桂屋孫一のトウキョウ・アート・ダイアリー

2018-05-16

「熊野(ゆや)」な日々。

03:17

4月21日(土)

17:00 某オークションの或るロットが気に為って電話ビッドをするが、儘為らない…残念だった様な、良かった様な(笑)。

19:00 Terada Art Complexのオープニングへ。先ずは3FのURANO…梅津庸一キュレーションのグループ展「共同体について」。梅ラボのキュレーションと有って、自身を含む7人のアーティストの面子も面白いが、残念ながら僕の好みではない。続く山本現代では、小林耕平の個展「あくび・指南」が開催…近年インスタレーション作家として名を挙げて居る小林の作品は、古典落語を基にした物。が、この日の目玉は5FのKosaku Kanechikaで始まった、鈴木親「晴れた日、東京」と「Mirror of Fashion」の2つの写真展だ。パリ在住のファッション・フォトグラファーで有る鈴木の作品は、僕には何故かアートの領域を侵して居る様に見えて、其処こそが興味深い。そして成山画廊とのコラボ企画は、「成山数寄」満載の作品選定で、其処に居るフリークスでさえ美しく愛おしい。必見だ!

20:30 その鈴木・成山両氏をメイン・ゲストに、現代美術家コレクターのS氏やT氏、デザイナーの方やパリのフォトグラファー、そして若くて美しい女優KさんやアーティストS君等と、総勢14名で「T」でディナー…閉店迄盛り上がりました!


4月22日(日)

8:30 朝起きてテレビを付けると、以前舘ひろしが出て居た超ダサい「ハズキ・ルーペ」のCMの新ヴァージョンが!この商品の旧「舘ひろしヴァージョン」は、「娘とパパ」が高級レストランで久し振りに会って食事をする、と云うシチュエーションなのだが(→https://www.youtube.com/watch?v=Wb-FlW4qF0c)、どう見ても「愛人とそのパパ」にしか見えない所がキモい。が、今度の出演者は何と渡辺謙菊川怜と云う「訳あり」コンビで(→https://www.youtube.com/watch?v=wObXLdAjC0w)、もう泣きたく為る位、謙さんも菊川もダサ過ぎる…どうした謙さん、そんなに仕事がないのか?(涙)

9:00 日曜美術館「ヌードがまとうもの〜英国禁断のコレクション」を観る。横浜美術館で開催中の本展、是非とも観に行かねば!だが、番組にいきなり乳首も露わなヌードモデルが登場し、「おいおい、日曜の朝のNHKでか?」と驚く。その上、作家島田雅彦氏が出て来たのにもビックリ…が、良く考えれば今日のテーマにはピッタリか(笑)。久し振りに拝見する島田先生、お元気そうでした。

13:00 国立能楽堂に「観世九皐会別会」を観に。この日のメインの演目は能「戀重荷」と「道成寺」…二曲共僕の大好きな曲で、期待大。この二演目は、双方共「女性の底知れぬ恐ろしさ」を表現して居るので、もう恐怖心無しでは観れない、僕に取っては或る意味「サスペンス・ホラー能」なのだが(笑)、そんな期待は逆の意味で見事に裏切られて仕舞った…。先ずこの日は謡がバラバラで、女性能楽師の声は掻き消されて仕舞うし、間違える地謡も出る始末。そして「道成寺」では、特に乱拍子で小鼓とシテとの間の緊張感に欠け、これは小鼓側の問題かと思うが、致命的。番組全体的にも何処かピリッとした所が無く、大丈夫か?と感じて仕舞う程だった。今後是非とも頑張って頂きたい。


4月24日(火)

10:30 出光美術館で開催中の展覧会、「宋磁ー神秘のやきもの」を観る。宋時代の焼物は中国陶磁器の「美の極致」と云っても過言では無いが、その美しさの大部分は「宋時代」の文化的センスから来る「品の良さ」で、それは日本で云えば平安時代の美術に匹敵するモノだ。青磁白磁・青白磁を代表選手とする、シンプルで壮麗な作品群は必見。

18:30 香港のボスを連れて、森美術館で始まった15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子がもたらすもの」の、オープニングレセプション・内覧会へ。然し最近の美術館の「内覧会」とは名ばかりで、物凄い人で溢れ返るケースも多く、何しろこの日も招待客が長蛇の列で開場を待つ始末。「こりゃ、また来なきゃ…」な人出で、展覧会をキチンと内覧出来ずに帰る。美術館にはこの辺に関して、再考を促したい。

20:00 そのフランス人ボスと、神田の弟の店「I」でディナー。久々に打ち解けて話をする。フランス人が苦手と云う人も周りに多いが、哲学的な人が多いので「話せば分かる」事も多いから(笑)。


4月25日(水)

10:30 大雨の中、重要顧客の所へお詫びに。僕の仕事は、感謝を述べるか謝るかの何方かがその大半を占める…はあぁ(嘆)。

15:30 銀座の顧客を訪問し、或る名品に関する打ち合わせ。僕にこの分野の作品が売れるだろうか?

