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惜櫟荘だより 単行本 – 2012/6/21
佐伯 泰英
(著)
ダブルポイント 詳細
1941年、岩波茂雄は静養を目的とし、熱海に惜櫟荘を建てた。建築家・吉田五十八が手掛けたこの名建築を、著者は縁あって譲り受け、後世に残すべく修復保存を志す。設計図もない中、手探りで解体・復元作業が進められ、やがて趣向に満ちた創造性が明らかになる――興味深いエピソードも交え、惜櫟荘完成までをつぶさに綴る。
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2012/6/21
- 寸法13.5 x 2.6 x 19.5 cm
- ISBN-10400025846X
- ISBN-13978-4000258463
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商品の説明
著者について
佐伯泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市生まれ.日本大学芸術学部映画学科卒.1971~74年,スペイン在住.帰国後,闘牛をテーマとするノンフィクション作家・写真家として活躍ののち,1999年より時代小説に転じる.“時代小説文庫書下ろし”のスタイルを貫き,数多くの長編シリーズを執筆する.「居眠り磐音江戸双紙」,「密命」,「古着屋総兵衛」など著書多数.
1942年福岡県北九州市生まれ.日本大学芸術学部映画学科卒.1971~74年,スペイン在住.帰国後,闘牛をテーマとするノンフィクション作家・写真家として活躍ののち,1999年より時代小説に転じる.“時代小説文庫書下ろし”のスタイルを貫き,数多くの長編シリーズを執筆する.「居眠り磐音江戸双紙」,「密命」,「古着屋総兵衛」など著書多数.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2012/6/21)
- 発売日 : 2012/6/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 248ページ
- ISBN-10 : 400025846X
- ISBN-13 : 978-4000258463
- 寸法 : 13.5 x 2.6 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 592,894位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,218位ロシア・東欧文学研究
- - 8,506位日本文学研究
- - 10,431位日本のエッセー・随筆
- カスタマーレビュー:
著者について
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佐伯泰英(さえき・やすひで)
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。
闘牛カメラマンとして海外で活躍後、国際的スケールの小説・ノンフィクション作品を手がける。99年、初の時代小説『密命―見参! 寒月霞斬り』を発表、迫力ある剣戟シーンと人情味あふれる庶民を描き、時代小説の旗手として高い評価を得る。以降、数々の人気シリーズを抱えるベストセラー作家に。
主な著書に、「密命」「居眠り磐音 江戸双紙」「吉原裏同心」「鎌倉河岸捕物帖」「古着屋総兵衛影始末」「酔いどれ小籐次留書」「交代寄合伊那衆異聞」シリーズなど多数。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年9月27日に日本でレビュー済み
建築主のこだわりと設計者の斬新な発想が詰まっている惜櫟荘(せきれきそう)を著者が買い取り大修復した経緯に合わせて、様々な出来事が語られ、建物と風景への愛情と思い入れを感じられる。著者は元写真家でスペインに住んでいたなんて知らなかった。
