アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード


・このブログ内に登場する、マサチューセッツ州アーカム・ミスカトニック大学は、H.P.ラブクラフト(および他の作家)による、一般に「クトゥルー神話(クトゥルフ神話)」系と呼ばれている小説などに登場する架空の土地、大学であり、実在しません。また、ほかの架空の地名、 人物名、団体名などが言及されていることもあります。詳しくは[こちら]をお読みください。

・さいきん迷走してるような気もしますが、メインは「私」のミスカトニック大学留学記です。クトゥルー神話系の創作(二次創作?)も書いてます。主要/おすすめエントリのインデックスは[こちら]。創作作品はブクログのパブーでも公開しています。(http://p.booklog.jp/users/asahit)

・ご指摘、ご感想などいただけるとはげみになります。コメント欄、ウェブ拍手、またはメールでおねがいいたします。 [Web拍手を送る]
 (メールアドレスは[こちら]をご参照ください。)
 (コメントスパム対策のため、「はてなユーザーのみ」のコメント制限をかけさせていただきました。過去にいただいているコメントは、はてなユーザーのかたからがほとんどなので、影響はすくないとおもいますが……。はてなアカウントのないかたは、お手数ですがウェブ拍手、メール、Twitterからおねがいいたします。)

2009-07-08

ぐうぞう

| 22:03 | ぐうぞう - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) を含むブックマーク

先週まで、同じ学部の教授のお手伝い (手当は出たのでアルバイトのようなものですが) で、アーカムや周辺の町にある古い建物の装飾とかそういったものを写真に撮って収集する、という仕事をしていました。そのときに、こんなものを発見。

f:id:asahi-arkham:20090709105343j:image


やや別角度から。

f:id:asahi-arkham:20090709105337j:image


この家は、ほかの装飾も、海藻とか貝とか、海産物をかたどったもので統一されていて、不思議な感じでした。(写真で、魚の左下に写っているのも、ヒトデっぽいですね。) 魚とはあまり関係のなさそうな建物 (ふつうに市街地にある古い家) だったんだけど、元住人の趣味とかなのでしょうか。


写真をまとめているときにちょっと調べたら、インスマスから転居してきた人が住んでいた時期もあるみたいですが。

2009-05-19

わたしのかお

| 23:50 | わたしのかお - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) を含むブックマーク

シート式の顔パック (というのかな? 顔に貼って保湿とかするやつ) ってありますね。

f:id:asahi-arkham:20090520121820j:image

(ニシちゃんが持ってるはずだから実物の写真を撮らせてもらおうとおもっていたら、ついこのあいだ最後のをつかい切ってしまった、とのことだったので、やや不気味な絵での説明になることをお詫びします。)


で、これの、目や口を出す穴、というのは、日本で売っているものだと、あるていど「平均的な日本人女性」の顔のかたちにあわせてあけてあるのだとおもいます。なので、

f:id:asahi-arkham:20090520121819j:image

平均に近い顔の人がつかうときには、こういうふうに目の位置がちゃんとあうはずなんですが、

(※ 使用中に覆面レスラーのような外見になってしまうのは、おそらく誰がつかってもおなじです。)


f:id:asahi-arkham:20090520121810j:image

どうやら私の目ははなれてついているようで、どうやっても目を出す位置があわないので、大変こまります。



関連: わたしのて - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記)



↓ ウェブ拍手ボタンです。いつも拍手くださっているかた、ありがとうございます。はげみになってます。

2009-01-29

わたしのて

| 01:38 | わたしのて - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) を含むブックマーク

私の手は、甲がわからみるとこんな感じなのですが、

f:id:asahi-arkham:20090130152317j:image

ほかの人のとくらべると、水かきというのか、指と指のあいだの皮が多めについているようで、

f:id:asahi-arkham:20090130152450j:image

まあ、べつに不便とかはないのですが、ただ、指輪をしようとすると、こんなふうになって、

f:id:asahi-arkham:20090130152820j:image

f:id:asahi-arkham:20090130152958j:image

変になってしまうので、せっかくニシちゃんがプレゼントにくれた指輪とかも、あまりつけられないでいるのがちょっと残念です。

2008-12-13

11月15日、土曜日。(その12: 終)

| 22:44 | 11月15日、土曜日。(その12: 終) - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) を含むブックマーク

