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Strategic Choice

2017-01-23

[]プロトタイピング

プロトタイピング(Prototyping)

どういうこと?

開発に着手する前に、低い忠実度のモデルを高速で作る手法のことです。プロトタイピングは、開発ではなくリサーチの工程です。つまり、プロトタイピングの目的は「理解」になります。

どうして?

プロトタイピングは、アイデアを探求し、問題を深く理解し、短期間で解決策を探るのに役立ちます。さまざまな問題の解決策を見つけるために、改良を加えながら、一連のプロトタイプを高速で作る手法(反復型プロトタイピング)は、「デザイン思考」の基本となっています。

どうすれば?

プロトタイプは、シンプルなソフトウェアや簡単に入手できる素材を使って略式に作り、時短をはかるべきです。事実上、プロトタイプの製作頻度が学びの頻度となります。プロトタイプはいったん目的を果たしたら廃棄します。プロトタイプは品質が目的に入っていないので、そのまま製品化してはいけません。

プロトタイプの忠実度は、理解するべき問題のレベルに合わせます。基本的な問題を理解する段階では、ごく簡単なプロトタイプを使い、理解するべき問題の広がりに応じて、徐々にプロトタイプも進化させていくようにします。

たとえば?

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不明点が数多くあり、時間が限られている中で問題解決に取り組むときは、プロトタイピングが有効に機能します。実際に作り始めることの「学び」には、計り知れないものがあります。

2017-01-20

[]眺望・隠れ場理論

眺望・隠れ場理論(Prospect-Refuge)

どういうこと?

「視界が遮られない」「身を隠すことができる」「退路が備わる」場所が好まれる現象のことです。つまり、他者の視線にさらされることなく、周囲を見渡せるような空間デザインが好まれる傾向にあります。

どうして?

人が居心地良く感じるのは、空間の中央部よりも端の方です。また、頭上に天井や覆いがあり、出入りできる経路が少なく、いくつかの地点では視界が開けて遠くまで見渡せることも、好まれる空間の条件です。

どうすれば?

「景観デザイン」「住居やオフィスの設計」「街づくり」などに、眺望・隠れ場理論を取り入れます。

空間デザインでは、周囲を見渡せる地点をいくつか設けるようにします。そうすればそこから、空間の内部と外部の双方の様子が容易に把握できます。広々として視界が開けたエリアには、部分的に身を隠すことができるよう遮蔽物を設置すると、より居心地が良くなります。

たとえば?

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ファミリーレストランは、大きなガラス窓で眺望を確保しつつ、ブースの背もたれを高くしたり、食事エリア間に仕切りを設けるなどして、眺望・隠れ場理論に沿った設計が施されています。

2017-01-19

[]命題密度

命題密度(Propositional Density)

どういうこと?

命題とは、それ以上単純化できない、事柄に関する簡潔な言明です。命題には「表層の命題」と「深層の命題」があります。「表層の命題」とは目で見ることのできる要素のことで、「深層の命題」とはそれらが伝える意味のことです。

命題密度とは、単位要素あたりに伝達する情報量のことになります。命題密度は、「深層の命題」の数を「表層の命題」の数で割る方法で概算できます。

命題密度(PD) = 深層の命題の数 ÷ 表層の命題の数

どうして?

命題密度が大きいデザイン要素は、人々の興味を引き付け、記憶されやすいといわれています。

どうすれば?

命題密度をできるだけ1より高くするよう工夫します。

ただし、各「深層の命題」は互いに相補的でなければなりません。深層の命題に矛盾があると、メッセージが混乱し効果がなくなります。

たとえば?

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バラク・オバマの2008年大統領選挙キャンペーンのロゴは、命題密度が高く、それが成功のカギとなりました。

可視化されているデザイン要素は3つ(「青い円」「赤と白の線」「線が青い円の下半分を覆う構図」)ですが、意味はざっと数えて10に登ります(円はオバマの「O」や安定性などを象徴、赤と白の線はアメリカ国旗や地平線などを象徴、円の中心部は日の出などを象徴)。

つまり、命題密度(PD)は「3.33」です。

PD = 10/3 = 3.33

2017-01-18

[]段階的開示

段階的開示(Progressive Disclosure)

どういうこと?

必要な情報、または要求された情報だけを表示することにより、複雑な情報を適切に管理する手法のことです。この手法を用いるときは、情報を分割し、複数の階層に配置して、必要性または関連性の高い情報を含む階層だけを先に表示します。

段階的開示は、「ユーザー・インターフェイス」「説明書」「指導書」「(実世界の)空間デザイン」さまざまなケースで利用できます。

どうして?

段階的開示は、情報の過剰供給を防ぎ、一段階ずつ次の情報に進めるようユーザーを誘導します。

どうすれば?

複雑な情報を扱いやすく処理したいときは、段階的開示を用いるとうまくいきます。

とくに、熟練度が異なるユーザーに対し、それぞれの違いに応じたサポートを提供したいときに役立ちます。利用頻度の低い機能や情報は隠して、初心者ユーザーを混乱させないようにします。ただし、簡単な操作ですぐに利用できるよう、「More(続きを見る)」ボタンなどを用意することが必要です。エラーが発生しやすい作業では、初心者に対して、段階を追って手順を示していくと親切なインターフェイスになります。

たとえば?

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あまり使わないメニューや、上級者向けのメニューを、最初は隠すようにして、ユーザの便宜を高めているアプリケーションもあります。

2017-01-17

[]プライミング

プライミング(Priming)

どういうこと?

記憶の中にある特定の概念を活性化させ、それに続く思考や行動に影響を与える手法のことです。対象者に何らかの影響を与える目的で、対象者の頭の中にある特定の記憶を意図的に活性化させます。

どうして?

人が外界を認識するとき、自動的に連想記憶が働きます。いったん活性化されたそれらの記憶は、後続する「思考」「感情」「行動」に影響を与えます。

どうすれば?

プライミングを、デザインのあらゆる局面で考慮します。適切な第一印象や先行刺激は、後続する反応や行動を望ましい方向に導くのに役立ちます。

ただし、プライミングには、自身の価値観に反して行動するよう説き伏せる効力まではありません。プライミングが有効なのは、自身の価値観に沿った行動に、より積極的に取り組むよう促すときです。

たとえば?

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「誰かがこちらを見つめている」という先行刺激を与える写真(上)は、特定の意味を感じさせない写真(下)より、不正な行動を減らす効果が遥かに高くなります。