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ヴォルテールの世紀 精神の自由への軌跡 単行本 – 2009/11/20

4.5 5つ星のうち4.5 4個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2009/11/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/11/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 471ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000222104
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000222105
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 3.6 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 4個の評価

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保苅 瑞穂
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上位レビュー、対象国: 日本

2010年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 十八世紀のフランス啓蒙主義の全盛期、マルセーユは一大奴隷貿易港で、奴隷貿易業者たちがフィロゾーフたちのパトロンであった。同時期、リバプールやブリストルも奴隷貿易港で、E・バークは奴隷貿易業者たちの支援を受けて政治活動をしていた。同時期、ボストンも一大奴隷貿易港で、大西洋を奴隷船が行き交いアフリカからニグロたちを南北両アメリカ大陸に運び、その新大陸を奴隷の使役によって開墾し、砂糖、コーヒー、棉花、米などを栽培させ、それらが技術革新と資本制生産を組み合わせて成立した産業革命の原材料であった。
 フィロゾーフたちは、人類の解放のために奴隷制の廃止を主張した。かれらは〈黒人友の会〉を作った。この会は、イングランド、フランス、アメリカ合衆国、カリブ海域を結ぶ国際的な半宗教組織であった。
 十九世紀に入って、イングランド議会は、ひとまず奴隷貿易だけ廃止した。1807年のことであった。そのあと、南北戦争によって、アメリカの奴隷は不充分ながら法的に解放された。この時期、K・マルクスが『資本論』の最終卷をロンドンで書いていた。かれはこのアメリカ内戦が人類史を左右する戦争になると書いた。ヒューマニズムはさまざまに誤解されていることばだが、西欧の文脈では、なにより「人類全体の運命を考える思想」という意味である。『百科全書』には、「人類」という項目があった。マルクスは、人間は類的存在であると書いた。
 アジアに、南北戦争、つまり、人類のために戦われた戦争などかつて一度もない。我々は儒教圏に生きている。儒教に興味があるのは古代から政治権力の争奪だけだ。日本国憲法には人類ということばが入っているが。 
 以上を背景知識とすれば、『ヴォルテールの世紀』は大いに楽しめた。 冬川 亘。
 
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年11月11日に日本でレビュー済み
 17世紀〜18世紀フランスで活躍し、フランス革命を思想的に準備した詩人であり劇作家、大思想家、そして何より人権活動家の元祖ヴォルテール(本名はフランソワ・マリ・アルーエ)の伝記です。
 それなりの数の偉人の伝記を読んできた者として進言させていただければ、この人の伝記は絶〜対に読んだ方がいいです。この人の生涯に亘る人間ドラマやペンによる闘争(書簡集を図書館で借りたのですが、その予想を超えた分厚さに一驚を喫しました。1000ページ以上の大部なのです。文豪の書簡集は色々見ましたがこんなに分厚い書簡集は余りない)は、現代人が読んでも読み物として普通に、そして異常に面白いです。ヴォル兄さんの戦いのレベルの気高さ、激しさに比べたら自分の戦いなど児戯に等しい・・とか思いちょっと大きな自分になれます。このヴォルテールという人は名前は非常に有名なのに、その生涯や功績についての認知度がやたら低い人物だと思います。もはや残念を通り越してヴォル兄さんに申し訳ない・・。

 さて、本書はかなり正統派の伝記ですが、資料や注釈が多すぎて、あるいは記述が客観的、分析的すぎてつまらないということの全くないお勧めの一冊です。作品の紹介や分析もありますが簡単なもので、基本的にヴォルテールの生涯を誕生から死まで時系列的に追ったものになっています。文章も非常に読みやすい。
 ヴォルテールの伝記は小林義彦さんの『知の革命家ヴォルテール〜卑劣な奴を叩き潰せ』も読みましたが、内容の熱さでは両書伯仲しつつも、ページ数が多いということもあり記述の詳細さでは本書に軍配が上がるかと思います。本書はヴォルテールの書簡が豊富にまた長尺で引用されているのも魅力的です。
 権力を恐れぬ詩人に降りかかった若き日の二度の投獄、シャトレ婦人との大人の恋愛、プロイセン国王との複雑な関係、スイスでのカルヴァン派との摩擦、ルソーとの不和(今はパンテオンで二人仲良く眠っています)、華やかな社交と広い人脈、狂信に対して理性と寛容を掲げて闘争を繰り広げた名高い<カラス事件>など、生涯の主要な出来事に遺漏はありません。

 個人的には、ヴォルテール兄さんもローマの雄弁家キケロ(マイブームなので。やはり言葉を愛し信じるものはカエサルよりキケロなんじゃなかろうか!カエサルもまあ凄いけれども!と一人頷く)を尊敬していたという点を本書でより深く再確認できたことが嬉しかったです。
 本書を読み、32歳で貴族と喧嘩して(ヴォルテールは貴族ではありません)卑劣な手段で牢屋にぶち込まれた経験をもつ短気で癇癪もちで(←親近感)正義感の強い、しかもそんな生き方をペンの力を頼りに84年の長い人生を終えるまでガッツリ貫き通した不屈のヴォルテール兄さんを見ていると、自分はまだまだ甘い!まだまだ強気でいけ!と思うことができました。かの戦う詩人ヴィクトール・ユゴーも著作の中でヴォルテールに何度も言及しているそうです。ヴォルテール兄さんの高潔な生涯は、触れる人の意識を啓発し、言葉の力を信じ信念を持って生きようという人間の範となり、現実の波濤の激しさに時に折れそうになる弱い心を勇気付けずにおかない、まさに<後世への最大遺物>であるといえます。ヴォルテールの生涯は、人間存在に対する信頼や希望を呼び戻してくれるのです。
 
 フランスの詩人ヴァレリーの著書『精神の危機』(岩波文庫刊)収録の「ヴォルテール」という講演や、岩波新書『キケロ〜ヨーロッパの知の伝統』なども更なる理解の助けになるかと思います。ヴァレリーの講演は、<カラス事件>と同じく人権問題として有名な<ドレフュス事件>では反ドレフュスの立場に立つなど<正義>という言葉に懐疑的な彼らしく、ヴォルテールを評価しながらも全体に冷静と情熱の間という感じですが、二次大戦の悲惨を経験した彼が<現代のヴォルテールはどこにいるのでしょうか?>と問いかける姿は痛切です。この多文化共生の時代にこそ、我々は一人一人が小さなヴォルテールにならねばならないのです。
 
 本書をはじめ、ヴォルテール関連書籍ご一読の程よろしくお願いします!
 
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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