 その週が終わるころになって、私はすこしずつ回復してきた。

 けれども、まだ本調子にはほど遠く、そのあとも1週間、寝たり起きたりをくりかえした。

 楽しみにしていた感謝祭の休暇も、ボストンへの買い出しも、すべて棒にふることになってしまった。

 魚人に追われる悪夢も、あいかわらず夜ごとに襲ってくるのだった。


 感謝祭休暇が終わる日曜日。

 昼過ぎ、ニシちゃんが買い物に出かけたのをみはからって、私は布団から抜け出した。

 夏に楼家島に事前調査に行った際にとった記録、そのあとに書いた報告書や論文のたぐい。さらには、撮影した写真のプリントと、ネガフィルム。ベスネル氏とやりとりした手紙。机の引き出しや、ファイルから、なにかにとり憑かれたようにそれらのひとつひとつを探し出し、まとめると、私はアパートの中庭に向かった。

 中庭には、住人がバーベキューにでも使えるように、ということなのだろう、煉瓦とコンクリートで野外炉がつくられている。

私は、上につもった落ち葉を払いのけ、持ってきたものをすべて、炉の中につめこんだ。

 台所で見つけてきたマッチを擦って、そこに落とす。

 2本、3本、と落としていくと、やがて、火がめらめらと燃えはじめ、プリント用紙や印画紙は、ただの黒い灰に変わっていった。


 それから私は自室に帰り、デスクにあったノートパソコンを手に取った。

 自分の頭より高いところまで持ち上げて、そこから、床に叩きつける。

 パソコンは、コンクリートの表面に薄いカーペットをしいただけの床に当たって、わずかに跳ね返る。

 外殻はおもっていたよりも堅牢で、一度では、目に見える変化はなかったけれど、同じことを何度かくりかえしているうちに、プラスチックが割れ、キーボードが吹き飛び、中身の基盤類が露出した。

 私は、収納庫から出してきた金槌を手にして、転がり出てきた銀色のケースに入っているハードディスクに狙いを定め、何回も何回も、振り下ろした。

 しばらくしてニシちゃんが帰ってくるまで、私はノートパソコンの残骸を前に、放心状態のまま、座りこんでいた。


 月曜日。

 私は重い頭を枕から引きはがし、シャワーを浴びて、学校に行った。

 指導教官に会い、いま行っている研究をやめることと、もしかすると大学院もやめるかもしれないことを告げた。

 教授はいつもどおりの、援助を惜しまない姿勢で、研究テーマを変えても博士課程をつづけることの大切さを説いてくれた。


 大学院には、とどまるとおもう。

 教授の言うとおり、ここでキャリアを変えてしまうのは、もったいないことだ。

 けれども、楼家島にかかわる研究、自分自身の祖先に対する興味からはじめたこの研究に手をつけることは、もう二度とないだろう。

 私には、知ることが許されていないのだ。


 すべての秘密を知ることができるようになる日は、いつか来るのかもしれない。

 兄や、インスマスで会ったあの女性のように、私が海に招かれる日が来ることも、あるのかもしれない。

 しかし。

 インスマスでの夜、廊下の声が言っていたように、私に流れているのは、薄い血でしかないようなのだ。

 顔にあらわれている「インスマスの外見」の特徴も、ひと目見ればそれとわかりはするけれども、あの女性や兄ほど顕著なものではない。


 だから、もしかすると私は、ずっと陸の上で生きていかなくてはならないのかもしれない。

 「人」とは明らかに異なった、この容貌を持ったまま。

 同じ血が流れているはずの同胞と一緒になることも、彼らの中で受け継がれている伝統に触れることも、許されないまま。



↓ ウェブ拍手ボタンです。いつも拍手くださっているかた、ありがとうございます。はげみになってます。

2008-12-11

11月15日、土曜日。(その11)

| 04:05 | 11月15日、土曜日。(その11) - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) を含むブックマーク