17:00 某ホテルのラウンジにて、僕の永年の夢で有る或る企画に関しての打ち合わせ。江戸を現代に蘇らせるこの企画、何とか実現したい。


4月26日(木)

11:00 今年から名称も変わった、「東京アートアンティーク日本橋京橋美術まつり」へ。先ずは老舗繭山龍泉堂の「土偶展」。ここ数年土偶(及び縄文土器)は大変なブームで値段も高騰、然しその魅力には抗し難い。が、古代モノには何時も真贋の問題が伴い、特に日本では土偶縄文土器取引の際に、「C14年代測定」のテスト結果等を添えないので(添えれば良いと云う訳では無いが、無いよりは安心出来る気がする)、少々尻込みして仕舞う。その後色々と店を訪ねるが、例えば「花径」では可愛い有元利夫の版画作品に惹かれ、「草友舎」では一瞬古画かと見間違える程に味の有る、不染鉄の観音像に見入る…が、もう売れてた(涙)。

15:00 某コレクションの査定に関する打ち合わせを、オーナーと。是非扱いたいコレクションだ。

18:30チェリストの友人と、焼肉ディナー@銀座「U」。「ザブトン」が余りにも美味すぎて、涙が出そうに為る。

20:00 友人のアーティスト舘鼻則孝氏の、革製品展示注文即売会へ。表参道のスタジオに行くと、新しい皮の香りが購買欲を唆る。僕は彼のトートバッグを愛用して居るのだが、年々まるで日本工芸品の様な味が出て来て、良く為る。今年はリュックが超魅力的。


4月27日(金)

13:00 後輩K君と大阪出張に出掛け、重要クライアントとミーティング。この仕事も早く完結させねば…。

15:00 某古美術商を訪ねて打ち合わせをするが、その時出て来たお茶碗に目が釘付けに為る。「病膏肓に入る」とは、当に骨董数寄に使う言葉だ。然し高麗茶碗とは、何とセクシーなのだろう!


4月28日(土)

13:00 帰国後初めてのゴールデン・ウィークのスタートは、「李朝」展を拝見しに日本橋の「壷中居」へ。伝世の作品で綴られる本展は略完売で、流石朝鮮物の老舗の一言。僕も李朝物は昔から大好きで、嘗ては白磁杯や石箱、華角貼の糸巻等の工芸品も持って居たが、僕が愛玩し今は母の手元に有る三島の扁壺も、実は壷中居来歴のモノ。取り返したいが、敵もさる者引っ掻く者…諦めようか(笑)。

17:00 日本橋骨董店を巡った後は六本木に向かうと、アートコンプレックスの各ギャラリーを訪問し、ライアン・マッギンレーや高畠依子、榎倉康二等を観る。その後隣のピラミデビルに移り、Kawsをペロタンで観るが、未だにその良さが分からない。国内オークションでもバカ売れと聞くが、一体全体この作家の何処が良いんだろう?

20:00 ホテル内の寿司店「K」で、某美術館関係者と食事。然し美術館内の政治も、外に違わず聞くからに難しそうで、同情する。どの世界も政治に関わらずに生きて行ける事程嬉しい事は無い、と実感。


4月29日(日・みどりの日

10:30 北陸新幹線に乗って、久し振りの金沢へ。今回の目的は、金沢美術倶楽部の百周年を記念した3つの展覧会、則ち「美の力」@石川県美、「Power of Art」@金沢21世紀美術館、「茶事の妙」@金沢市立中村記念美術館を観る為だった。が、その中でも僕の最大の興味は、5年前に根津美術館で開かれた「井戸茶碗展」にも出品されなかった個人蔵、幻の大井戸茶碗「筒井筒」 だ!

