子どもを乗せた気球が上昇してしまう事故現場に偶然恋人のクラリッサと居合わせた主人公のジョー。その場に居合わせた人たちとなんとか気球を地面につなぎとめようとするが、1人がロープにつかまったまま気球とともに上昇、墜落死する。その夜、ジョーのもとへ現場に居合わせた男パリーから電話がかかってくる。「愛している」と。
見ず知らずの男から執拗に続けられる宗教的な求愛行動。手紙、見張り。まったくの理不尽な行動に当初、たいした危機感も抱かなかったジョーだが、次第のその理不尽さに内面から追い詰められ、生活さえも破壊されていく…。
次第に崩壊していくジョーの生活、理不尽さが次第に意味づけされていく過程がみごとに描かれていて、その手腕はみごと。読み応えのある小説だ。
イアン・マキューアンは密かに注目している作家の1人だが、納得の1冊。本書は映画化されていて邦題名は『Jの悲劇』。
-14% ¥1,701¥1,701 税込
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Enduring Love ペーパーバック – 1998/6/25
英語版
Ian McEwan
(著)
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One windy spring day in the Chilterns Joe Rose's calm, organised life is shattered by a ballooning accident. The afternoon could have ended in mere tragedy, but for his brief meeting with Jed Parry. Unknown to Joe, something passes between them - something that gives birth in Parry to an obsession so powerful that it will test to the limits Joe's beloved scientific rationalism, threaten the love of his wife Clarissa and drive him to the brink of murder and madness.
- 本の長さ256ページ
- 言語英語
- 出版社Vintage
- 発売日1998/6/25
- 寸法12.8 x 2.2 x 19.8 cm
- ISBN-100099276585
- ISBN-13978-0099276586
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商品の説明
レビュー
He is the maestro at creating suspense * New Statesman * A plot so engrossing that it seems reckless to pick the book up in the evening if you plan to get any sleep that night -- A. S. Byatt * Daily Mail * Taut with narrative excitement and suspense * Sunday Times * Hypnotically readable * Sunday Telegraph * Utterly compelling * Sunday Times *
著者について
Ian McEwan is the critically acclaimed author of seventeen books. His first published work, a collection of short stories, First Love, Last Rites, won the Somerset Maugham Award. His novels include The Child in Time, which won the 1987 Whitbread Novel of the Year Award; The Cement Garden; Enduring Love; Amsterdam, which won the 1998 Booker Prize; Atonement; Saturday; On Chesil Beach; Solar; Sweet Tooth; The Children Act; and Nutshell, which was a Number One bestseller. Atonement and Enduring Love have both been turned into award-winning films, The Children Act and On Chesil Beach are in production and set for release this year, and filming is currently underway for a BBC TV adaptation of The Child in Time.
登録情報
- 出版社 : Vintage; First Edition (1998/6/25)
- 発売日 : 1998/6/25
- 言語 : 英語
- ペーパーバック : 256ページ
- ISBN-10 : 0099276585
- ISBN-13 : 978-0099276586
- 寸法 : 12.8 x 2.2 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 450,316位洋書 (洋書の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,133位Self-Help & Psychology Humor
