旭亭だより

2018-06-15 杓子定規

杓子定規」ということばは使われ方で意味がわかり、辞書を引いたことはありませんでした。「定規」は物の長さを測るものだから、融通がきかないことの例えとなったのだろうと考えていたのです。「杓子」が何であるかは知っていましたが、なぜ定規と結びつくのかは気にしませんでした。

柴田宵曲の『妖異博物館』を読んでいて「杓子」に出くわしました。汁をすくう道具という普通の意味で使われていたのですが、「杓子定規」が連想され疑問が浮かんできました。

「杓子」は量を量るものではありません。ならば「杓子定規」は「杓子」と「定規」が計測具という範疇からイコールに結ばれたのではない。なぜ「杓子定規」なのか。

広辞苑』には二つの意味が記されていました。「(杓子の曲がった柄を定規に利用したところから)正しくない定規ではかること」と「一定の標準で強いて他を律しようとすること。形式にとらわれて応用や融通のきかないこと」です。私は後者の意味しか知りませんでした。前者の意味で「杓子定規」というならわかりますが、後者では納得できません。

大辞林』を引いてみました。意味は一つで、「〔古くは杓子の柄は曲がっており、定規にならないのを定規の代用とするということから〕一定の基準・形式で他のすべてを律しようとすること。融通のきかないさま」です。

他の辞書も引いてみましたが書いてあることはほぼ同じでした。わかったような、わからないような……。