日本人の書いた本は主観的な話を重視する傾向があり、内容のない話が多くて敬遠してましたが、この本は違います。論理が明快で、かつその疑問を解き明かす流れで話がすすむため、たいへん読みやすくなっています。論理構成があまりに明快で脇道に逸れないため、半分近く訳本と思い込こんだまま読んで、ようやく日本人の書いた本と気づいた次第です。
気候変動について包括的な知識と考え方を得たい方にお薄めです。地球環境変動は要素が複雑で何が起こってきたか掴むのは容易ではないのでしょうが、単純な物理現象の結果として惑星の大気が変化してきたのだということを頭の中に落としこんで解釈できた気がします。今度はノートを準備して、もう一度読んでみようと思ってます。
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チェンジング・ブルー: 気候変動の謎に迫る 単行本 – 2008/11/27
大河内 直彦
(著)
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地球は、どう変わったか。そして、どう変わるのか----。地球温暖化の根源にひそむ、気候変動の謎。本書は、その解明に挑み、苦闘する科学者たちの姿を活写する。第一線の研究者による、信頼すべき正確な科学的解説。海外の優れたノンフィクションを彷彿させるストーリー展開。読者は本書に、その類稀なる融合を見出すだろう。問題の本質を理解したい人は、必読の一冊である。
- ISBN-104000062441
- ISBN-13978-4000062442
- 出版社岩波書店
- 発売日2008/11/27
- 言語日本語
- 本の長さ402ページ
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商品の説明
出版社からのコメント
第一線の研究者による、信頼すべき正確な解説書。
しかし、これは同時に、第一級の科学ノンフィクションだ。
しかし、これは同時に、第一級の科学ノンフィクションだ。
著者について
大河内直彦(おおこうち なおひこ)
1966年、京都市生まれ。独立行政法人海洋研究開発機構地球内部変動研究センター地球古環境変動研究プログラム・グループリーダー。1995年、東京大学大学院博士課程終了後、京都大学生態学研究センター博士研究員、北海道大学低温科学研究所助手、米国ウッズホール海洋研究所博士研究員を経て現職。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学科准教授(委託)、および東京工業大学大学院総合理工学研究科化学環境学科連携准教授を兼任している。専門は、生物地球化学。クロロフィルやアミノ酸など各種有機化合物を用いた、過去および現在の地球環境の解明法の開発およびその応用。生物プロセスを重視した立場から、地球環境を理解する新しい研究分野の開拓に情熱を傾けている。
1966年、京都市生まれ。独立行政法人海洋研究開発機構地球内部変動研究センター地球古環境変動研究プログラム・グループリーダー。1995年、東京大学大学院博士課程終了後、京都大学生態学研究センター博士研究員、北海道大学低温科学研究所助手、米国ウッズホール海洋研究所博士研究員を経て現職。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学科准教授(委託)、および東京工業大学大学院総合理工学研究科化学環境学科連携准教授を兼任している。専門は、生物地球化学。クロロフィルやアミノ酸など各種有機化合物を用いた、過去および現在の地球環境の解明法の開発およびその応用。生物プロセスを重視した立場から、地球環境を理解する新しい研究分野の開拓に情熱を傾けている。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2008/11/27)
- 発売日 : 2008/11/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 402ページ
- ISBN-10 : 4000062441
- ISBN-13 : 978-4000062442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,423位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 402位地球科学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過去からの議論の検証、分析がしっかりしていて、読み応えがありました。
2009年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いやー、素晴らしい本です。
ここ20年で、最終氷期から後氷期にかけての気候変動の理解が進みました。この進歩を、ブレイクスルーとなった研究を紹介することで解説しています。なにが良いって、
1.原理からしっかり解説してある。
結果だけではなく、どうしてそのようなことが分かるか、しっかり解説してあります。しかも分かりやすい。一つには、図の使い方がうまい、というか、一番分かりやすい図を適切に選ばれています。
2.定説の問題点もしっかり書いてある。
定説だって盤石ではありません。地球科学の場合は特にね。説明できない事実があることも隠さずに書いてくれてます。
3.発見のワクワク感があふれている。
ブレイクスルーになった研究をレビューすることで、読者に発見を再体験させてくれます。商売柄、発見した時の気分を感じられて、楽しかったです。
4.発見者へのリスペクト(すみません、ぴったり来る日本語を思いつかない)を感じられる文章。
