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ユージン・スミス写真集: 1934-1975 大型本 – 1999/12/10
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1999/12/10
- ISBN-104000082108
- ISBN-13978-4000082105
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商品の説明
商品説明
ユージン・スミスは間違いなく20世紀を代表するフォト・ジャーナリストの1人である。第二次大戦の従軍記者、ライフ誌の契約カメラマン、そしてフリーランスと立場は変化したが、真摯に被写体を見つめる彼の姿勢は一貫していた。本書は多岐にわたるスミスの仕事の集大成である。無名の兵士、炭坑労働者、田舎医者、シュバイツァー博士、助産婦、水俣病患者…。スミスが撮影した人々からは、全身全霊で人生に立ち向かう強さが感じられるだろう。静かに、そして、強く語りかけてくる一枚一枚を見つめていると、20世紀という時代の姿が浮かび上がってくる。
あまりにも有名な1枚がある。72年に撮影された、水俣病に侵された娘を入浴させる母の姿である。有機水銀中毒でゆがみ硬直した少女の身体と、そんな娘に注がれる慈愛に満ちた母のまなざし。ほとんど完璧な構図と光で、静謐(せいひつ)な美しささえたたえる1枚に、見る者は言葉を失う。ここに写っているものは、湯船と母子の姿だけでなく、シャッターを切るときのスミスの気持ち、外国人男性の前で肌をあらわにしてまで母が伝えたかったこと、その深い悲しみ、怒り、葛藤、人の命よりも産業を優先した国の罪など、何層にも折り重なるようにいくつかの物語が見え隠れする。スミスは、我々に現実をしっかりと直視することを強いる。
おびただしい数のイメージが町中にあふれ、私たちの写真に対する感受性は薄れている。そんな時代だからこそ、一枚一枚の写真をじっくりと鑑賞できる本を手にすることは至福とも言えよう。21世紀を生きていこうとする今だからこそ、ずっしりと重い本書を手に、スミスが残した20世紀の記録を見つめ直すことに意味がある。「真実こそわが友」、彼の声が聞こえてくるかもしれない。(齋藤聡海)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1999/12/10)
- 発売日 : 1999/12/10
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 350ページ
- ISBN-10 : 4000082108
- ISBN-13 : 978-4000082105
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,192,038位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 76,065位アート・建築・デザイン (本)
- - 149,421位趣味・実用
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上位レビュー、対象国: 日本
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ユージン・スミスは、国境も民族も思想をも平然と同一視した。とにかく、対象が広くて冷静だった気がする。
ユージン・スミスは戦場や兵士や死体をも撮りまくったが、それらだけではなかった。戦後の復興の光と影をも撮りまくった。例えば、有名無名の群像も、街角の風景や点景も、ひいては、公害の被害までをも。
ユージン・スミスの美点は、写真が写真そのものとして美しい、ということ。僕は写真に関してはアマチュア程度の知識しか持ち合わせておらず、かつ、わずかながらの鑑賞歴しかないけれど、構図・シャッタースピード・絞りが完璧だと感じる。
ジャーナリズムなのだろう。
しかし、僕としては、超一流のフィクションとしても認めざるをえない。一瞬を生のままで差し出すのではなく、一瞬を時の洗礼に絶え得るようにしてから差し出している、眼をそむけられやしないという芸術的価値としてのフィクション。
もしもこの僕がユージン・スミスのカメラ(ああ、我ながら滑稽な擬人法!)だったならば、幾度となくその過酷な仕事のために自ら壊れたくなるだろう、されど、ユージン・スミスは、僕すなわちカメラを手中におさめて、「草臥れるな、あと少しだから」「いいから落ち着け、大丈夫だから」といさめることに成功し続けるであろう。
ユージン・スミスらしい、精神的に巨大なる、かの掌とかの指先とかの眼差しによって。