無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
日曜ピアジェ 赤ちゃん学のすすめ (岩波科学ライブラリー 119) 単行本 – 2006/5/9
- 本の長さ109ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2006/5/9
- ISBN-104000074598
- ISBN-13978-4000074599
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
著者からのコメント
さて,この本は,そのピアジェにあやかって,題名を『日曜ピアジェ』としました.とはいっても,ピアジェの研究業績について紹介した本ではありません.ピアジェの著作は難解であるがゆえに,これまでに多くの「ピアジェ研究本」が出ています.ピアジェの理論に関心のある人は,彼自身の著作に挑戦するか,あるいは,これらの研究本をご覧ください.
また,この本は,いわゆる「賢い子どもを育てる」ための本でもありません.少し大きめの書店には必ず育児書コーナーがあり,いろいろなタイトルの本が出ています.「天才児」を育てたいと企てている人は,どうぞ育児書コーナーの「天才育成本」をご覧ください(成功するかどうかは保証できませんが……).
この本は,認知科学(心の科学)の本です.とくに,誕生から2歳になる前くらいの「赤ちゃん」を通して,心(Mind)について深く考えてもらうための本です.私たち大人が,ふだん何気におこなっていることも,「赤ちゃんの目」を通して見ると,それがどのようにしてできるようになったのか,最初はどうだったのか,たくさんの疑問が湧いてくるはずです.
私は赤ちゃん研究者です.赤ちゃんの脳と心の発達に関心があります.私には,赤ちゃん研究をやってきて本当によかったと思えるときが2つあります.一つは,実験をする以前には予期できなかった意外な結果が得られたとき.そしてもう一つは,研究室に来てくれた赤ちゃんがにっこり微笑んでくれたときです.
じつは,このどちらも赤ちゃん研究者の特権というわけではありません.読者のみなさんも,かんたんに体験できることなのです.この本は,誕生から2歳ごろまでの乳幼児を対象とした6つの「実験」を,読者のみなさんに自らおこなってもらうことで,「心(Mind)のメカニズム」について考えることを目標としています.
実験をおこなう時期はあくまで「目安」です.多少,時期がずれていてもかまいません.どの実験から始めてもよいし,少し時期を早めておこなってもかまいません.また,「実験」といっても特殊な装置などは必要ありません.赤ちゃん(被験児)さえ身近にいれば(あるいは,もうすぐ生まれてくる予定があれば),一般の家庭や産院でも安全・簡単に試してもらえるように,実験の目的と方法,そしてポイントが書かれています.
私はこの本を,とくにお父さんたちに読んで(使って)ほしいと思って書きました.つかの間の休日,どうぞピアジェになった気分で,赤ちゃんと向き合ってみてください.ピアジェほどの洞察力がなくても,必ずたくさんの発見と感動があるはずです.本書が,そうした発見と感動のきっかけになれば幸いです.
出版社からのコメント
著者について
1963年8月10日(ピアジェの誕生日の次の日),富山県生まれ.
慶應義塾大学大学院博士課程修了.博士(工学).
東京大学大学院総合文化研究科,情報学環助教授.
専門は,赤ちゃん学,発達認知神経科学,機械学習.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2006/5/9)
- 発売日 : 2006/5/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 109ページ
- ISBN-10 : 4000074598
- ISBN-13 : 978-4000074599
- Amazon 売れ筋ランキング: - 289,777位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,110位幼児教育一般関連書籍
- - 1,851位子育て (本)
- - 12,127位心理学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
学問的には一定条件で一定のリアクションを抽き出す実験が必要だが、家庭で子供の認知発達を知るには柔軟に、表情を読み取りながらやるのがよさそう。実験の数も増やしつつ、そんなこともアドバイスすれば育児書としてのレベルも上がるのではないか。末尾にある「流行りの脳研究本批判」の部分もちゃんと論証してほしいと思うし、薄い本に仕上がっているのは総じて残念。
以前、東大の研究室から実験参加のDMを頂戴し、よくわからないので応募しなかったことがあるが、開先生だったどうかはともかく、こんなことだったのか、とその点は理解できた。
本書では、6つの実験とその方法が紹介されている。その最初のひとつが、「新生児模倣」だ。生まれてすぐの赤ちゃんでも、舌を突き出すといった大人の動きを真似るという行動である。とかく有名なこの模倣行動であるが、では実際、その行動はどの月齢でみられ、どのようにして引き出すことができるのか、本書はそうした点を丁寧に解説している。
ほかにも本書では、赤ちゃんの「コミュニケーション能力」、「長期記憶」、「物理的知識」、「模倣学習」、「自己の認知」について調べる方法が紹介されている。いずれも自宅で簡単にできるものであるから、実験好きの親にとってはたしかに重宝する情報といえるだろう。
私的な話をすれば、わが家にも先日第二子が生まれたばかりである。第一子が該当年齢のときには果たすことができなかったので、今度こそはこの本で学んだような実験を十分に試みたいと思う。
人間に対する実験、ましてや赤ちゃんに対する実験と聞くと不安に思う人が多いようだが、心理学実験の多くは単なる「統制された観察」に過ぎない。例えば、グズる赤ちゃんを縦に揺らすか横に揺らすかで機嫌がなおる確率が異なるかどうかを調べるのだって(立派な、とは言えないが)実験と言えば実験だ。本書では、遊び感覚で行うことのできる6つの実験が紹介されている。実験にかかる所要時間は長いものでも10分ほど。最後の30ページでは、赤ちゃん研究の意義についてまとめてある。
実験の内容としては、「赤ちゃんは『何もできない無力な存在』ではない」ということを示すものや、「大人にとって当たり前のことが、いったいいつごろできるようになるのか?」を調べるもの。同じ実験を何ヶ月かおきに行って、赤ちゃんの成長を見守るのも楽しいだろう。
薄い本なので、1時間ほどで読み終わると思う。