- - 1,520位Lawyers & Criminals Humor
- - 2,799位Romantic Suspense (洋書)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英語は実にわかりやすい。話も、純文学と娯楽作品の中間をゆく読みやすさが魅力だ。これは「ド・クレランボー症候群」といわれる精神障害の実際の臨床例に基づいた作品のようだが、結局、主人公Joeの「近代的自我」を主題にした作品だと思う。Joeは、サイエンスライターとしての自分のキャリアを、科学の本筋から外れた亜流だと「世の中が思っている」と思っており、それが、JoeがJedの「祈り」を拒絶した心理的要因である。つまり、Jedの提案を「馬鹿にするな」と拒絶するのである。Clarissaとも深層の部分で心がつながっておらず、それがJoeを疑心暗鬼にさせる。要するに、Joeは「世の中の主流から受け入れられていない」と考える点で、Jedとコインの表裏の関係にある。つまり、お互いが「引き合う」のである。自信がないから、気球の事故の一件は、自分に責任があるのではないかと、いつまでも気に病んでいる。抑制された筆致でなかなか読ませるし、全ての描写が有機的に関連しあっていて、素晴らしいと思う。掛け値なしの傑作というには躊躇するが、現代に生きる人間の「弱さ」を追求した見事な作品だと思う。
2018年4月25日に日本でレビュー済み
飛ばされる気球を追いかけるシーンが迫力があって良かったのに、その後の物語は期待外れ。冷静な科学者が、頭のおかしいストーカーに執りつかれて平和な日常が壊れていく。結果被害者は恋人を失い、加害者は精神病院に入れられても高揚感に浸っているのです。普通の人が理由があってストーカーになっていてほしかった。
2003年6月16日に日本でレビュー済み
…なんて書いたらマキューアン・ファンの方に怒られるだろうか。
ややネタバレ気味の感想を書かせていただきます。
ストーリーラインは、大雑把にいってしまえばホモストーカーに
じわりじわりと追い詰められる主人公の恐怖と不安。
しかし、そのアプローチが突拍子もなくユニークで驚いた。
ここで描かれるのは、
ストーカーの恐怖そのもの以上に、
恋人との関係の崩壊へ繋がってゆく不安と恐怖であります。
不和の連鎖がこれでもかこれでもかと容赦なく主人公
に降りかかる様は、読んでいて総毛立つ。
筆致がおそろしく冷静で精緻だから恐怖もひとしお…。
ストーカーに追われるうちに、
主人公が冷静なまま狂ってゆく様が痛ましかった。
しかし、ヒロインことクラリッサ・メロンち!ゃんもひどいよな(笑)、
徹底的に主人公を突き放してゆく。
でもストーカーに付きまとわれて、
家族や友達との関係自体が崩壊してしまうってのは
普遍的なパターンなんでしょうね。そしてそれは自分の命を失うこと以上に
恐怖だもんなあ…。本当に怖かった。リアルすぎです。
巻末の解説読んではじめて気付いた(遅すぎ?)んですが、
この小説は、ストーカーを描きつつ、『物語』というものが
人間にとってどうしようもなく欠くべからざる業のような
ものである…という一つの優れた物語論にもなっている。
物語があるから人は恋愛するのであり、物語があるから
人は狂気にも陥る。その「業」から人間は抜け出る
ことが出来ないんである。…とまあ、
そんな視点で、読み直してみるとま!た新鮮でした。
結末の描写は「サイコ」そっくりだし。
とくに誰もが驚くのが冒頭の導入部。
気球のエピソードにも驚いたが、それ以前に私は、
鳥の視点が入るところで驚いた。
ただ、ひとつだけ疑問があって、主人公は最後には
拳銃を買って自衛に出るところまで追い詰められるけど、
拳銃の出所は警察にはお咎めなしだったのでしょうか?
星4つ評価は、若干、論に偏りすぎてるような気もした
という次第で。
ややネタバレ気味の感想を書かせていただきます。
ストーリーラインは、大雑把にいってしまえばホモストーカーに
じわりじわりと追い詰められる主人公の恐怖と不安。
しかし、そのアプローチが突拍子もなくユニークで驚いた。
ここで描かれるのは、
ストーカーの恐怖そのもの以上に、
恋人との関係の崩壊へ繋がってゆく不安と恐怖であります。
不和の連鎖がこれでもかこれでもかと容赦なく主人公
に降りかかる様は、読んでいて総毛立つ。
筆致がおそろしく冷静で精緻だから恐怖もひとしお…。
ストーカーに追われるうちに、
主人公が冷静なまま狂ってゆく様が痛ましかった。
しかし、ヒロインことクラリッサ・メロンち!ゃんもひどいよな(笑)、
徹底的に主人公を突き放してゆく。
でもストーカーに付きまとわれて、
家族や友達との関係自体が崩壊してしまうってのは
普遍的なパターンなんでしょうね。そしてそれは自分の命を失うこと以上に
恐怖だもんなあ…。本当に怖かった。リアルすぎです。
巻末の解説読んではじめて気付いた(遅すぎ?)んですが、
この小説は、ストーカーを描きつつ、『物語』というものが
人間にとってどうしようもなく欠くべからざる業のような
ものである…という一つの優れた物語論にもなっている。
物語があるから人は恋愛するのであり、物語があるから
人は狂気にも陥る。その「業」から人間は抜け出る
ことが出来ないんである。…とまあ、
そんな視点で、読み直してみるとま!た新鮮でした。
結末の描写は「サイコ」そっくりだし。
とくに誰もが驚くのが冒頭の導入部。
気球のエピソードにも驚いたが、それ以前に私は、
鳥の視点が入るところで驚いた。
ただ、ひとつだけ疑問があって、主人公は最後には
拳銃を買って自衛に出るところまで追い詰められるけど、
拳銃の出所は警察にはお咎めなしだったのでしょうか?