2020年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
惜櫟荘が主役ではない。施主様たる人気作家様の初エッセイとやらのネタのひとつに過ぎない。たとえば、建物の修復過程が図版やイラストでなくほとんど文章で説明されているところに、それは表れている。それも勿体つけたような「名文」なので困惑。わかりづらい。脈絡の無い回想。昔スペインで、とか昔パリでとか、要らない。惜櫟荘は主役ではない。自慢話のネタ。謙虚などとはほど遠い、俺が俺がの連続じゃないか。番人?ドヤ顔で踏ん反り返る番人の姿は確認した。勝手にビデオカメラを持って工事現場をウロつく施主は、職人たちからさぞかし嫌われたであろうことは想像がつく。含蓄があるようでない文章により、次第に薄れゆく興味。そして、鼻持ちならない完成パーティー。プチブル的(笑)。創業者の熱海の豪邸(それも別荘)を自慢する出版社(それも岩波書店)。岩波の「権威」地に堕ちたり。とか言ってみたい気がする。ま、別にどうでもいいけど。期待はずれ。
2016年2月16日に日本でレビュー済み
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著者は時代小説書きの超売れっ子で、月2回文庫本のベストセラーを出している。この佐伯泰英が熱海に仕事場を設けて書き物をしていると、下隣の立派な建物が壊されかけるというところから話が始まる。
壊されたら見られないので「ちょっと見せていただけないか」と頼んで見せていただき、その建物の凄さに驚く。惜檪というわけだから檪の木があるのだろうが、その数寄屋建築の配置、相模湾や小島の風景の取り込み方など、吉田五十八と岩波茂雄の建築に対する情熱がうかがわれた。
そのことの証人がアンジェイ・ワイダのスケッチである。この本の91ページにあるが、スケッチの域を超えている。広重の「驟雨」の浮世絵を見るようだ。つまり彼は浮世絵を見ていたということの証でもあろう。ワイダが一泊してこの絵を残していったということが、「惜檪荘」を物語っている。我々世代の「灰とダイヤモンド」や「地下水道」に感激したものにとっては、この上ない傍証だ。
これは超主観的ドキュメンタリーだ。
この本を読んでいて特に感じることは、この著者の立ち位置が、建物の内と外、この建物に対する気持ちの立場=これを見つけて解体し再建築に取り掛かった自分と、元の主体であった岩波茂雄や吉田五十八の間を往復することである。さらにこの解体・再建をサポートしてくれる職人さんなどとの行き来も面白い。
さらに、彼の今に至る以前の仕事・体験であるイタリアでの写真家としての仕事も語られていて、それもなんとなく惜檪荘の再建の仕事にかかわっているように思う。
とにかくこの本は、惜楽荘を出たり入ったり、ひとにたづねたり、昔の話をほじくったり、材質を見たり、縦横に立ちまわりながら「主観的」に書いている。ドキュメンタリーは客観的なものという勘違いをした本を見かけることがあるが、主観的でなくて本質に近づくことができるはずがない。
久しぶりに主観的な気分で「思い込みの激しい」客観的な表現力のある本を読むことができて楽しかった。
もうひと余録があった。というのは、60年餘前、私の郷里のかやぶきの家を、瓦屋根の家の改造した時の思い出だ。まだ二十歳にもなっていなかったので、棟木を載せるあたりに上って元気に手伝っていた。丁度そのとき、棟木が東西を間違えて上がってきた。
その時「それを担いで振り回せ」と言われてしまった。まだ棟木が載せられていないので、ぐらぐらするような合掌梁の上で、松丸太の棟木を担いで振り回す勇気がなかった。誰でも無理だろうと思って、下におろして振り返るものと思っていたら、30歳前ぐらいのあにきさんが上がってきて、少しサポートを受けながら見事に振り回して棟木に治めた。「さすがだ」と思った。昔の思い出だ。
壊されたら見られないので「ちょっと見せていただけないか」と頼んで見せていただき、その建物の凄さに驚く。惜檪というわけだから檪の木があるのだろうが、その数寄屋建築の配置、相模湾や小島の風景の取り込み方など、吉田五十八と岩波茂雄の建築に対する情熱がうかがわれた。