私のようにひねくれた人間は、ついつい、あら探しをしたり、運だよなあとねたむようなことを言いたくなるのですが、素直にリスペクトした文章を読んで、反省しきり。読んでて気持ちいいです。
5.文章がうまい。
なんて言っちゃうとおしまいなんですけど、すっと頭に入ってくる文章はこの量の書籍では大切です。
一般向けの科学解説書としても本当によくかけてるとおもいますし、私のような専門家の隣の人が読んでも、中途半端に入っていたいろいろな知識が整理されてありがたく感じてますし、地球科学に興味を持つ人すべて(皆さん、地球に興味をもってくださぁい)にお薦めです。
ここ20年で、最終氷期から後氷期にかけての気候変動の理解が進みました。この進歩を、ブレイクスルーとなった研究を紹介することで解説しています。なにが良いって、
1.原理からしっかり解説してある。
結果だけではなく、どうしてそのようなことが分かるか、しっかり解説してあります。しかも分かりやすい。一つには、図の使い方がうまい、というか、一番分かりやすい図を適切に選ばれています。
2.定説の問題点もしっかり書いてある。
定説だって盤石ではありません。地球科学の場合は特にね。説明できない事実があることも隠さずに書いてくれてます。
3.発見のワクワク感があふれている。
ブレイクスルーになった研究をレビューすることで、読者に発見を再体験させてくれます。商売柄、発見した時の気分を感じられて、楽しかったです。
4.発見者へのリスペクト(すみません、ぴったり来る日本語を思いつかない)を感じられる文章。
私のようにひねくれた人間は、ついつい、あら探しをしたり、運だよなあとねたむようなことを言いたくなるのですが、素直にリスペクトした文章を読んで、反省しきり。読んでて気持ちいいです。
5.文章がうまい。
なんて言っちゃうとおしまいなんですけど、すっと頭に入ってくる文章はこの量の書籍では大切です。
一般向けの科学解説書としても本当によくかけてるとおもいますし、私のような専門家の隣の人が読んでも、中途半端に入っていたいろいろな知識が整理されてありがたく感じてますし、地球科学に興味を持つ人すべて(皆さん、地球に興味をもってくださぁい)にお薦めです。
2013年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主に第四紀~現世にかけての古気候・古海洋の研究に関して扱っている本。
自然科学の専門書ではなく、研究の歴史、先人の苦労や功績について焦点が絞られている。
とてもドラマチックに書かれているため、読んでいてトンドン惹きこまれた。
自然科学の専門書ではなく、研究の歴史、先人の苦労や功績について焦点が絞られている。
とてもドラマチックに書かれているため、読んでいてトンドン惹きこまれた。
2014年1月10日に日本でレビュー済み
副題に「気候変動の謎に迫る」とあるが、まさにこの副題どおり、
第二次世界大戦後急速に発展した古海洋学の発展の歴史をなぞりながら
地球の気候変動が徐々に明らかになっていく(もちろん現在でも十分に
判ってはいないとのことではあるが)過程を丁寧に解説した一冊。
温暖化/寒冷化については、長らく国際的には政治の道具と化していたが
本書はそういった観点からは一歩距離を置いているように見える。
(もちろんどういう立場に置かれても、政治的な対策が必要、となれば
政治から「完全中立」という立ち位置は不可能ではあるが)
総じて地味・愚直な科学探求に対して、前向きな畏怖の念強く、
科学者としての良心が十二分に感じられる筆致に素直な好感を抱く。
第二次世界大戦後急速に発展した古海洋学の発展の歴史をなぞりながら
地球の気候変動が徐々に明らかになっていく(もちろん現在でも十分に
判ってはいないとのことではあるが)過程を丁寧に解説した一冊。
温暖化/寒冷化については、長らく国際的には政治の道具と化していたが
本書はそういった観点からは一歩距離を置いているように見える。
(もちろんどういう立場に置かれても、政治的な対策が必要、となれば
政治から「完全中立」という立ち位置は不可能ではあるが)
総じて地味・愚直な科学探求に対して、前向きな畏怖の念強く、
科学者としての良心が十二分に感じられる筆致に素直な好感を抱く。
2013年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者の出発点は、例のホッケースティック曲線をはじめとするデータのようだ。
が、それが捏造であった以上、彼の基本論調は真逆にならなければならないのではないだろうか。
問題は、クライメートゲートが発覚した後も増刷を続けていることだ。
いや、それ以上に、専門家である筆者が、なぜデータの書き替えに気づけなかったのか。
そう考えると、彼もまた、御用学者なのかな(他の御用学者よりはまだ論理的だが)、と思わざるをえない。
が、それが捏造であった以上、彼の基本論調は真逆にならなければならないのではないだろうか。
問題は、クライメートゲートが発覚した後も増刷を続けていることだ。
いや、それ以上に、専門家である筆者が、なぜデータの書き替えに気づけなかったのか。
そう考えると、彼もまた、御用学者なのかな(他の御用学者よりはまだ論理的だが)、と思わざるをえない。
2012年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
講習を受けるのに購入した。通販は便利。
いちばん安く購入できた。
いちばん安く購入できた。
2011年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を知ったのは,数年前に海洋研究開発機構の一般公開のときだった.その後,近くの本屋で謝辞を見たときに,高校の同級生の教授を見つけて,読もうと決めた.それと,いわゆる人為による温暖化をことさらに煽るグループとは違う,基礎的な研究にいそしむ地質学者や海洋地球科学者などのグループに属する人たちの中立的な考えを知りたいと思ったからだ.
