まあ憲法改正なんてのがあるから国民の義務として勉強しなければいけないだろうと、法学部の人なら知らない人はいない、と聞いて買ってみました。
とても難しいです。
確かに、法人の人権はあるか？とか生存権とか環境権などの現代憲法の特色とかその他は難しすぎます。しかし恐ろしいのは「『ここら辺の話題は難しいから素人が口出すべきところじゃないよ』ということが素人でも分かるように書いてある」ことです。難しいことを難しく書くのは秀才ですが、難しいことを分かりやすく書くのは天才です。単に変えていいところといけないところがある、と言ってるだけです。
法律による保護が法律からの保護に変わった、というあたりはたぶん近代憲法の話でしょう。で、ここら辺はよく読めば分かるよ、という書き方になってる。
もちろん、著者がどれほどの権威であっても、昔の生身の人間だったわけだから、当然間違いを犯すこともあり得ます。当然、著者の説に反対している人々も沢山いるに決まっています。
しかし、普通の人の基礎教養としては、これを読めば充分ではないかと思います。そこらにあるぺらぺらの解説本などより、包括的に全体像を書いているから。
追記: 熟読というのは、「何度も繰り返して読む」ことも含まれます。素人が1回で分かるものではありません。しかし、今は普通の人がこの本を読む必要がある時代になったので、仕方がありません。
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