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神話と日本人の心 単行本 – 2003/7/19
河合 隼雄
(著)
現代人は,いかにして「神話の知」を見いだすことができるのか-.日本を代表するユング派心理学者であり,『昔話と日本人の心』などの著作で独自の物語論を展開する著者が,日本神話の意味とその魅力をわかりやすく語る.『古事記』『日本書紀』の世界を広い視野からよみとき,日本人の心性と現代社会の課題をさぐる.書き下ろし600枚.
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/7/19
- ISBN-104000233823
- ISBN-13978-4000233828
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
現代人は、いかにして「神話の知」を見いだすことができるのか。日本を代表するユング派心理学者であり、独自の物語論を展開する著者が、日本神話の意味とその魅力をわかりやすく語り、日本人の心性と現代社会の課題をさぐる。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/7/19)
- 発売日 : 2003/7/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 4000233823
- ISBN-13 : 978-4000233828
- Amazon 売れ筋ランキング: - 270,572位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自身のルーツを考えるとともに、今や未来を生きる上で、教わることがたくさんありました。
2013年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西洋的自我の発達は、英雄が龍(母性原理)と戦い勝利を勝ち取り、美女と結婚するというおとぎ話で語られる。また、自己意識の始まりは、創世記で神が食べることを禁じた知恵の木の実を蛇の誘惑でイブが食べてしまったことから語られる。それに対して日本の神話は、どのように語られているのかがポイントになる。西洋ではAか非Aかと二者択一の発想をする。日本ではAも非Aもバランスを取って行こうとする。他者を抹殺するという発想ではない。これは遠い昔の話ではなく、現代でも生きている。その辺の文化差がどこから出ているのかを知る手掛かりとなる本である。
2019年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大作なので、きっと読まれずに流通したと思われ、新品同様、たいへん綺麗な状態で感動しました
高価な本が、手頃な価格で入手できて喜んでいます
高価な本が、手頃な価格で入手できて喜んでいます
2017年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
記紀神話を解説した本は数々あるが、この深堀には驚いた。ツクヨミとスサノヲの位置付けが明確にされている素晴らしい発掘。
2013年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
河合先生のライフワークともいうべき、日本神話(引いては日本そのもの)の持つ中空構造を分析した書籍です。
この先にある未知なる世界をも河合先生には解明してほしかったです。
・なぜ中空構造なのか?
・語られない中心には何が入っていたのか?
・ なぜ中空でなければいけないのか?
秋の夜長に謎だけが残ります。
この先にある未知なる世界をも河合先生には解明してほしかったです。
・なぜ中空構造なのか?
・語られない中心には何が入っていたのか?
・ なぜ中空でなければいけないのか?
秋の夜長に謎だけが残ります。
2007年9月3日に日本でレビュー済み
本当に惜しい人を亡くした。あんなにわかりやすく心の問題を語る方を失うとは。
この方を知ったきっかけは、放送大学の臨床心理学の講座だった。
とてもわかりやすく語る方だなぁというイメージがあった。
文化庁の長官をされたことがあるというのは、後になって知った。
自分の心の病気を治すきっかけを調べたくて図書館や書店の
「精神医学」「心理学」のコーナーを行ったり来たりして
様々な人の本を読み漁っていて、気にはなっていたが
直に手に取ったのは今年に入ってからだった。
僕自身ずっと信じていたキリスト教の一つに大変失望したのと
「日本人の心や倫理観の核になるものってなんだろう?」という疑問に
河合先生の「神話と日本人の心」という本がヒントをくれそうだったからだ。
読んでみて実際多くのことを学び、ここ数ヶ月の僕の行動に大きな影響を与えてくれた。
その一つは
神話・おとぎ話の中にある「殺す」シーンを通して
子供が比喩的に心の中で「殺す」行為をしないと
大きくなって深刻な影響を与える
極端な例では、現実に猟奇殺人を起こしてしまう若者の事件
というような考えだった。
例えば 桃太郎伝説の由来とも言われる『温羅退治』や文福茶釜のように
グロテスクともショッキングとも言える内容が含まれているのが
おとぎ話の本来の姿で、
それを子供が信頼を置いているおじいさんやおばあさんが噛み砕いて解説し
子供は心の中で比喩的に『何かを殺す』行為を行ってきた。
それが今日では 「見せてはいけない」「子供に悪影響」として
すっかり骨抜きの絵本になってしまった。
たびたび起こる猟奇殺人事件はこのことが影響しているのでは?
