代数の本はそれが平易な本と評判であっても、数学書のスタイルで書かれていることで
最終的な到達点でどういったことをしたいのかというモチベーションがわからず面白みがないものがあったりするようだ。
この本は歴史書の側面もあり、どういった背景で群、環、体という概念が生まれ、
ガロアが向かった方向において必要なものとして使われてきたかという背景を共有した上で
書かれているため非常にわかりやすい。
章を追うごとに難しくはなるので、他の本で予備知識を補いながら通読することで
代数をイメージを持った形で体得できると思う。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
群の発見 (数学、この大きな流れ) 単行本 – 2001/11/21
原田 耕一郎
(著)
なぜ「群」の考えが必要なのか.それはいつ頃どのように誕生したのか.ラグランジュ,アーベル,ガロアなどの足跡をたどりつつ,「対称なものは美しい」という観点や方程式の可解条件が群論にまで昇華していく過程を丁寧に物語る.
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2001/11/21
- ISBN-104000067915
- ISBN-13978-4000067911
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
なぜ、群が必要なのか、それはいつ頃どのように誕生したのか。ラグダンジュ、アーベル、ガロアの足跡を辿りつつ、「対称なものは美しい」という観点や方程式の可解条件が「群論」にまで昇華していく過程を丁寧に物語る。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2001/11/21)
- 発売日 : 2001/11/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 248ページ
- ISBN-10 : 4000067915
- ISBN-13 : 978-4000067911
- Amazon 売れ筋ランキング: - 732,936位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 897位代数・幾何
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2004年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は代数方程式に存在する対称性を扱ったガロア理論の入門書である。群論としては主に有限群を対象にしている。本書を読み進めていくと読者は驚きや感嘆をするところが、随所に見られると思う。5次方程式の解法を見いだすためのラグランジュの考え方に見られる逆転の発想、体のシンメトリーに見られる体のガロア拡大、そしてガロア理論そのものなどの素晴らしさを列挙することができる。群論そのものの勉強には少し不向きかもしれないが、ガロア理論の入門として本書を捉えるならば、とてもよく書かれた書物だと思います。鉛筆とノート片手にゆっくりと問いなどをこなしていけば、おもしろさも増大すると思います。
2006年3月11日に日本でレビュー済み
最初は読み易いと思ったが挫折する本。まず群論の入門書、「すぐわかる代数」石村園子、「代数的構造」遠山啓、「入門入門群論」石谷茂、などもっと読みやすく書かれた本で予備知識を得ることを薦めます。名著「数学の遺伝子」小島寛之p.238には『代数学の基本定理』が超わかりやすく説明されています。
ガロア理論についてはネットで「Gの夢」⇒Gとリンの数学夜話 ・ 第8回:数体に目を向ける 、
「ガロア理論入門ノート」や「物理のかぎしっぽ」のHPを読むこと。
you tube動画【高校生でも雰囲気だけ分かるガロア理論】がメチャよく分かる。
「すべての人に数学を」小針アキヒロ、数セミ増刊号「代数学への招待」、もお薦めします「アーベルの証明」山下訳 「群と幾何学」難波誠の2冊をこの本の最後部分の理解に参考書として紹介させていただきます。この時代の数学史としては「なぜこの方程式は解けないか?」「シンメトリーとモンスター 」も超お薦めです。
