本書からの抜粋・・・
● ”ユークリッド幾何学が少しも数学になっていない”というのは現代数学の立場から見たとき数学になっていない、という意味であろう。しかし、ユークリッド幾何学はギリシャ以降二千年に亙って学問の典型とされた立派な数学であったのである。
●平面幾何の効用は、論理を扱う大脳の左半球と図形を扱う右半球を関連させて同時に訓練するところにあると思われます。
●平面幾何の面白さはいろいろな要素があった。まず、パズルとしての面白さ。三日三晩考えて解けなかった問題が四日目の晩に一本の補助線を引くことによってパッと解けたときの嬉しさは格別であった。
以下本書の構成です。
第1章 平面幾何の公理的構成
§1 結合と順序の公理
§2 計量の公理
§3 三角形の合同
§4 三角形における辺と角の大小
§5 中点、垂線、直角三角形
§6 平行線の公理
§7 円
第2章 三角形、四角形、円
§8 三角形の諸心
§9 三角形、四角形、円
§10 相交わる二円
§11 円論
第3章 比例
§12 比例
§13 相似な三角形
§14 方巾(ほうべき)の定理と三平方の定理
第4章 面積
§15 三角形と四角形の面積
§16 面積の応用
補追
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幾何のおもしろさ 数学入門シリーズ (7) 幾何のおもしろさ 単行本 – 1985/9/18
小平 邦彦
(著)
幾何のおもしろさ
- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1985/9/18
- ISBN-10400007637X
- ISBN-13978-4000076371
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1985/9/18)
- 発売日 : 1985/9/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 334ページ
- ISBN-10 : 400007637X
- ISBN-13 : 978-4000076371
- Amazon 売れ筋ランキング: - 453,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 575位代数・幾何
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年3月19日に日本でレビュー済み
この本では、定理の証明が多く載っています。幾何が苦手な方はその証明をひたすら鉛筆で理解しながら追ってみてください。最初はなんでこんな手法を使うのだろうかとか、この証明で証明になっているのかなど疑問に思うことが多々あるでしょう。その疑問がある日突然理解する時があったり、そういうものかと腑に落ちる瞬間がありますから安心してください。そして、その手法が受験において解き方に結びつくことがあるのです。
第1章の平面幾何の公理的構成は、昭和48年に検定された東京書籍の数学ⅡB第6章平面幾何の公理的構成と同じ文章が多々見受けられます。小平先生が教科書作成携わってたから当たり前かもしれませんが気づいたときは少し嬉しく感じました。
そういったことがありますから、教科書では問として出てた問題の解答が、本書で証明として載っている場合がありますので、該当教科書をお持ちの方は本書を買って解答を見てみるという手段が可能となっています。
少しでも私のような中学時代に幾何の証明から逃げて大学受験で苦労した人がこの本で少しでも少なくなれば幸いです。
また復刊することを望みます。
第1章の平面幾何の公理的構成は、昭和48年に検定された東京書籍の数学ⅡB第6章平面幾何の公理的構成と同じ文章が多々見受けられます。小平先生が教科書作成携わってたから当たり前かもしれませんが気づいたときは少し嬉しく感じました。
そういったことがありますから、教科書では問として出てた問題の解答が、本書で証明として載っている場合がありますので、該当教科書をお持ちの方は本書を買って解答を見てみるという手段が可能となっています。
少しでも私のような中学時代に幾何の証明から逃げて大学受験で苦労した人がこの本で少しでも少なくなれば幸いです。
また復刊することを望みます。
2012年5月12日に日本でレビュー済み
例えば,三角不等式.「三角形の二辺の和は他の一辺より大きい」
これは人間なら(あるいは動物でも),無意識に知っている!
(大人も子供もイヌもネコも斜横断するよね.)
ある(物好な)現代人(=実は私(笑))が「どうして?」と疑問をもったとしましょう.
(現代人とは現代文明に洗脳されてる人とも言えるけどね...)
