夕陽の町に奴らは潜んでいるのだ 西伊豆町堂ヶ島『海賊焼』

新参者のB級グルメってヤツである。町興しや産業振興のためにヒトの成功をマネて全国各地でムーブメントが起きているが、やはりそうした付け焼刃テキB級グルメでは長続きせず哀れな末路を辿っているところも多くあると聞く。
東西に長く食材豊富な静岡ではそんなコトをせずとも正真正銘なB級グルメが数多く存在しているワケであって、もう出てこないだろうと思っていたところに敢えて切り込んでくるとはナカナカにズ太いというかキモが坐っているではないか。それもそのはずで、夕陽の町として知られる西伊豆堂ヶ島はかつて伊豆北条水軍の基地があった港を擁し、風光明媚かつ複雑な海岸線に隠れては襲ってくる海賊に対峙していたという歴史がある。
そんな強靭な肉体や精神が今も息づいているのだろうか、恐れを知らず勇敢に闘いを挑んでくる『海賊焼』を先日の「しずおか食の彩展」で知り、ドレドレとお試ししたくなってしまったのね。

西伊豆のこのエリアは昔からイカ漁が盛んで町の重要な産業のひとつになっているが地元での消費量が少なく、そのイカを使ってなんとか名物に仕立て上げて観光客の増加と町収入のアップを狙った、と云う企画でもある。
麺が真っ黒なのはソースがシミてそうなったわけではない、イカスミを練り込んである麺なのだ。まるでイカスミのパスタのような風情であるが、名産品としてのアピールとインパクトを与える使命は充分に果しているのではないか、よいアイデアだと思う。
製品の外装フォトはイカの身肉にキャベツ&人参であるのに対し、袋のウラ書きには“生イカと玉ねぎそしてネギを入れて作れ、トッピングには岩海苔を載せよ…”と指示してあった。う〜むコレは困った。

まあ外装フォトはビジュアルも加味しなければならないのでそうしたのだろうが、ちょっとその辺りは一致させて欲しかったなあ。それより岩海苔なんてフツーの家庭じゃ常備してないもんね。それも併せて振興したいのなら会場で一緒に売ればよかったじゃん…って思うのだよ。
富士宮やきそばの場合は最低限必要なモノ(麺・ソース・肉かす・削り粉・紅ショウガ)は全てパックに入った状態で販売されているというのも全国テキに早く普及した一因なのではないか、そーゆー部分もしっかり学びとるべきだ。成功の陰には細心の努力が必要なのであって、小さな岩海苔パックくらい添付しておいても損はないと思う。
ケチばかりつけてしまったがお味の方は抜群だ。生イカを入れなくてもいーんでないかい?と思う程に麺の旨味を上手に活かした塩味ソースの出来は素晴らしい。もちろん生イカがプラスされるとド〜ンと美味しさが爆発してイタリアンやスペイン料理にも通じる風味にフレッシュな喜びを感じる。
2食入りで¥350という価格は決して高いものではないが麺とソースだけだしねえ… 成功と安定のためにはもう一歩のツッコミが必要でしょ、と富士宮市民はアドバイスを送るのである。




西伊豆町
http://www.town.nishiizu.shizuoka.jp/

西伊豆町商工会
http://www.n-shk.jp/

佐野製麺株式会社
http://www.sanoseimen.com/




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Sora



Afternoon, February 23. 2011.










かぶちゃん
こんばんわにぎす!
キャベツは一般的にはもう少し先かな… 富士宮は産地だもんで小さめの手頃なヤツが農民市場に出てくるようになりました〜\(o^∀^o)/
柔らかくて香りも良くて美味しい♪ 千切りで揚げ物の付け合わせにしたりタンメンの具で早速楽しんでます。あっもちろん富士宮やきそばでもね(笑)
イカスミ入りの黒い麺は基本テキに焼そばの蒸し麺です。真っ黒だけどお味にコクというか深みがあってジツに美味い!いいねえ、これってさ(^o^)v イカスミのパスタは“お歯黒”になっちゃうけど、コレはそんな心配は無用だぜ (´▽`*)アハハ