CALL ME SLAVE

2012-09-02 1830m

[]萩原一至白黒画集妄想

先日ふとBASTARD!!ノベル版イラストが気になって見直していたのだが、単行本漫画小説)にも画集(第一・第二)にも収録されてない絵がジャンプノベルの切り抜きに散見されたので慌てつつ、せっかくなので全カットスキャンした。しかし一作目はまだよかったが二・三作目が見開きやら文字カブリやら多くて大変だった。そういうのこそ画集でちゃんと見せてほしいのに……と思って改めて見ると、全体的に白黒原稿の扱いが低い本だなあ。そもそも各カットが小さいし、画集においても見開きで載せられたら見づらくて仕方ないというに……。ノベル一冊目に描き下ろされた漫画も第二画集でようやく収録されて安堵したけど、それでも画面小さいしなあ。というか第二画集の横開きってのはカタログっぽくて楽しいけど見やすさって意味では若干疑問が残る。萩原先生がノベル版で新境地を開拓したペンタッチ重視の描画を堪能したいのに。余談だがあの頃、季刊連載時ってのはバスタードって作品にとって漫画本編とノベル等の他仕事がいい刺激を与え合って、新たな表現方法模索なんかにも繋がっていた奇跡的な時期だったと思う。それが徐々に体調や制作進行を圧迫していき作品自体へも悪い影響を及ぼすことになっていくわけだが……。

閑話休題。そんなわけで、あの辺の未収録作品集めた本でも出してくれないかなーという妄想。ノベル版の挿絵及び描き下ろし漫画の全収録をメインに、バスタコミックスの扉イラスト(一部のみ完全版に収録という不完全さ……)、あとは雑誌用の予告的なカットだったり(週刊終了して季刊連載開始一回前のポスター裏面に載ってた近況四コマとか)、他作家さんへの寄稿なんかも結構あると思うんだよなー。それと同人も含めたら俺が把握してる(http://d.hatena.ne.jp/asaibomb/00010102#p1)だけでもかなりあるし。プロジェクトA子パロディ漫画もあるな(でもコレは『HAQ本』見たかんじ原稿手元になさそう?)。この辺まとめたらB5かA4サイズで50〜100ページ位の1000円本一冊くらい出来ると思うのでラウドには検討してほしい。とかって要望でも出してみようかしら(企画書か?)。一枚一枚じっくり見られるって意味では複製原画集みたいのでもいいんだけど「本」じゃないとイマイチ惹かれないのは最早フェティッシュしか言うほかないが……。萩原先生もノベルイラスト描くにあたって影響受けていた幡池裕行さんのモノクロ画集とか燃えて買ってた身としてはそんなん見たすぎる……。

そういえば最近ミルトン失楽園』とかダンテ神曲』(とりあえず地獄篇)読んで、バスタにすっげ取り込まれてるのも確認した(うんちくにも明示されてるし)。ドストエフスキーおかし人間の夢』もルシフェルっぽかった。この辺のイメージどんどん視覚化してほしいなあ。18巻サタン独白あたりに色々あるけどもっともっと見たい。漫画としてネームに起こすのが大変(で、今の進行も遅れがち)なのは想像に難くないんだけど。それか小畑健の『人間失格』みたいに文庫の表紙とか担当するみたいな方向でもいいけど。ってまた余計な仕事が増えるのは困るか……。

そもそもなんで今になってノベル絵見直したかっていうと、マジすか学園3のノブナガの雰囲気がノベルマンガダーク・シュナイダーっぽいな、と思ったかなのだった。てことでソレ風を目指して描いてみた。キャラ自体はともかく、背景との関係(いかに馴染ませるか、或いは浮き上がらせるか)もちゃんと考えて描かなきゃダメだな、と痛感した次第。でも後ろの蛇(メタリカブラックアルバムのジャケ参考にした)を縄絵で描いたり、カケアミのアクション作ってみたり遊べたのでよかった。

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[]ダンテ神曲 地獄篇』

人生の道の半ばで

 正道を踏み外した私が

 目をさました時は暗い森の中にいた。

その苛烈で荒涼とした峻厳な森が

 いかなるものであったか、口にするのも辛い。

 思い返しただけでもぞっとする。

その苦しさにもう死なんばかりであった。

 しかしそこでめぐりあった幸せを語るためには、

 そこで目撃した二、三の事をまず話そうと思う。

「憂の国に行かんとするものはわれを潜れ。

 「永劫の呵責に遭わんとするものはわれをくぐれ。

 「破滅の人に伍せんとするものはわれをくぐれ。

正義は高き主を動かし、

 「神威は、最上智は、

 「原初の愛は、われを作る。

「わが前に創られし物なし、

 「ただ無窮あり、われは無窮に続くものなり。

 「われを過ぎんとするものは一切の望みを捨てよ」

「おまえの学問に還れ。

 その学問の体系では、事物は完全であればあるほど、

 それだけ喜びも苦しみも強く感じるとされている。

こうした呪われた連中はけっして

 真の完成に到達することはないけれども、

 審判の後では〔肉体を回復するから〕前より完全に近づくわけだ」

ああ君がた、健全な知性の持主よ、

 不思議な詩句のとばりの下に隠された

 教義を見抜いてくれ。

先生言葉を聞くと私も病人のようにぞっとした。

 だが恥を知る心に私は鞭打たれた、

 良い主人の前では奴も恥を知り励むものだ。

私たち人間に似たこの姿は、近くから見ると、

 首がねじれているからからあふれた涙が

 筋を引いて流れてその臀を濡らしていた。

粗い岩壁の一角にもたれて

 それを見て私は泣いた。すると先生がいった、

 「おまえまでまだそのような愚かしい真似をするのか?

ここでは情を殺すことが情を生かすことになる。

 神の裁きにたいして憐憫の情を抱く者は

 不逞の輩の最たるものだ。

両者はぴったりとくっついた。

 まるで熱くなった蝋のように、色も混じって、

 どちうらがどちらだかもう正体もわからない。

ちょうど火が焼けつくと

 紙がだんだんと茶色く焦げ、

 まだ黒ではないが、白は死ぬ、そんな様だ。

可愛い息子も、年老いた父を思う情も、

 妻ペネロペ幸福にしてやる

 夫としての務めも情けも、

この私のうちにある激情には克てなかった。

 この世界を知り尽くしたい、

 人の悪も人の価値も知りたいという気持ちには。

ただ良心けが私の支えだ、

 良心というのは人間の良き伴侶で、

 自己の潔白の自覚が人に強みを与えてくれる。

「これが悪魔大王だ。この場所はいいか、しっかりと肝っ玉をすえるのだぞ」

私はその時身も心も凍り、声もかすれたが、

 読者よ、それについては聞くな、書こうにも

 筆舌に尽くしがたいのだ。

私は死にはしなかった、だが生きた心地はしなかった。

 読者よ、少し分別があるなら、自分で考えてくれ、

 死にもせず生きもせず私がどうなっていたかを。

この苦悩の王国帝王

 胸の半ばから上を氷の表へあらわしている。

 その腕の長さは巨人の背丈をはるかに凌ぎ、

まだしも私の背丈の方が巨人に近いといえそうなくらいだ。

 こうした部分に相応するような全体が

 いかなるものであるかを考えてみるがいい。

いまはまことに醜いが昔はそれだけ美しかった、

 それが造物主にたいして昂然と叛いたのだ、

 いっさいの災いが彼に淵源を発するのも当然の道理だ。

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