13:30 金沢に着くと、早速石川県美の「美の力」展へ。ゴールデンウィークなので大混雑と思いきや、会場の余りの人気の無さと静けさに驚く。そして展覧会はスンバラスィ作品群で、もう溜息の連続…その中でも長次郎黒楽「北野」と赤楽「次郎坊」、奥高麗筒茶碗「子のこ餅」、名越四方釜、井戸茶碗「福嶋」や粉引茶碗「楚白」、斗々屋茶碗「毘沙門堂」等にヨダレが止まらない。

15:30 重厚な展示だった県美を堪能すると、今度は裏の山道を降り、こじんまりとした中村記念美術館で開催中の「茶事の妙」展へ。其処で入場料を払って入ろうとして居ると、後ろから「桂屋さん?」と声が掛かり、驚いて振り向くと何と数日前に京橋骨董祭りでお会いした、某茶道具店の方がお母様といらして居たので有った…世の中、本当に悪い事は出来ない(断言しますが、何もしてません!笑)。そして展覧会の方はと云うと、中々味の有る展示だったのだが、何しろ初めて観る重文大井戸茶碗「筒井筒」に圧倒され、頭がクラクラ。これは僕が今まで観た如何なる井戸茶碗の中でも、最高のモノだと思う。そしてこの茶碗に纏わる有名な話が有って、それは秀吉愛玩のこの茶碗を小姓が落として5つに割って仕舞い、怒った秀吉は小姓を手討ちにしようとするが、其処に居た細川幽斎伊勢物語第二十三段の「筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに」を基にした狂歌、「筒井筒 五つにわれし井戸茶碗 咎をば我に 負いにけらしな」を詠み、その場を鎮めたとの逸話。然しこの「筒井筒」、何度観ても素晴らし過ぎる茶碗で、個人的には「喜左衛門」や「細川」よりも優れて居る様に思うし、その風格・品格全てに於いて、最高の茶碗だと思う。そして「個人蔵」で滅多に観る機会が無いと云うのも、この茶碗の価値を高めて居る…「真の名品」は、余り世間の目に晒す物では無い。

19:00 合流した友人と、カウンター割烹の「T」へ。此処は某茶道具商から紹介された何とも云えぬ場所に有る小さな店で、ご主人は大阪の名店「K」で15年以上修行された、ルックスもまるで修行僧の様な方。が、料理は非常に繊細でかなり美味しく、流石金沢の意気を感じる。幸せスグル。


4月30日(月・振替休日

11:00 東茶屋町へ観光しに。古い遊郭が残るこの街での個人的目玉は、重要文化財の「志摩」…文政2年に建てられたこの建物は、遊興の為の高い天井を持つ、二階建の茶屋だ。良く残って居る物だと思ったが、「現存茶屋として唯一の重文」と云って居たが、「角屋」はどうなるのだ?確かあれも重文では無かったか?

12:30 此方も某茶道具商のご紹介、茶屋町内の寿司屋「M」へ。美味しい季節・地場のネタを、風情の有る店の佇まいで頂く。美味い。ご主人と話すと、近い将来東京に進出するとの事…楽しみだ!

14:00 今回の金沢の最後の目的地、金沢21世紀美術館へ「Power of Art」展を観に。館に着くと物凄い人出に辟易するが、肝心のこの展覧会場には人は疎らで助かる。序でに入り口では、知己の有る茶道具商T氏にもバッタリ。さて会場内は例えば黄瀬戸茶碗「朝比奈」の様な名品も有ったが、出展作品も展示も何処かチグハグな感じで、「売り物」の展示の様に見えて仕舞う所が勿体無い。が、この3館での展示、何しろ気合は伝わった。然し頭に残るのは、何と云っても「筒井筒」…死ぬ迄に一度は茶を飲んでみたいと切望する逸品でした。

15:30 人が多過ぎる21世紀美術館を後にし、兼六園へ…何度来ても良い庭だなぁ。

18:00 今回の金沢旅行最後の食事は、金沢フレンチの「C」で。ご夫婦でやられて居るレストランの味は愛情溢れ、物凄く美味しい。オーセンティックな中にも新しさが宿る、流石のお味でした。

21:00 北陸新幹線で帰京。頭も眼も胃袋も、何と充実した旅だったのだろう…Tさん、今回の金沢グルメ指南、有難うございました!


