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ポピュリズムとは何か 単行本 – 2017/4/19

4.3 5つ星のうち4.3 33個の評価

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なぜトランプは「ポピュリスト」なのか?――
現代世界を席巻している「ポピュリズム」。だが、そもそもポピュリズムとは何を意味するのだろうか。ポピュリズムと民主主義はいかに区別できるのか。気鋭の政治思想史家が、古今の様々なポピュリズム現象やポピュリストの論理を緻密に分析し、「人民を代表するのは自分たちだけだ」という反多元主義的な語りに注目して明確な定義づけを試みる。ポピュリズムへの対処法に関しても示唆に富む好著。
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商品の説明

著者について

ヤン=ヴェルナー・ミュラー(Jan-Werner Müller)
1970 年ドイツ生まれ.オックスフォード大学で博士号取得.現在,プリンストン大学政治学部教授.政治思想史・政治理論.著書多数.邦訳書に『カール・シュミットの「危険な精神」─戦後ヨーロッパ思想への遺産』(ミネルヴァ書房),『憲法パトリオティズム』(仮題,法政大学出版局,近刊予定),『試される民主主義─20 世紀ヨーロッパの政治思想』(岩波書店,2019年刊行予定).

板橋拓己(いたばし たくみ)
1978年栃木県生まれ.北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了.博士(法学).現在,成蹊大学法学部教授.国際政治史・ヨーロッパ政治史.著書に『中欧の模索─ドイツ・ナショナリズムの一系譜』(創文社),『アデナウアー─現代ドイツを創った政治家』(中公新書),『黒いヨーロッパ─ドイツにおけるキリスト教保守派の「西アーベントラント洋」主義,1925~1965年』(吉田書店)ほか.

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2017/4/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/4/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 176ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000247964
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000247962
  • 寸法 ‏ : ‎ 12.9 x 2 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 33個の評価

カスタマーレビュー

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5つのうち4.3つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2021年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「我々 "のみ" が "真の" 人民を代表している」という反多元主義的な主張にポピュリストの定義を見出し、何がポピュリストで何がポピュリストでないのか、ポピュリストが如何にして民主主義を内側から破壊するかを簡潔かつ明快に示した良書。

もちろん、本書によるポピュリスト/ポピュリズムの定義が唯一絶対なものではないが、曖昧な議論に陥りがちなポピュリスト/ポピュリズムを考える上で、欠かすことのできない明確な視点を得られる。
2020年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プリンストンで政治思想を研究するヤン=ヴェルナー・ミュラーの「ポピュリズムとは何か」を読む。今日の世界を席巻するポピュリズム政治が民主主義を危機に晒していることは誰しも感じているだろう。

しかしポピュリズムの定義と、その危険性は必ずしも自明ではない。ミュラーの本書での主張は明確だ。ポピュリズムとは「我々人民」と、エリートやマイノリティや外国人などの「彼ら」を線引きした上で、自分たちのみが人民の正統な代表者であり、反対勢力を定義上非倫理的/非民主的な存在とみなす。

民主的であることの本質を考えると、多元的な利害や価値が存在する中で、選挙や三権分立などのメカニズムを通してその調整を行うことだと言える。ミュラーの定義によるポピュリズムは、政治から多元性を排斥することで、本質的に民主的であることを破壊する。

ミュラーの主張は歴史上の多数の事例の厚みに支えられており非常に明快で説得力がある。ミュラーはまたポピュリズムに対抗するための戦略にまで踏み込んでいる。ポピュリズムの台頭に危機意識のある全ての人が読むべき。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年12月3日に日本でレビュー済み
欧米リベラル系政治思想家の手による、ポピュリズム批判の書。
欧州や中南米の豊富な政治史事例から、かなり明確に
ポピュリズムを定義している点はかなり勉強になる。

