数」の英国人女性が大好きなのである(笑)。例えば誰かに、「好きな『現役外国人女優』を10人挙げよ」と問われれば、恐らくクレア・フォーラニクリスティン・スコット・トーマスティルダ・スウィントンレイチェル・ワイズの英国女優4人はランク・インするだろうし、最近シャネルの広告で大人の色気を見せる、キーラ・ナイトレイも捨て難い。序に英国人以外の好きな女優を挙げれば、エヴァ・グリーンマリオン・コティヤールナタリー・ポートマンイスラエル人)やジュリアン・ムーア(彼女は米人)だろうか…要はヨーロッパ好みなのだ(笑)。

閑話休題、「フューチャー・プリンセス」のケイトに話を戻そう。彼女は何しろ可愛く美しい!すらっとしたスタイルも「sloany」と呼ばれるファッションが映え、ファッション・アイコンと為る要素も満点である…一回で良いからデートしてみたい(笑)。そして何よりも、その屈託の無さが良い…英王室初の「平民からのお妃」となる彼女は、メディアの前でも極く自然な感じで、それは客室乗務員であった母親譲りなのかも知れない。

しかしこの結婚を祝福している世界中の人々は、結婚当時世界が熱狂した「ダイアナ」の末路を今でも確りと覚えているが故に、ケイトの「今後」を心配する向きも有るのだが、それは恐らく杞憂に終わるのでは無いか。それは何故なら、「夫」と為るのがウィリアムだからで、恐らくそのウィリアムはチャールズを飛び越して、「王位」に就く可能性が大だからである。

そして最近、この事を考える時に何時も思い出すのが、我が国の皇太子殿下と皇太子妃の事である。

筆者の知る限り、雅子様のお体の状態は一進一退で、愛子様の今後を考えると不安も多々感ずる。そこで、筆者を「不敬」と思う方にはその様に思って頂いても結構なのだが、我が国の皇室の未来、延いては日本国の為に「こう」思うのだ。

それは、もし皇太子様が雅子様を心から愛して居られて、巷で噂される様にご両親と余り上手く行って居られないならば、「皇位継承権」を男子の居られる秋篠宮殿下に譲られ、雅子様愛子様共々、例えば英国やデンマーク等の、我が国の皇室と親しい間柄の王室が存在する外国へ、暫く留学移住されたら如何だろうか、と云う事なのである。

時代は今や21世紀、皇室・王室なれど夫婦とも為れば、「愛」無くして到底生活して等行けまい。そして「プリンセス」と云えば、その国の、いや世界が注目する「Icon」で有り、将来の国の「顔」となる存在で有る。

今を時めく美しきケイトと、今の雅子妃とを比べる事に意味は無い。しかし「国の顔」たるプリンセスから、その余りにも魅力的な女性の持つ知性や美貌、人間性迄をも失せさせてしまうのは、国として大きな損失では無いだろうか。雅子妃には、どんな形でも良いから、日本の為に元気になって頂きたい…「皇后」に為るよりも、そちらの方が今の日本には大事な事だと思うのだが、如何だろうか?

元気を取り戻した雅子妃が、ケイトとテニスでもしている光景が見れたら、海外に日本の皇室メンバーが一家族くらい居て、社交外交をしてくれたら、等と思う今日此の頃なのである。

そしてもし、これを皇太子殿下が実行されたなら、「一人の男」として余りにもカッコ良く、一躍世界でも「家族愛の人」として尊敬されるだろう。彼らがその気なら、国民の一人として応援したい気持ちで一杯なのだが、やっぱり無理かなぁ…。

美術品のみならず、「国の宝」を守る義務は国だけに有るのでは無い…国民にも有る事を忘れてはならない。