5月2日(水)

13:00 カレンダー通りの休日の僕だったが、午後は骨董屋さんを廻る。その1人Aさんの所では、自分でももう喉から手が出る位に欲しいと思う、最近見た中では最高級の藤原期の仏像を観るが、世の常で「これ、良いなぁ…」と思う物程高い(涙)。

18:00 久し振りにお会いした、西洋美術のディーラーの方と食事。鉄板焼きを頂くが、70歳を超えて尚お元気でダンディーなお姿に驚く。アートをやる人は若いなぁ。


5月3日(木・憲法記念日

12:30 母と観世能楽堂で、観世喜之家「三代能」を観る。観世喜之師の家と我が家とは、僕の父、叔母2人が先代の喜之先生の弟子だった事、喜正師が学校の後輩な事も有って、お付き合いが長い。連吟「菊慈童」から始まった会は、喜之師の枯れた「鷺」、観世宗家の気合の入った舞囃子「安宅」、そして喜正師が舞う「熊野」へと移る。「熊野」は僕の大好きな曲の1つで(拙ダイアリー:「母の誕生日に『熊野(ゆや)』を思う」参照)、そもそも涙無くしては観れ無いのだが、今回の喜正師の「熊野」は、朗々とした謡に素晴らしい舞の、何とも美しいお能で有った。そして梅若實・観世銕之丞・片山九郎右衛門の三師に拠るお仕舞「三笑」(九郎右衛門師は、近年益々良くなって来て、師は将来観世流を背負って立つと思う)を経て、最後は喜正師の娘さん和歌ちゃんの「合浦」。子供がシテやワキを演じる能に、一流の囃子方が付く…お能のこう云う所が素晴らしい。


5月4日(金・国民の休日

19:00 銀座ステーキハウス「I」で、最近サバティカルから戻られた美術史家H先生、小説家H氏、写真家S氏と食事。今の日本に最も必要な物は何か?…それは「批評」の土壌と、それを実践する勇気だ。


5月6日(日)

16:00 友人と両国に行き、勅使川原三郎の舞台「調べ」@シアターXを観る。本公演は勅使川原とKarasの佐東利穂子が、宮田まゆみの笙の演奏で踊ると云う演目。会場では、最近クラシックコンサートで良くお会いするI先生にバッタリ会い、ビックリ。そして肝心の公演は、正直笙の曲が単調で、少々眠かった。

18:00 公演後は麻布十番に行き、「T」で餃子担々麺を頂く。此処の餃子は大学生時代から食べて居るが、変わらぬ旨さ。「モチモチー」な食感に歓喜の声を上げる。


5月7日(月)

11:00 理事を務める某財団で、温めて居た企画の打ち合わせ。取り敢えずGOが出て、ヤル気が起きる。

19:00 かいちやう&クラシックギタリストと、久々に青山「D」でディナー。会話中、山口達也の事件以来、僕が「メンバー」と呼ばれて居る事を話すと爆笑されたが、全国の山口姓の方々のご苦労が偲ばれる。

21:00 かいちやうの茶室に場所を変え、お茶を静々と。かいちやうが僕にお茶を出す時に、「孫一さんは、この茶碗に見覚えが有る筈ですよ」と仰るので良く観ると、それは何と僕がもう10年以上前に扱った、和物茶碗では無いか!余りの懐かしさと時を経て再会したご縁、そして在るべき場所に在る為(この茶碗には、かいちやうのご先祖様の箱書が有る)に、存在感を増した姿に感動する。お代わりは、僕がかいちやうに箱書を頼んで居た赤楽茶碗で。そしてその茶碗に付けられた銘は、何と「熊野(ゆや)」…数日前に観た観世喜正師の「熊野」での装束が目に浮かんだ、静かな良い一夜でした。


5月8日(火)

12:00 某美術館長と恒例のランチ@「O」。この日から始まったと云うパリソワとオムライスを堪能しながら、情報交換をする。

14:30 古美術商を訪ね、神道美術の話をたんまりと。最近、数年前に亡くなった某有名美術館長の仏教神道美術、朝鮮物等のコレクションが市場に出て居て、何れも素晴らしいモノばかりと云う話で盛り上がる。矢張り眼の力は偉大で、それは経済力も必要とする。

17:00 時間が空いたので、ワタリウムで開催中の「理由なき反抗」展を拝見し、その後地下のカフェで和多利さんとお茶。某作家に関する新企画を聞き、興奮する。


5月9日(水)

10:00 その昔父と由縁の有ったご家族のお宅に伺い、お持ちの作品を拝見する。その方は亡き父が大学生だったか助手だったかの当時高校生で、父に1年間英語を教わったそうだ。僕の出たテレビ番組を偶然観て会社に連絡を頂いたとの事だったが、人のご縁とは本当に有り難いものです。

