テーマは，間違いなく面白いことだし，書かれている内容も面白いのだが，この本がどのような人を対象に書かれたのかが「よくわからない」です．
もっとも考えられるのは，「絶滅」のことを専門に研究している大学・研究機関関係者だとすると，納得できますけど．つまり，中身のほとんどが理解できている人たち．
文章が，普通に親切だと評価しながら読んでいくと，妙に専門的であるのに，説明のない言葉が使われていたりする．論旨が跳んで，理解不能なところも．
このあたりは，もっと論理的な説明が必要だろうと思うようなところでも，複合文章でなんだかよくわからなかったりする．
じゃあ，引用文献でも見てみるかと思ったら，巻末の表にはなかったりする．すごく細かくリストアップされてるのに．
図版も，妙にでかいものがあれば，小さすぎるだろ！と思うものが混在する．
たぶん，これは出版社の編集者が手を入れていないせいだろうと思う．
誰かが，「これではわからないですよ，先生」と教えてあげなければ，著者本人には判らないことなのかもしれない．
結局，どのような人が読むことを想定している本なのだろうか，という感想だけが残る．
出版社は岩波書店だけれども，これでは本を出版してる会社ではなくて，ただの印刷会社だろ，と思う…．
繰り返しておきますけれども，テーマは，間違いなく面白いことだし，書かれている内容も面白いのですよ．
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