そのことの証人がアンジェイ・ワイダのスケッチである。この本の91ページにあるが、スケッチの域を超えている。広重の「驟雨」の浮世絵を見るようだ。つまり彼は浮世絵を見ていたということの証でもあろう。ワイダが一泊してこの絵を残していったということが、「惜檪荘」を物語っている。我々世代の「灰とダイヤモンド」や「地下水道」に感激したものにとっては、この上ない傍証だ。
これは超主観的ドキュメンタリーだ。
この本を読んでいて特に感じることは、この著者の立ち位置が、建物の内と外、この建物に対する気持ちの立場=これを見つけて解体し再建築に取り掛かった自分と、元の主体であった岩波茂雄や吉田五十八の間を往復することである。さらにこの解体・再建をサポートしてくれる職人さんなどとの行き来も面白い。
さらに、彼の今に至る以前の仕事・体験であるイタリアでの写真家としての仕事も語られていて、それもなんとなく惜檪荘の再建の仕事にかかわっているように思う。
とにかくこの本は、惜楽荘を出たり入ったり、ひとにたづねたり、昔の話をほじくったり、材質を見たり、縦横に立ちまわりながら「主観的」に書いている。ドキュメンタリーは客観的なものという勘違いをした本を見かけることがあるが、主観的でなくて本質に近づくことができるはずがない。
久しぶりに主観的な気分で「思い込みの激しい」客観的な表現力のある本を読むことができて楽しかった。
もうひと余録があった。というのは、60年餘前、私の郷里のかやぶきの家を、瓦屋根の家の改造した時の思い出だ。まだ二十歳にもなっていなかったので、棟木を載せるあたりに上って元気に手伝っていた。丁度そのとき、棟木が東西を間違えて上がってきた。
その時「それを担いで振り回せ」と言われてしまった。まだ棟木が載せられていないので、ぐらぐらするような合掌梁の上で、松丸太の棟木を担いで振り回す勇気がなかった。誰でも無理だろうと思って、下におろして振り返るものと思っていたら、30歳前ぐらいのあにきさんが上がってきて、少しサポートを受けながら見事に振り回して棟木に治めた。「さすがだ」と思った。昔の思い出だ。
2013年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「惜櫟荘」という建物及びその周辺環境に対する、佐伯泰英氏の尊敬の念がまず感じられる。 「岩波 茂雄氏」「吉田 五十八氏」の美学を、佐伯氏が察知なさったことも素晴らしい。
旧弊な読書人からはマイナーな方とされているようだが、技量が高く、表現力が豊か、感性が鋭い・・・ 現在の時代小説作家の中では、屈指の職人と感じている。
今回の仕事に携わられた方々(設計・施工・数多くの職人さん)への、憧憬の感じられる言葉づかいに、佐伯氏の人間性も感じた。
「惜櫟荘」の修復保存に情熱を注ぎ、それをライフワークになさってしまったことは、「究極のあそび」かもしれない。
そのことを、押し付けがましさなど微塵もなく、淡々と伝えるくるこの作品。
池波正太郎氏が名エッセイストであったように、佐伯氏の新境地のきっかけとなったとしたら、面白い。
旧弊な読書人からはマイナーな方とされているようだが、技量が高く、表現力が豊か、感性が鋭い・・・ 現在の時代小説作家の中では、屈指の職人と感じている。
今回の仕事に携わられた方々(設計・施工・数多くの職人さん)への、憧憬の感じられる言葉づかいに、佐伯氏の人間性も感じた。
「惜櫟荘」の修復保存に情熱を注ぎ、それをライフワークになさってしまったことは、「究極のあそび」かもしれない。
そのことを、押し付けがましさなど微塵もなく、淡々と伝えるくるこの作品。
池波正太郎氏が名エッセイストであったように、佐伯氏の新境地のきっかけとなったとしたら、面白い。
2014年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の僕には、密命より、居眠り磐音江戸双紙より、酔いどれ小藤次留書より、この惜櫟荘だよりが面白かったのですが、それにしても上手いもんですねえ、佐伯さんの語り口、まさしく職人ですよね。尚、僕は上記の3点を、佐伯泰英BIG3としているんですけどね。
