日本を代表する物理学者の著者による、科学者列伝。
ただし、普通の科学者の見方とは異なり、著者の経験がベースとなっている。
純粋に科学史を学ぼうという人にはお勧めではない。
普通知られている、もしくは調べればわかること以外の、集大成だと思うとよい。
文章もかなり難解で、かなり物理学の知識がないとわからない内容も多々ある。
そういう点において、一般向けではない。
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異色と意外の科学者列伝 (岩波科学ライブラリー 127) 単行本 – 2007/1/10
佐藤 文隆
(著)
- 本の長さ134ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2007/1/10
- ISBN-104000074679
- ISBN-13978-4000074674
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2007/1/10)
- 発売日 : 2007/1/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 134ページ
- ISBN-10 : 4000074679
- ISBN-13 : 978-4000074674
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,297,055位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 607位科学史・科学者
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月17日に日本でレビュー済み
本書は科学史書としては非常に軽いものではありますが、19世紀の物理学で活躍した人物たちや、当時の大学と科学の関係、時代の雰囲気などを語る箇所で、いろいろと面白い発見のある本ではないかと思います。
専業の、すなわち大学の物理学科で、実験をおこなわず理論研究だけをする「理論物理学者」が誕生したのは、ボルツマン、プランク、アインシュタインくらいからのことだという話は、ニュートンからラプラスやマクスウェルを経て現代にいたる物理学史の理解において忘れがちになる大切な事実です。
ケンブリッジの伝統ある数学試験トライポスが、トムソン、ストークス、ラーモア、マクスウェルといった名前に代表されるイギリス・ケンブリッジ学派の数理物理の黄金時代を支えた一方で、トライポスによって根付いた「計算すれば問題が解ける」という発想が、20世紀初頭の量子革命においてイギリスが主導的役割を果たすことを妨げたのではないかという話も重要です。
ラザフォードは? 彼はニュージーランド人です。ディラックがいるじゃないかって? いやいや、確かにディラックはブリストル大卒業後にケンブリッジで学びはしましたが、彼をケンブリッジの教育システムが産み落とした逸材と見るのは間違いだと思う。彼はブリストル大で受けた技術者としての訓練によって産み出された人物だというのが正しい。詳しくはグレアムファーメロ著『量子の海 ディラックの深淵』を参照のこと。
一冊の本としての密度は残念ながら薄く、それほどおススメする内容ではありませんが、ちょっとした新鮮な発見に出会える本だとは思います。
専業の、すなわち大学の物理学科で、実験をおこなわず理論研究だけをする「理論物理学者」が誕生したのは、ボルツマン、プランク、アインシュタインくらいからのことだという話は、ニュートンからラプラスやマクスウェルを経て現代にいたる物理学史の理解において忘れがちになる大切な事実です。
ケンブリッジの伝統ある数学試験トライポスが、トムソン、ストークス、ラーモア、マクスウェルといった名前に代表されるイギリス・ケンブリッジ学派の数理物理の黄金時代を支えた一方で、トライポスによって根付いた「計算すれば問題が解ける」という発想が、20世紀初頭の量子革命においてイギリスが主導的役割を果たすことを妨げたのではないかという話も重要です。
ラザフォードは? 彼はニュージーランド人です。ディラックがいるじゃないかって? いやいや、確かにディラックはブリストル大卒業後にケンブリッジで学びはしましたが、彼をケンブリッジの教育システムが産み落とした逸材と見るのは間違いだと思う。彼はブリストル大で受けた技術者としての訓練によって産み出された人物だというのが正しい。詳しくはグレアムファーメロ著『量子の海 ディラックの深淵』を参照のこと。
一冊の本としての密度は残念ながら薄く、それほどおススメする内容ではありませんが、ちょっとした新鮮な発見に出会える本だとは思います。
2007年10月23日に日本でレビュー済み
著者の専門性から考えても仕方がないことなのかとは思いますが、科学者列伝というには
物理・化学者の話に偏り過ぎていいる気がします。
それぞれの科学者に対して、少ない場合は5頁ほどですので、すぐに読めてしまうのですが、
オビに書いてあるような「科学者の伝記をひもとくと感動的な人間ドラマがあった!」とまでは
いかないような気がします。
自分が専門としている分野の先駆者を知るという意味では、科学者に対して興味が湧いた際には、
それぞれ伝記はかなりの数が出ており探して読むことが可能ですし、ある事柄(例えば原子爆弾)に
興味を持った場合も、何冊もオッペンハイマーの伝記や開発に関する書籍は出ておりますので、
それらを参考に読むとよいかと思います。
雑誌に連載した記事を寄せ集めた結果なのかもしれませんが、科学者の伝記集としてまとめるには、
少々内容が薄すぎますし、列伝と呼ぶには事例が少ない、やや中途半端な書となっており
残念な気がします。
物理・化学者の話に偏り過ぎていいる気がします。
それぞれの科学者に対して、少ない場合は5頁ほどですので、すぐに読めてしまうのですが、
オビに書いてあるような「科学者の伝記をひもとくと感動的な人間ドラマがあった!」とまでは
いかないような気がします。
自分が専門としている分野の先駆者を知るという意味では、科学者に対して興味が湧いた際には、
それぞれ伝記はかなりの数が出ており探して読むことが可能ですし、ある事柄(例えば原子爆弾)に
興味を持った場合も、何冊もオッペンハイマーの伝記や開発に関する書籍は出ておりますので、
それらを参考に読むとよいかと思います。
雑誌に連載した記事を寄せ集めた結果なのかもしれませんが、科学者の伝記集としてまとめるには、
少々内容が薄すぎますし、列伝と呼ぶには事例が少ない、やや中途半端な書となっており
残念な気がします。
2008年8月12日に日本でレビュー済み
科学が、今日あたりまえの「実験・調査を伴う科学」となったのはそう昔のことではない。実験・調査を伴う科学が成り立つためには、「この世には知らないことがたくさん存在し、その不安の中で生きていかなくてはならない」という恐るべき事実を承認する必要があった。そして人類はそのほとんどの時代を(あるいは今も)、「すべてはすでに明らかになっている」という考えの下に過ごしてきたのだ。