まずプロローグにおいては,1970年頃に騒がれた地球寒冷化問題をあげて,現在の温暖化問題に対する見方に注意を喚起している.本題に入ると,いわゆる第四紀における気候変動がどのように解明されてきたかについて,基礎からきちんと説明しくれている.わかりやすい図や写真の挿入,そして気候変動の解明の主役となった研究者の写真を掲げている.このような啓蒙書はほかにないだろう.あくまで,基礎科学に寄与した研究者が主役であり,政治的に動いた学者の出番はない.
読んで,初めて知ったことがいくつかある.ひとつは,過去の二酸化炭素の増減は気候変動の原因はではなく,結果だと受け入れられているということ.ふたつめは,離心率の変化に伴う日射量の変化は少ないのに十万年周期が卓越することを,阿部彩子らが氷床サイズまで組み込んだ地球シミュレーターで上手に再現できていること.三つ目は,現在の間氷期が40年前の間氷期と瓜二つであり,そこから後1万年くらい温暖化が進むということが推論されること,などを知った.とくに,最後のことは,説明なく,ミランコビッチサイクルからいまの後氷期の温暖化はまだ1万年つづくと主張する研究者の根拠なのだろう.
この書を読んでも,未来を予測することはできない.ただただ,わかった事実を正確に把握し,理解することだけだ.人類が故意に二酸化炭素を放出し続ける(炭素循環を乱している)という壮大な実験が何を引き起こすか不明であるが,より人類にとって脅威であろう寒冷化という気候へのスイッチが入ることもありうることにも十分注意が必要であると思う.
内容はきわめて高度な内容だが,基礎からわかりやすく時系列的に解説されているので,とても理解しやすい.2,3日で読めてしまうであろう.
まずプロローグにおいては,1970年頃に騒がれた地球寒冷化問題をあげて,現在の温暖化問題に対する見方に注意を喚起している.本題に入ると,いわゆる第四紀における気候変動がどのように解明されてきたかについて,基礎からきちんと説明しくれている.わかりやすい図や写真の挿入,そして気候変動の解明の主役となった研究者の写真を掲げている.このような啓蒙書はほかにないだろう.あくまで,基礎科学に寄与した研究者が主役であり,政治的に動いた学者の出番はない.
読んで,初めて知ったことがいくつかある.ひとつは,過去の二酸化炭素の増減は気候変動の原因はではなく,結果だと受け入れられているということ.ふたつめは,離心率の変化に伴う日射量の変化は少ないのに十万年周期が卓越することを,阿部彩子らが氷床サイズまで組み込んだ地球シミュレーターで上手に再現できていること.三つ目は,現在の間氷期が40年前の間氷期と瓜二つであり,そこから後1万年くらい温暖化が進むということが推論されること,などを知った.とくに,最後のことは,説明なく,ミランコビッチサイクルからいまの後氷期の温暖化はまだ1万年つづくと主張する研究者の根拠なのだろう.
この書を読んでも,未来を予測することはできない.ただただ,わかった事実を正確に把握し,理解することだけだ.人類が故意に二酸化炭素を放出し続ける(炭素循環を乱している)という壮大な実験が何を引き起こすか不明であるが,より人類にとって脅威であろう寒冷化という気候へのスイッチが入ることもありうることにも十分注意が必要であると思う.
内容はきわめて高度な内容だが,基礎からわかりやすく時系列的に解説されているので,とても理解しやすい.2,3日で読めてしまうであろう.