ジェイルバード（Jailbird）は、1979年にリリースされたカート・ヴォネガットの9番目の長編小説である。順番で言うと、『スラップスティック（Slapstick, or Lonesome No More 1976年）』の次にあたる。
これは、カート・ヴォネガットを読んでいる人は、ほとんど全員知っていることでもあり、本書の訳者あとがきでも朝倉久志氏が書いているのだが、『パームサンデー（Palm Sunday, An Autobiographical Collage 1981年）』の中で、ヴォネガット自身が自作をABCDのランクづけをしているのだ。念のためにメモ書きしてみると、
『猫のゆりかご』・『スローターハウス5』 → A+
『タイタンの妖女』・『母なる夜』・『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』・『ジェイルバード』 → A
となっている。つまり、ヴォネガット自身にとってもこの作品は久々に達成感があった作品なのだろう。確かに、ヴォネガット独特の先が全く読めない筋書きが冴えている。
『キルゴア・トラウト』の復活に目がいってしまうが、本作でヴォネガットが書き上げようとしているのは、『カネ』そして『それを分配・保有している経済というシステム』のように、ぼくには思える。印象的な言葉がいくつも出てくるのだが、いくつかを書き留めると、
・経済とは思いやりのない気象システムである
・うまくいっている政府というのは、どれも必然的にポンツィ式詐欺ではないだろうか
・この経済の中をうまく泳いでいる人たちは、本当はなにがどうなっているかを、だれも考えようとすらしないのである
そして、運命に翻弄される主人公が、『ショッピング・バッグ・レディ』に出逢う時、ストーリーは最高に奇想天外かつ、最高にヴォネガット的に展開し始める。類を見ないユニークな作品で、絶対に読み逃せない傑作だと思う。
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Guillaume Couture
Very good book
2020年5月2日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
Kindle Customer
Jailbird - a fun read
2017年1月20日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
SGL
One of my favourites!
2006年12月28日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Ronnie Tyler
Another great romp from KV
2020年2月13日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
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Four Stars
2016年10月23日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
