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文壇アイドル論 単行本 – 2002/6/27
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- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2002/6/27
- ISBN-104000246135
- ISBN-13978-4000246132
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商品の説明
商品説明
ここで「文壇アイドル」と呼ばれるのは、村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫の8人。いずれも1980年代から90年代を中心にマスコミの寵児となった人々だ。これらの著作者がどのように語られ、受け入れられたか(またはおとしめられたか)を追い、彼らスターを生み出した背景について考えようとする。著者の言い方を借りれば、「作家論」論ということになる。
その視点は、知的で公平、そして少し意地悪だ。村上春樹作品にちりばめられた謎の解読に血道をあげる批評家たちは、ロール・プレイング・ゲームになぞらえて「文学オタクのハルキ・クエスト」といなされ、吉本ばななはコバルト文庫など少女カルチャーの末流と解釈、「文芸作品というより……キャラクター商品に近い」と位置づけられる。かと思えば、林真理子と上野千鶴子が「男社会」の中でいかに対照的な受けとめ方をされたか解き明かし、作家として黙殺されることの多い田中康夫の批評性を的確に指摘する。
そうした個々の作家の捉え方もおもしろいが、世の価値観が揺らいだ80~90年代という時代がこれらのアイドルを必要とした、という分析がなにより鋭い。本書は文化論であると同時に、すぐれた時代論でもあるのだ。(大滝浩太郎)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2002/6/27)
- 発売日 : 2002/6/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4000246135
- ISBN-13 : 978-4000246132
- Amazon 売れ筋ランキング: - 247,012位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,130位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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斎藤美奈子の真骨頂である辛辣な語り口はいかんなく発揮されており、とどのつまりどういう作家だったのか?という切込みは鋭い。
以下の特徴があると感じた。(8人の作家いずれもおもしろいが、林真理子に関する叙述を参考例にしてみると)
1.アプローチの手法としては、作家の作品そのものを多く解釈・引用するというより、当該作家に関する論評も多く読み込み、世の中にどのように受けとめられたか?という視点(”作家論論”という)を多用。
(”ルンルンのお手柄をもうひとつ挙げれば、現代の言文一致の達成ということだ”という高橋睦朗を引用)
2.その結果として作家とその時代、世相、メディア等とのinteractionが上手く描かれている。
(女性誌の「自立バブル」のなかから巣立った唯一にして最大のスター、それが林真理子だった。。しかしメディアは、正確に言えば男性メディアは、けっして彼女を。。。温かく迎え入れなかった)
3.そして(本書のオリジナルは2002年の出版であるが)、作家のある時点での性格・業績を切り取る、というより、ある程度の期間を経ての作家の変容にも着目する。
(結婚と男社会での椅子(注:「ミカドの淑女」により本格的作家に)という最後のカードを手に入れた彼女が「あっちの側の人」「遠い人」になってしまった)
4.一方で、当該作家の変わらざる面、基本的体質をえぐりだす。当該作家を全面的に賛美・肯定するわけでもなく、また否定的に取り扱うわけでもなく、ある種の距離感をもって冷静に見ている。
(林真理子を疾走させたモチベーションは「欲望である」といわれます。がしかし、もうひとつ忘れていけないのは、「男に好かれるカワイイ子だけが得するのは不公平ではないか」という発想でした)
5.そして作家一個人だけではなく、その背後にある社会一般への眼を忘れない。
(メディアないし世間というものは「女の成り上がり」に対して、きわめて不寛容なのです)