ネットの東京大学 オープンキャンパス 2004 [模擬講義]映像公開講座を先に見よう。
楕円曲線については「数論とフェルマーの最終定理」久我 勝利、「ドクトル・クーガーの数学講座」久賀 道郎、「数学への旅〈2〉数論とトポロジー 」山下 純一がわかりやすいです。
ネットで松田研究室の「ガロア理論入門ノート概略・詳説」
は必見です。関連本「現代数学の土壌〈2〉」にも原田先生のガロア理論解説があります。
数学では、対称性を研究する分野を、群論と呼んでいます。対称性は、何らかの数学的構造を、自分自身に重ね合わせるすべての変換を考えることで表されます。こうした変換の全体は、立て続けに2つのこうした変換をおこなったもの(2つの変換の合成と言います)や何もしない変換(恒等変換と言います)や元に戻す変換(逆変換と言います)で閉じています。これが群です。例えば、平面上に定点Oを考えますと、Oを基点とする平面上の位置ベクトルの全体は通常のベクトルの足し算とスカラー倍で線形構造という数学的構造を定めますが、これの対称性は、逆行列を持つ2×2の行列の全体で表されます。合成変換は行列の掛け算に、恒等変換は単位行列に、逆変換は逆行列をとる操作に対応します。この群は、無数の要素から成る連続群の一例です。他方、正三角形を自分自身に移すような合同変換(長さを保つ変換)は、重心の回りの120度、240度、360度の回転、それから3つの中線のそれぞれに関する180度の回転の合計6個のみで、有限群です。物理学でも、どんどん分解できないものを求めて、分子、原子、素粒子と進んでいき、その究極のものを数え上げようとしますが、群論でも、いかなる意味でも分解できないような群は単純群と呼ばれて、これを分類することは大変重要な問題です。
なお、群論の大家が書かれたこの本はガロア理論と群論の歴史を知る素晴らしい名著です。
追記2017年
初学者向け
「13歳の娘に語る ガロアの数学」金重明
「ガロア理論「超」入門」小林吹代
「ガロア理論の頂を踏む」石井 俊全
引き続き「初学者のための合同変換群の話」岩掘長慶
「群論序説」星 明考 を読むのがお薦めです。
ネット動画you tube
「五次方程式が代数的に解けないわけ」
「ガロアの理論と生涯1ー体の拡大とガロア群」
「環のイデアルによる剰余環の構成【ガロア理論】」
「浅芝秀人」教授の解説は非常に勉強になります必見!!。
ガロア理論についてはネットで「Gの夢」⇒Gとリンの数学夜話 ・ 第8回:数体に目を向ける 、
「ガロア理論入門ノート」や「物理のかぎしっぽ」のHPを読むこと。
you tube動画【高校生でも雰囲気だけ分かるガロア理論】がメチャよく分かる。
「すべての人に数学を」小針アキヒロ、数セミ増刊号「代数学への招待」、もお薦めします「アーベルの証明」山下訳 「群と幾何学」難波誠の2冊をこの本の最後部分の理解に参考書として紹介させていただきます。この時代の数学史としては「なぜこの方程式は解けないか?」「シンメトリーとモンスター 」も超お薦めです。
ネットの東京大学 オープンキャンパス 2004 [模擬講義]映像公開講座を先に見よう。
楕円曲線については「数論とフェルマーの最終定理」久我 勝利、「ドクトル・クーガーの数学講座」久賀 道郎、「数学への旅〈2〉数論とトポロジー 」山下 純一がわかりやすいです。
ネットで松田研究室の「ガロア理論入門ノート概略・詳説」
は必見です。関連本「現代数学の土壌〈2〉」にも原田先生のガロア理論解説があります。
数学では、対称性を研究する分野を、群論と呼んでいます。対称性は、何らかの数学的構造を、自分自身に重ね合わせるすべての変換を考えることで表されます。こうした変換の全体は、立て続けに2つのこうした変換をおこなったもの(2つの変換の合成と言います)や何もしない変換(恒等変換と言います)や元に戻す変換(逆変換と言います)で閉じています。これが群です。例えば、平面上に定点Oを考えますと、Oを基点とする平面上の位置ベクトルの全体は通常のベクトルの足し算とスカラー倍で線形構造という数学的構造を定めますが、これの対称性は、逆行列を持つ2×2の行列の全体で表されます。