この本を読んで僕はそう思い
日本人の中に語り継がれてきた神話についてもっと知りたくなった。
アメリカ合衆国の大統領の名前は言えても、天皇の名前はほとんど言えない
聖書のいわゆる「聖人・義人」は知っていても、日本史の人物は戦国時代以降の人しかわからない
そんな自分に「?」「おかしいぞ」と疑問がわいてきた。
まして 「古代史の日本を知る」=軍国主義・右翼という偏見にも
なにか政治的なバイアスのかかった悪意を感じ、疑問を持つようになった。
消えた中南米の文明やヨーロッパの文化に埋もれた古代文明のように
キリスト教に征服されずに生き残った歴史のある国の民族として
自分の中の遺伝子に流れている 「核となる日本人のこころ」を知れば
「自分ってなんだろう?」という疑問になにかの光が見えそうに思えた。
この方を知ったきっかけは、放送大学の臨床心理学の講座だった。
とてもわかりやすく語る方だなぁというイメージがあった。
文化庁の長官をされたことがあるというのは、後になって知った。
自分の心の病気を治すきっかけを調べたくて図書館や書店の
「精神医学」「心理学」のコーナーを行ったり来たりして
様々な人の本を読み漁っていて、気にはなっていたが
直に手に取ったのは今年に入ってからだった。
僕自身ずっと信じていたキリスト教の一つに大変失望したのと
「日本人の心や倫理観の核になるものってなんだろう?」という疑問に
河合先生の「神話と日本人の心」という本がヒントをくれそうだったからだ。
読んでみて実際多くのことを学び、ここ数ヶ月の僕の行動に大きな影響を与えてくれた。
その一つは
神話・おとぎ話の中にある「殺す」シーンを通して
子供が比喩的に心の中で「殺す」行為をしないと
大きくなって深刻な影響を与える
極端な例では、現実に猟奇殺人を起こしてしまう若者の事件
というような考えだった。
例えば 桃太郎伝説の由来とも言われる『温羅退治』や文福茶釜のように
グロテスクともショッキングとも言える内容が含まれているのが
おとぎ話の本来の姿で、
それを子供が信頼を置いているおじいさんやおばあさんが噛み砕いて解説し
子供は心の中で比喩的に『何かを殺す』行為を行ってきた。
それが今日では 「見せてはいけない」「子供に悪影響」として
すっかり骨抜きの絵本になってしまった。
たびたび起こる猟奇殺人事件はこのことが影響しているのでは?
この本を読んで僕はそう思い
日本人の中に語り継がれてきた神話についてもっと知りたくなった。
アメリカ合衆国の大統領の名前は言えても、天皇の名前はほとんど言えない
聖書のいわゆる「聖人・義人」は知っていても、日本史の人物は戦国時代以降の人しかわからない
そんな自分に「?」「おかしいぞ」と疑問がわいてきた。
まして 「古代史の日本を知る」=軍国主義・右翼という偏見にも
なにか政治的なバイアスのかかった悪意を感じ、疑問を持つようになった。
消えた中南米の文明やヨーロッパの文化に埋もれた古代文明のように
キリスト教に征服されずに生き残った歴史のある国の民族として
自分の中の遺伝子に流れている 「核となる日本人のこころ」を知れば
「自分ってなんだろう?」という疑問になにかの光が見えそうに思えた。
2004年6月15日に日本でレビュー済み
古来の神話や伝説が、当時の権力者たちによって、力を誇示するために
作られ、書き換えられていった、ということは、大まかに知っていました。
神々のトライアッドに加え、著者が「中空均衡構造」と呼ぶ、
はあ~、なるほどなぁ~、と思わずうなずく不思議な構図。
日本神話関係の本を読むのはこれが初めてですが、心理学的な側面から
現代とリンクさせて書かれたこともあってか、神話が、かなり身近なものになりました。ここまで奥深いものとは!おもしろい。
また、諸外国の神話との比較も多く取り上げられているので、
各国のカラーの違い、その美しさを発見できるのも、かなり興味深い。
ただ、自分はあまりにおぼろげにしか神話の物語を知らないので、神々の
名前が急に列挙されると、誰?これ?前にもでてきてたっけ??