作家論というと、往々にして視野も狭く、抽象語を振り回したりするものも多いが、本書はちゃんと地に足がついている。 斎藤美奈子の痛快な語り口に感心しつつ、楽しく読みました。
肩肘張らぬ軽快な文体で知られる著者であるが、それは軽薄さを示すものではなく、一つの戦略として選び取られたものであることがよく分かる。著者は言葉(文体、気取って言えばエクリチュール)に実に敏感で繊細な目配りをする。
全編面白いが、俵万智の文体の裏にあるジェンダー観の古臭さ(あざとさかもしれない)を見出し、それがオヤジ受けした理由であることを看破する部分などはなるほどと唸らされる。
田中康夫の「記録文学」としての批評性を再発見しつつ 、『なんクリ』では一体化していた「だ・である」調と「です・ます」調が以後には分離してしまったことを指摘するくだりも素晴らしい。
色々な論証を加えてはありますが、アイドルという定義が曖昧で、私には納得できる内容ではありませんでした。
アイドル的要素の作家は別にいるわけで、この本も作家の知名度を利用して居るんだなあと言うのが、正直な感想です。
そんなに本など読むタイプではないのに、ひそかにこんなものは読んでいたらしい。
その後輩が嬉しげに「ノルウェイ」上下を貸すもので、しかたなく読んではみた。
「うげげ」であった。
村上春樹を好むヤツとは友達になれない。黙っていてもなぜだか女が寄ってきて、その結果据え膳は必ず食う、といった主人公のどこがよいのか理解不能だ。
しかし、世の中には春樹を好きな人があふれ、「春樹を好きなこと」は恥ずかしくもなんともなく、かえって「おしゃれ」なイメージすら漂う、ということになっている。
斎藤美奈子も春樹にハマったひとりであり、「文壇アイドル論」も、ほとんど春樹のために書かれたようなものである。
斎藤も解読にのめりこみ、「こうだ」とか「ああだ」とかいって喜んでいたクチなのだ。「妊娠小説」での「風の歌を聴け」の詳細な解読法の説明からしてすでに「ハルキ」だったし。
たぶんリンチの映画とかも好きだろう。リンチなんか、春樹とどこが違うのか分からないほど「ハルキ」だし。
上記の後輩男子のように、「村上春樹の雰囲気だけを読む」層も広く存在するが、斎藤美奈子をはじめとする「謎解き軍団」というのはおおむね「自慢しい」の人々だ。
謎を解いて(またはつもりになって)何が嬉しいかって、それはストレートに「俺ってけっこう頭いい」「分からないやつはバカ」ということだ。
他人との格差付けの再確認のために謎を解く、のであって、謎を解きたいから謎を解く、のではない。
斎藤はもちろんここのところをよく分かっていて、今では「ハルキな日々」を少し恥ずかしく思っていたりするようだ。
リンチ映画を好まないように、春樹の謎かけなんて、どうでもいい。私は謎解きにはハマらない。
コアな斉藤ファンには承知のことかもしれないが、たまに新聞で書評を読む程度の
ファンには分らなかった快刀乱麻の小気味よさではない何か。
本を読んでも普通の読者では、なかなかそこまで深くは理解できないし、ましてや周辺事情など。
作家、作品、読者を含めてとりまく状況の変化に時の流れというものを感じないではいられません。
何よりも、人間として素晴らしいなあと思います。泣きの批評を書く人も、素晴らしいなあと思いますが、
そこまでセンチメンタルにならず、適度に笑いを入れながら、でも…
さすがに、第2部の最後のところでは、不覚にも涙がにじんできたりして。
自分もかなり年をとったけど、和解って素晴らしいなあと思いました。
初出は1996-2001 文學界、短歌と日本人、世界の各誌
1.文学バブルの風景 村上春樹、俵万智、吉本ばなな
2.オンナの時代の選択 林真理子、上野千鶴子
3.知と教養のコンビニ化 立花隆、村上龍、田中康夫
さすがに全ての方が今もご活躍である。読んだ事の無い作家(今ではその枠を超えている方が3のカテゴリー)でも、その存在は知っているといく方が世の中には多いだろう。
斎藤さんの文芸評論はどの評論家も同じだとは思うが、好き嫌いがあるだろう。自分にとっては非常に分かりやすい説明をしてくれているように思うし、もちろん、それは違うんじゃないの?と思う箇所もあるけれど、総体として同意する。
こんな林真理子評はどうだ、「直木賞の選考委員にも就任し、私生活では一女の母にもなった林真理子は、いまや押しも押されぬ大文化人です。若い女の行儀の悪さを叱り、豊かな私生活を誇示し、皇室への親近感を示す。階層移動の成功者が保守反動化するのは自然の流れというべきでしょう。お城の女主人になってしまたシンデレラにとって、なにより大切なのは城を守ることであり、なにより警戒すべきは第二、第三のシンデレラの出現することです。」
うーん、鋭い。面白い。女性の視点も入っている。文学、文章にあいちゃくあり、原書から、作者の本質を見抜いている。
これは、ちょっと書けない。でも、畏敬の念で拝読した。とてもおすすめ。