21:00 テレビのニュースで、最近捨てたか捨てなかったかですったもんだして居た、東大食堂の宇佐美圭司作品「きずな」が、結局産廃として電動ノコだかで切られ、破棄されて居た事を知る。全く日本人の芸術に対する民度の低さを露呈する話だが、「誰にも」相談しないで遣って仕舞う事にこそ問題が有ると思う。東大生協で働いて居る人々の教育・教養レヴェルがどの位かは知らないが、あんな大作を切って捨てて良いかどうか、「誰かに聞くべきでは無いか?」と誰一人も思わなかった事がアンビリーヴァブルで有る。日本の最高学府らしい「東大」、世界の中での取り柄が何か欲しいモノだ。


5月10日(木)

10:00 香港のボスと電話会議。進行中の3つの大仕事に就いて、近況報告。

10:30 今度はグループでの電話会議…カンファレンス・コールのシステムを開発した人間を恨む。

21:00 夜は自宅でゆっくりとしながら、小川洋子の「口笛の上手な白雪姫」を読了。小川洋子の不安な作品は、何時も僕を「非現実的な現実」とでも云うべき不思議な世界へと誘い、何故か「嗚呼、僕だけじゃ無いんだ」と安心させて呉れる。


5月11日(金)

12:00 重要顧客と、「N」で鮨ランチ。この80歳を超えて尚お元気な方と会うと、「俺はまだ若い、頑張らねば」と熟く思う。この方には何時か恩返しをしたい、と切望する方だ。

14:00 神保町に行き、古本屋を巡って或る日本美術に関わる文献を探す。その折、昭和9年に建設社から刊行された青山二郎装丁の「アンドレジイド全集」見つけ、思わず買って仕舞おうかと思うが、状態が余りに悪く断念。僕は小林秀雄作品の青山二郎装丁初版本を実は2冊持って居るのだが、此処迄来ると本ももアートの領域…だが、価格は非常に求め易くて宜しい。

15:30 以前観た仏像が脳裏から離れず、某古美術商を再訪。夢に迄出て来そうな勢いなので、その晩は家で古い文献をひっくり返して調べ捲る。「ウーム、若しかしたら藤原より一時代前では無いのか?」「来歴は何か有るのか?」…沸々と好奇心が湧き上がり、居ても立っても居られなく為る。良い作品に出会うと、僕は何時もこうなるのだ。


5月12日(土)

9:00 社内メールで、今週ニューヨークで開催されて居た「The Collection of Peggy and David Rockefeller」セールが終了し、総額8億3257万3459ドル(約910億円)を売り上げた事を知る。トップロットはピカソの「Fillette à la Corbeille fleurie」の1億1500万ドルで、個人コレクション・セールとしてのオークション史上最高額と為った売上高も凄いが、何しろこの1000億近い売上金の全てを寄付する所がより凄い…日本じゃとても考えられない。


5月13日(日・母の日

16:00 ホテル・ニューオータニの寛土里にて開催中の、「前田正博展」を観る。作家ご本人も居らしたので、初めてご挨拶。赤色を使用した水指等が面白い。

18:00 紀尾井町料亭「R」で、母の日ディナー。食欲旺盛な母と、鮎や季節の料理を楽しむ。


茶碗の銘も偶然だったが、母の日には「熊野」の謡を思い出す…皆様のお母様が、何時迄もお元気で有ります様に。

老いぬれば さらぬ別れのありといえば いよいよ見まく ほしき君かな」


ーお知らせー

*僕が昨年出演した「プロフェッショナル 仕事の流儀」が、NHKオンデマンドで視聴出来ます。見逃した方は是非!→https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017078195SA000/

*山口桂三郎著「浮世絵の歴史:美人画・役者絵の世界」(→http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062924337)が、「講談社学術文庫」の一冊として復刊されました。ご興味の有る方は、是非ご一読下さい。

ShimaShima 2018/05/19 21:20 昨日は有楽町で、突然お声がけをしてしまい失礼いたしました。健診帰りのところ、驚きで一気に目が覚めました(笑)
今まであまり興味のなかった日本美術にも面白さを感じ、世界が広がりました。初心者ですが、これからも多岐にわたる情報を楽しみにしております!

孫一孫一 2018/05/19 21:47 Shima様、こちらこそ本業中且つ街中でしたので、吃驚して仕舞いましたが、お声掛け頂き、有難うございました。日本美術にご興味が出始めたとの事、嬉しいです!今後も日本美術・拙ダイアリー共、応援宜しくお願い致します!