なんでこんなややこしい名前やねん・・・。と、前頁に振り返ることも
しばしば。(←前述された名前を覚えられてない)
また、物語も論説にしたがって部分的に抜粋されていることが多いので、
抜粋部分の後の展開がどうなるのか、前後の神さんの関係って・・・。
と、結構とまどうところもありました。
(著者はちゃんと流れも述べてくださってます。が、私の知識、そして
記憶力があまりに乏しかったと思われる・・・)
本作を読む前に、先に物語形式でつづった神話の本に触れてから読むと、
なおいっそう、面白味、様々な解釈が楽しめると思います。
作られ、書き換えられていった、ということは、大まかに知っていました。
神々のトライアッドに加え、著者が「中空均衡構造」と呼ぶ、
はあ~、なるほどなぁ~、と思わずうなずく不思議な構図。
日本神話関係の本を読むのはこれが初めてですが、心理学的な側面から
現代とリンクさせて書かれたこともあってか、神話が、かなり身近なものになりました。ここまで奥深いものとは!おもしろい。
また、諸外国の神話との比較も多く取り上げられているので、
各国のカラーの違い、その美しさを発見できるのも、かなり興味深い。
ただ、自分はあまりにおぼろげにしか神話の物語を知らないので、神々の
名前が急に列挙されると、誰?これ?前にもでてきてたっけ??
なんでこんなややこしい名前やねん・・・。と、前頁に振り返ることも
しばしば。(←前述された名前を覚えられてない)
また、物語も論説にしたがって部分的に抜粋されていることが多いので、
抜粋部分の後の展開がどうなるのか、前後の神さんの関係って・・・。
と、結構とまどうところもありました。
(著者はちゃんと流れも述べてくださってます。が、私の知識、そして
記憶力があまりに乏しかったと思われる・・・)
本作を読む前に、先に物語形式でつづった神話の本に触れてから読むと、
なおいっそう、面白味、様々な解釈が楽しめると思います。
2004年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
~「こころの処方箋」あるいは数々の育児関係の著作でも知られる臨床心理学者である河合氏が日本神話について書いた作品なのでどのような内容なのか興味があった。
河合氏の目指すものは日本神話を心理学者としての分析を行い、かつ他の文化の神話との比較も行い、最終的には現代人の課題を明らかにしていくことである。結論は著作を読んでいただきたい。
~~
歴史を通じて現代の課題を明らかにする手法は多いがこの本のように神話を題材としかつ心理学というふたつのユニークな視点から現代日本の課題を語っている点が本書の独自性を際立たせている。神話については特別に意識することもなかったが、本書による解説分析により何の疑問なく単純に知っていた有名な神話の深い意味が明らかになり、仕事上異文化とふれあ~~う機会の多い私としては日本の独自性を考える点で、個人的には大変ためになった。
神話なので日本人ならたいてい知っている素材も多く、雑学的な知識を増やすという点からも面白かった。~
河合氏の目指すものは日本神話を心理学者としての分析を行い、かつ他の文化の神話との比較も行い、最終的には現代人の課題を明らかにしていくことである。結論は著作を読んでいただきたい。
~~
歴史を通じて現代の課題を明らかにする手法は多いがこの本のように神話を題材としかつ心理学というふたつのユニークな視点から現代日本の課題を語っている点が本書の独自性を際立たせている。神話については特別に意識することもなかったが、本書による解説分析により何の疑問なく単純に知っていた有名な神話の深い意味が明らかになり、仕事上異文化とふれあ~~う機会の多い私としては日本の独自性を考える点で、個人的には大変ためになった。
神話なので日本人ならたいてい知っている素材も多く、雑学的な知識を増やすという点からも面白かった。~