『ザブトン・ピビンバ』

「九州フェア」をやっていたトナリ町のちょいハイソ系スーパー、当然のことながらブランド牛肉が目白押しの九州だからそんなスペシャビーフもたくさん並べられていたのね。しかしお値段もそれなりなものなのであって、残念なことにカンペキに予算オーヴァーなのである。
まあ予算云々よりも平素の食事にそんなゼイタクをしてよいものなのか…というファクタのほうが大きかったと云うのが正確なところなのであって、やはりとびきり上等な食材は何らかのアニヴァーサリイとかご褒美など特別なときに奢るのが正しいものなのだ。
ところがいったん「牛肉喰いて〜」欲望に火がついてしまったエロおやぢはフツーの国産牛肉パックにメを走らせてしまうのよ、卑しい本性がここに噴出するわけだ。おぉっ、あるじゃないか、手ごろなやつがさ…とテにしたのは希少部位の“ザブトン”ね。
これは肩ロースの一部で品の佳い食感と甘みが人気の部位、しかも30%ディスカウントのシールが貼付されているではないか。こいつを逃すテはない!とソッコーでカゴに入れることとなったのだが、また都合のいいことにその傍らには「ナムル四種セット」なんてものも置かれていて、食い意地の張った中年オトコは見事にちょいハイソ系スーパーが仕掛けたトラップに引っかかるわけなのよ。


Mamiya  mamiya/sekor 2/50  @ SONY α7

調理過程に難しいものは何もない。ただフライパンでザブトンを焼き、すき焼きの割り下にコチュジャンを溶いたものをジャジャッと回しかけて仕上げるだけである。
ドンブリご飯には予め韓国海苔のちぎったものや四種のナムルを敷き詰めておき、その上にいい照り具合で笑顔を振りまくザブトンを優しく並べてやるのだな。法則通りに卵黄・白ゴマ・糸切り唐辛子をトッピングすれば完成、あとはマゼマゼしてわしわし喰うだけである。
美味い!めっちゃ美味い!アッという間にがつがつとたいらげる。
しかし残念なことがひとつある。あまりに呆気なく終えてしまう食事、なんかこう次第に満たされてゆく欲望の充足感とかアルコールとの掛け合い、そして余韻というものがないのね。一日の終わりにふさわしい余裕と明日への語らいが存在しないのだ。
う〜ん、こーゆー食事は昼めし向きなのかも…ってねぇ今頃そんな事に気づいたのかい、いい勉強になりましたな。




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雨後の庭 其の参
雨が多かったせいか
今年はうんと成長したパープルハート
真夏のころ朝露に輝く姿が一番キレイなんだけどね
そろそろ仕舞い支度でしょ



RICOH  XR RIKENON 2/50  @ SONY α7