 インスマスの町から、インターチェンジまで。車ならば15分もかからない距離のはずだが、1時間以上は歩いただろう。

 体はすっかり濡れ、冷えきってしまっていた。

 道路がすこし登り坂になっているところを越えると、降りしきる雨の幕のむこうにぼんやりと、ガソリンスタンドの緑色の看板が見えてきた。

 併設されているコンビニエンスストアの店内の灯りが白くこぼれているのもわかる。

 私は、ときどき膝の力が抜けてしまいそうになるのをこらえながら、その光をめざして進んでいった。

 ガソリンスタンドの前に立つ。

 蛍光灯の青白い光をこれほど暖かく感じたのは、はじめてのことだった。


 ガラス扉を、全体重をかけるようにして、なんとか押し開ける。

 店内に入った瞬間、これまで緩めないようにがんばっていた緊張の糸が一気に切れ、私は床に崩れおちてしまった。

 カウンターのむこうにひとりだけいた店番の男が、私のほうに近づいてくる。

「魚人の群れに追われているんです。助けて」

 私は、力のない声で、男に訴える。

「その魚人というのは」

 男は答えながら、かぶっていたフードをうしろにずらす。

「こんな顔をした奴らかね」


 自分があげた叫び声で、目が覚めた。

 長い距離を走ってきたあとのように、呼吸が荒くなっている。

 汗をびっしょりとかいていて、体を起こすと頭がすこしくらくらした。

 私は、アパートの自分の部屋の、自分のベッドの上にいるのだった。

「よかった……」

 私は大きく息をついて、掛布団をかきあわせ、もういちど横になった。

 乾いたシーツの肌触りが心地よい。


 インスマスから逃げ出したあと、実際に駆け込んだガソリンスタンド兼コンビニエンスストアの店員は、よくいえば寛容な、悪くいえば危機感のない、老年にさしかかった男だった。

 どうやら以前にもそういうことがあったらしく、詳しい事情を聞かないまま(私も、説明できるような状態ではなかったけれども)、私のことをボーイフレンドと喧嘩をして道中で放り出されたものと決めつけ、店の電話を使わせてくれ、それから、連絡をとったニシちゃんが到着するまで、暖房の前の椅子をすすめてくれた。

 ニシちゃんを待つ間にも、いろいろと話しかけてきてくれたのだが、私は、いつこの店のドアが開いて、魚の顔を持った一団がなだれこんでくるか、それが気がかりで、うわの空の返事しかできなかった。

「カウンターの裏にショットガンが隠してあるからよ、もし男が追っかけてきたら、それで追い返してやるから」

 店番の男はそう言って笑っていたが、店に入ってくるのが魚人の群れだったとしても、同じ対応をしてくれるのだろうか。

 あるいは、もしかすると、ニシちゃんの車が、私を追ってきている者たちによって襲撃されているかもしれない。助けは永遠に来ないのかも……。

 その不安は杞憂に終わったのだけれども、彼女の車がコンビニエンスストアの前の駐車スペースにすべりこんでくるまでの30分足らずが、とてもとても長い時間に感じられた。

 アーカムに帰る道のりの間、私はずっと、運転しているニシちゃんの横で、助手席にちいさく丸まっていた。体の震えと、涙が止まらなかった。


 アーカムの自宅にもどってきたのは、日曜日の早朝だった。

 それから私は、しばらく寝込むことになった。

 体温計で計ってみても熱はないようなのだが、悪寒と目眩と吐き気に悩まされつづけ、数日は食事も喉を通らなかった。

 夜中にずぶ濡れになって歩きまわったせいで風邪をひいてしまったのか、それとも、ほかの原因があったのか、それはわからない。


 眠りに落ちると、かならず夢を見た。

 夢の中でいつも、私は魚の頭を持った異形の者の集団に追われていた。

 逃げようと、石畳の道を走っていくと、いつのまにか、沼のようなところに踏み入れてしまっている。

 黒い、どろどろとした、悪臭を放つ物体に足をからみとられ、動きがとれなくなる。

 もがけばもがくほど、体はずぶずぶと沈みこんでいく。

 そんな私のまわりに、四方から魚人たちが迫ってくる。

 異形の者の群れを率いているのは、ときに、水掻きのある手と鱗におおわれた頭を持った巨大な生物であり、ときに、人間の女性だった。あの、先週の土曜日の夜に会った、「インスマスの外見」をした日本人の女性なのだ。

 夢はまれに、逃げ場のなくなった私のもとに、どこからともなくニシちゃんがあらわれて、『マトリックス』の主人公ばりのアクションで魚人の集団を蹴散らしてくれたり、同じくニシちゃんが、ひきつれてきた死者の群れをあやつって魚人たちと闘ってくれる、という展開になることもあったけれど、たいていの場合、私はひとりきりで、追いつめられてしまう。

 そして、魚人の顔が目の前に迫り、もうだめだ、とおもったそのとき、夢から覚めるのだ。



↓ ウェブ拍手ボタンです。いつも拍手くださっているかた、ありがとうございます。はげみになってます。