現代の数学では殆ど答えてくれない.→むしろそれを前提(公理)にして理論が展開されるのみ.
この本はそれに答えてくれる世界で唯一の本だと思います.
もちろん,ユークリッドの「原論」にも証明がありますし,より(=不必要に)厳密にはヒルベルトの「幾何学
の基礎」もあるんだけど...
前者は古代ギリシャ文明の中で生活している人にとっての直観と了解に基づくもので,現代の立場からは第一
番目の定理からして,批判を浴びる始末.
(だいたい,彼らにとっての直線とはわれわれの線分の意味だし,平角を角と認めない等(実はヒルベルトも),
現代人にとっては不自然な体系だと思います.)
後者は小平も言うように,直線上の点の順序等について「初学者にとっては,煩雑で難しい」ものになってし
まった.
(実数概念を前提にしない幾何学の展開という立場上,煩雑になったと思われる...)
小平のこの本は直線上の点の順序は明らかと認め,平面上の点と直線の順序を公理的に扱う方針です.
また実数概念もその可換順序体としての性質(現代人なら無意識に了解していると思われる...)を使用する
ことで,理論がクリアーになっています.しかも,現代における平面幾何の自然な数学的定式化である計量線
形空間にも移行しやすいと思います.
私は今,平面上の点と直線の順序も,できるだけ明らか(公理ではなく,事実)と認めて理論展開を試みている
ところです.この本と同著者の「幾何への誘い」の中間を目指していましたが,だいぶこの本よりになって来
てますね.
ある直観や事実を認めると,論理だけで「三角形の二辺の和は他の一辺より大きい」が証明できてしまう.
しかもそれは経験的にも正しい.経験なしで,経験を予測できる.
「正しい理論」の典型がそこにはありますね.不思議と思うか,当たり前と思うか...
「科学理論」の一番良い例が「平面幾何」だったと納得できます.
これは人間なら(あるいは動物でも),無意識に知っている!
(大人も子供もイヌもネコも斜横断するよね.)
ある(物好な)現代人(=実は私(笑))が「どうして?」と疑問をもったとしましょう.
(現代人とは現代文明に洗脳されてる人とも言えるけどね...)
現代の数学では殆ど答えてくれない.→むしろそれを前提(公理)にして理論が展開されるのみ.
この本はそれに答えてくれる世界で唯一の本だと思います.
もちろん,ユークリッドの「原論」にも証明がありますし,より(=不必要に)厳密にはヒルベルトの「幾何学
の基礎」もあるんだけど...
前者は古代ギリシャ文明の中で生活している人にとっての直観と了解に基づくもので,現代の立場からは第一
番目の定理からして,批判を浴びる始末.
(だいたい,彼らにとっての直線とはわれわれの線分の意味だし,平角を角と認めない等(実はヒルベルトも),
現代人にとっては不自然な体系だと思います.)
後者は小平も言うように,直線上の点の順序等について「初学者にとっては,煩雑で難しい」ものになってし
まった.
(実数概念を前提にしない幾何学の展開という立場上,煩雑になったと思われる...)
小平のこの本は直線上の点の順序は明らかと認め,平面上の点と直線の順序を公理的に扱う方針です.
また実数概念もその可換順序体としての性質(現代人なら無意識に了解していると思われる...)を使用する
ことで,理論がクリアーになっています.しかも,現代における平面幾何の自然な数学的定式化である計量線
形空間にも移行しやすいと思います.
私は今,平面上の点と直線の順序も,できるだけ明らか(公理ではなく,事実)と認めて理論展開を試みている
ところです.この本と同著者の「幾何への誘い」の中間を目指していましたが,だいぶこの本よりになって来
てますね.
ある直観や事実を認めると,論理だけで「三角形の二辺の和は他の一辺より大きい」が証明できてしまう.
しかもそれは経験的にも正しい.経験なしで,経験を予測できる.
「正しい理論」の典型がそこにはありますね.不思議と思うか,当たり前と思うか...
「科学理論」の一番良い例が「平面幾何」だったと納得できます.