ドイツ人だけに文章のそこここにかなりの欧州エリート臭さは
漂うが、情緒に訴えるのではなく、ロジカルにポピュリズムの
問題点について突き詰めていく姿勢はさすが。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書では、ポピュリズム政党は次の二つの要件を備えた政党であると明快に述べている。
①反エリート主義(エリートは腐敗あるいは何らかの形で道徳的に劣っており、人民のための政治を行っていないとする思想)
②非多元主義(自分たちの(ポピュリスト)政党を支持しない者は誰であれ、人民としてふさわしくない=自分たちの考えに賛同する者だけが、道徳的に純粋な人民であり仲間である。)
特に②が重要である。これによってポピュリズム政党は独裁の臭いのする反民主的勢力であると理解できる。実際、トランプ政権や欧州右派政党の行動は、この認識が正しいことを示している。私は本書を読んでから、ポピュリズム政党の極端で扇動的な行動を、右往左往することなく理性的に見たり認識できるようになった。本書は、著者の深い思索をベースとした鋭い分析結果を我々一般市民に理解しやすい形で提供されており、これぞ真っ当な学者の著作として高く評価したい。同じテーマを扱った水島教授の著作も読んだが、残念ながら単に知識の羅列の域を出ておらず、読者(市民)に役立つものではないように思う。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年5月8日に日本でレビュー済み
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① 英語版(2016年8月)の購入を考えておられる方には、その前に日本語版の検討をお薦めする。日本語版への著者の序文(2017年1月)には米国大統領選挙の結果を踏まえた有益な考察が含まれている。(価格も、英語版はハードカバー、キンドル版とも日本語版より少し高い。珍しいですね。)
② 本書の特長は、「大衆迎合主義」のような曖昧な概念では見えないポピュリズムの危険性を明確にすることにある。
③ 本書は、ポピュリズムの支持層の構成(学歴・職業など)や経済状態の解明には重点を置いていない。主に、ポピュリスト指導者のロジックを分析する。支持層の経済的苦境の原因をマイノリティーの存在に転嫁し、反対派の分析的な議論はリベラル派エリートによる誤魔化しだとして問答無用で葬る。
④ ポピュリストの反多元主義はマイノリティーへの攻撃・差別に止まらず、反対派との討論拒否(必要なのは、議論ではなく決断と実行)、報道機関の排除(国民へ真実を伝えるのに仲介者は不要⇒SNSやブログの重視)などに及ぶ。 民主主義への敵対行為を、本当の民主主義(自分たちだけが国民の真の意思を代表)として正当化する危険性を著者は指摘する。
⑤ ポピュリストも政権に就けば、現実的になるか、失敗して下野することになると言う見方にも本書は否定的である。政策が実現出来ない理由として、「敵」を見つけ出して政権維持をはかると予測。さらに言えば、議会での議論を封じ、批判的な報道機関を排除した状態では、投開票に不正が無ければ公正な選挙が可能であると言えるのかと問う。
⑥ 米国では著者の危惧したような状態が既に生じているようだが、フランスでは国民戦線のルペン候補が敗北した。多少の希望は感じるが、イタリアの五つ星運動など不安の種は尽きない。もちろん、著者もポピュリズムへの対抗策を挙げてはいるが、聞きたがらない人々に聞いてもらうのは簡単なことではないだろう。
62人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みにくいですね。数ページでうんざりしてやめた。
もう少し日本語の読みやすさに寄せた翻訳方針を選ぶべきだったと思います。
内容を楽しみにしてただけに残念。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 各国で台頭しているポピュリズムについてデモクラシーの本質との関係を深く考察した名著です。
 ポピュリズムをマックス・ウェーバーの理念型に従って厳密に定義したうえで、デモクラシーとの関係でポピュリズムのどこが問題なのか、多元主義や自由との関係、代議制民主主義との関係、政党の機能の低下がポピュリズムの台頭につながっている指摘など詳細に論じられ、最後にポピュリズムにどのように対処すべきか、自由民主主義を擁護する立場から述べられています。
 本文126ページの小著ですが、中身がぎっしりつまった本で、今後、古典となる予感のある著書です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年6月16日に日本でレビュー済み
 世界中で席巻するポピュリズムとは何か。

 近年の具体的な例を上げながら、ポピュリズムとは何かを説いていく。文章はやや難解。
 ポピュリズムとは反エスタブリッシュメントなだけでなく、反多元的で私達だけが正しいとするムーブメントらしい。それは右も左も関係ない。
 ポピュリズムと向き合うというだけでなく、自分がポピュリズムに陥らない為にも必読の一冊。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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