合成変換は行列の掛け算に、恒等変換は単位行列に、逆変換は逆行列をとる操作に対応します。この群は、無数の要素から成る連続群の一例です。他方、正三角形を自分自身に移すような合同変換(長さを保つ変換)は、重心の回りの120度、240度、360度の回転、それから3つの中線のそれぞれに関する180度の回転の合計6個のみで、有限群です。物理学でも、どんどん分解できないものを求めて、分子、原子、素粒子と進んでいき、その究極のものを数え上げようとしますが、群論でも、いかなる意味でも分解できないような群は単純群と呼ばれて、これを分類することは大変重要な問題です。
なお、群論の大家が書かれたこの本はガロア理論と群論の歴史を知る素晴らしい名著です。
追記2017年
初学者向け
「13歳の娘に語る ガロアの数学」金重明
「ガロア理論「超」入門」小林吹代
「ガロア理論の頂を踏む」石井 俊全
引き続き「初学者のための合同変換群の話」岩掘長慶
「群論序説」星 明考 を読むのがお薦めです。
ネット動画you tube
「五次方程式が代数的に解けないわけ」
「ガロアの理論と生涯1ー体の拡大とガロア群」
「環のイデアルによる剰余環の構成【ガロア理論】」
「浅芝秀人」教授の解説は非常に勉強になります必見!!。
2002年8月10日に日本でレビュー済み
すばらしい群論入門書である。学部時代にこのような本で群論を勉強したかった。
すっきりとした語り口、丁寧な説明と豊富な例、そして親切な問を読み進めるうちにガロア理論が身についてしまうような名入門書だ。まさに「ラグランジュ、アーベル、ガロアの足跡をたどりながら」群論の成り立ちがだんだん明らかになっていく「小説群論」。この本は数学科の学生はもとより、物理や化学や情報工学の学生にこそ是非読んでもらいたい。
著者の原田さんは、すばらしい業績を持つ有限群論を専門とする数学者である。同じ著者の「モンスター/群のひろがり」も大変面白い。
すっきりとした語り口、丁寧な説明と豊富な例、そして親切な問を読み進めるうちにガロア理論が身についてしまうような名入門書だ。まさに「ラグランジュ、アーベル、ガロアの足跡をたどりながら」群論の成り立ちがだんだん明らかになっていく「小説群論」。この本は数学科の学生はもとより、物理や化学や情報工学の学生にこそ是非読んでもらいたい。
著者の原田さんは、すばらしい業績を持つ有限群論を専門とする数学者である。同じ著者の「モンスター/群のひろがり」も大変面白い。
2009年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本にガロアの最後の手紙を詳細に解読しているところがあります。あの手紙でガロアが何を書いたのか、著者の詳細な解説で掘り起こされていくのです(自分は全く理解できませんが)。それだけでも非常に興味深いユニークな本です。ガロアに興味がある、というだけの方にも一読の価値はあると思います。
2006年5月13日に日本でレビュー済み
2次、3次、4次方程式の根の置換を考察して、それを夢をもって5次方程式の解法へと不可能な挑戦をしたことが、結果として群の概念を誕生させたことが良く分かる。夢を抱いてチャレンジすれば、失敗しても、その失敗から得るものがあることを数学の世界で紹介している良書である。
2003年6月7日に日本でレビュー済み
かなり難しかった。例題が少なく、抽象的で、具体的なイメージが湧かない。しかし、群論を公式や定理の洪水から学ぶより、その理論がどこへ行くのか、なぜ生まれたのかを元に構成されているので、興味は湧く。ここから教科書へ返ってやり直すのが一番かな・・・。
2011年12月18日に日本でレビュー済み
ガロア理論と群論の要点が扱われ、読者が研究課題を通じて自ら理解するように書かれている.必要なことだけが丁寧に書かれ、発見が多い本だった.集合と違い群には構造があること、代数方程式の可解性での1のべき乗根の役割、数学的帰納法の使い方、正規化群と中心化群、固定群、S5(5次対称群)の構造、シローの定理など、学んだことが多かった.図形のシンメトリーの議論から始まるので最初の方を読み飛ばし、後で読み返す羽目になった.「群の発見」とされているが、群論の予備知識が相当必要なのではないか?