星4つ評価は、若干、論に偏りすぎてるような気もした
という次第で。
2009年8月2日に日本でレビュー済み
マキューアンの旧作。すでに文庫化されているようだが、やはり、クレスト・ブックスの装丁がいいので、古本屋で買って読んだ。
とにかく、マキューアンの小説は文章がいい。もちろん翻訳の良さもあるけど、とっても読みやすい。
この小説は、愛と狂気を描いているが、執拗に主人公の男性に迫る男といった設定も全く違和感なく、読める。ストーリーもよく組み立てられていて、最後まで、息もつかずに読んでしまった。
彼の小説は何冊か読んだが、人間の不安定さ、愛情の不条理さといったところが、よく描かれていて、心に残る。
とにかく、マキューアンの小説は文章がいい。もちろん翻訳の良さもあるけど、とっても読みやすい。
この小説は、愛と狂気を描いているが、執拗に主人公の男性に迫る男といった設定も全く違和感なく、読める。ストーリーもよく組み立てられていて、最後まで、息もつかずに読んでしまった。
彼の小説は何冊か読んだが、人間の不安定さ、愛情の不条理さといったところが、よく描かれていて、心に残る。
2007年6月16日に日本でレビュー済み
ある事件を元に描かれる、様々な愛を書いた秀作。
なにかと今注目の作家、マキューアンだけど私は初読。読みにくそうなイメージがあったので構えて読んでみたら、意外に読みやすい。精巧で緻密な文体、難のあるテーマを軽々と読ませてしまう筆力はさすがだなぁと思った。
ストーリーだけを追うとありがちなストーカー物になってしまうところだけど、そうならない。
狂気の男パリーの出現によって、次第に崩れていく主人公ジョー。理解を示してくれない恋人クラリッサへの苛立ち、落ちこぼれの科学者である彼ゆえの落ち方というか、精神の乱れ方の過程を巧く書いている。周辺の登場人物の描写も丁寧に書かれてる。
変質的な男の一方的な愛の話であり、些細な事から崩れだすカップルの愛の話であり、夫が死んだ事で妄想に駆られる妻の話でもあり、多層的な読み方ができる。
なんだか読み終えた後、凄く切なくなった。
なにかと今注目の作家、マキューアンだけど私は初読。読みにくそうなイメージがあったので構えて読んでみたら、意外に読みやすい。精巧で緻密な文体、難のあるテーマを軽々と読ませてしまう筆力はさすがだなぁと思った。
ストーリーだけを追うとありがちなストーカー物になってしまうところだけど、そうならない。
狂気の男パリーの出現によって、次第に崩れていく主人公ジョー。理解を示してくれない恋人クラリッサへの苛立ち、落ちこぼれの科学者である彼ゆえの落ち方というか、精神の乱れ方の過程を巧く書いている。周辺の登場人物の描写も丁寧に書かれてる。
変質的な男の一方的な愛の話であり、些細な事から崩れだすカップルの愛の話であり、夫が死んだ事で妄想に駆られる妻の話でもあり、多層的な読み方ができる。
なんだか読み終えた後、凄く切なくなった。
2006年2月2日に日本でレビュー済み
映画化時のタイトルは、「Jの悲劇」で昨年11月に公開されたイギリス映画でした。
原題は、「Enduring Love」で、「継続する愛」と「耐える愛」の二重の意味を持っています。映画では一部省略されていますが、小説の中には、いくつもの「愛の形」が登場します。登場人物たちは、「愛」故に悩み、苦悩します。
その究極として、「妄想的な愛」が登場し、主人公たちはそれに悩まされ、それまで良好だった二人の「愛」もおかしくなってゆきます。そうした精神的な苦悩を綴った物語です。
そのあたりが、映画ではもう一つ描ききれていませんでした。そのために、全体的な雰囲気は伝わってくるのですが、もう一つ明確な形を捉えられませんでした。それが、原作を読もうと思った理由なのですが、こうした心理小説的な作品を映画化することの難しさを改めて認識させられた作品でした。
原題は、「Enduring Love」で、「継続する愛」と「耐える愛」の二重の意味を持っています。映画では一部省略されていますが、小説の中には、いくつもの「愛の形」が登場します。登場人物たちは、「愛」故に悩み、苦悩します。
その究極として、「妄想的な愛」が登場し、主人公たちはそれに悩まされ、それまで良好だった二人の「愛」もおかしくなってゆきます。そうした精神的な苦悩を綴った物語です。
そのあたりが、映画ではもう一つ描ききれていませんでした。そのために、全体的な雰囲気は伝わってくるのですが、もう一つ明確な形を捉えられませんでした。それが、原作を読もうと思った理由なのですが、こうした心理小説的な作品を映画化することの難しさを改めて認識させられた作品でした。
2003年10月5日に日本でレビュー済み
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This is a difficult one - I loved reading it but Id already seen the film. I thought it was incredibly rewarding. It does drag a little and then picks up and then again, almost as the first chapter establishes the novel. Its beautiful Original and unique. I have never read anything like it. I would certainly recommend it. It will take some work to finish but its worth it. Im excited to want to read it again which will happen in time. Its the sort of book you want to read with a partner in your life. Its a wonderful book to share - the push and pull - the romance - the negative consquence of kindness - the result of self control - pay off for survival itself. This book should be read more at A Level.
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