2012年9月23日に日本でレビュー済み
惜檪荘と聞くと、何十年も前に読んだ岩波書店の“大番頭”小林勇の著書“惜檪荘主人”に描かれた“頑固親父”岩波茂雄と建築家吉田五十八が心血を注いだ数寄屋造りの熱海の別荘というイメージがあり、書店で書名を見て一も二もなく購入した。
私自身は佐伯泰英の著作を読んだ経験はないが、おそらく素晴らしい造りのはずの惜檪荘はどのような間取り・構造なのか?どうように造られたのか?どのような見晴しを持っていたのか?に興味があったためである。
本書は惜檪荘に隣接した別荘の住人となった著者が惜檪荘の存在を知り、売りに出た惜礫荘を購入し、建築関係者の協力を得て解体を含め1年以上の大がかりな修復に取り組み、2011年10月の落成式に及ぶ経緯が主題である。
それと共にフラッシュバックのように著者のスペインを中心とした欧州滞在中の堀田善衛他との多彩な交流あるいは著者個人の身の周りのことにも叙述が及ぶ。
その結果として、ここに描かれ、出てくるのは建築としての(庭も含めた)惜檪荘の数々の意匠を凝らした素晴らしさは当然として(本書中の写真も良い)、著者の人物・人柄そのものなのである。
“いいもの”に対する嗅覚、“いいものを守りたい”という強い意志、それなりの費用がかかったと思われるが出版社からの前借りを含めてやりとげてしまうエネルギッシュな実行力、そしてスペイン時代あるいは惜檪荘修復過程を通じて対人関係で垣間見せる気遣いの細やかさ、いずれも一つのタイプの作家に必要な資質とはどのようなものかを教えてくれるような気がした。
著者も惜檪荘の将来のことを気にしているが、昭和の名建築の一つである惜檪荘がオリジナルを極力残した形で必要な修復を果たし、とりあえず収まるところに収まったことは大いに慶ぶべきことであろう。
私自身は佐伯泰英の著作を読んだ経験はないが、おそらく素晴らしい造りのはずの惜檪荘はどのような間取り・構造なのか?どうように造られたのか?どのような見晴しを持っていたのか?に興味があったためである。
本書は惜檪荘に隣接した別荘の住人となった著者が惜檪荘の存在を知り、売りに出た惜礫荘を購入し、建築関係者の協力を得て解体を含め1年以上の大がかりな修復に取り組み、2011年10月の落成式に及ぶ経緯が主題である。
それと共にフラッシュバックのように著者のスペインを中心とした欧州滞在中の堀田善衛他との多彩な交流あるいは著者個人の身の周りのことにも叙述が及ぶ。
その結果として、ここに描かれ、出てくるのは建築としての(庭も含めた)惜檪荘の数々の意匠を凝らした素晴らしさは当然として(本書中の写真も良い)、著者の人物・人柄そのものなのである。
“いいもの”に対する嗅覚、“いいものを守りたい”という強い意志、それなりの費用がかかったと思われるが出版社からの前借りを含めてやりとげてしまうエネルギッシュな実行力、そしてスペイン時代あるいは惜檪荘修復過程を通じて対人関係で垣間見せる気遣いの細やかさ、いずれも一つのタイプの作家に必要な資質とはどのようなものかを教えてくれるような気がした。
著者も惜檪荘の将来のことを気にしているが、昭和の名建築の一つである惜檪荘がオリジナルを極力残した形で必要な修復を果たし、とりあえず収まるところに収まったことは大いに慶ぶべきことであろう。
2012年8月13日に日本でレビュー済み
人気時代小説家の著者による初のエッセイ集。
縁あって、熱海の仕事場より「海側に一段下った」ところにある惜櫟荘を譲り受けることになった著者が、その修復する過程を丁寧に綴るのがメインとなっている。「惜櫟荘」とは、岩波書店の創業者・岩波茂雄が建築家・吉田五十八に設計を依頼して建てた別荘である。
惜櫟荘は、建築から約70年を経ており、1度小規模の改装が行われただけだったので、著者は後世に残すために完全修復を決める。ところが設計図もないため、吉田のまな弟子の建築家や改装工事に携わった工務店らが集まり、少しずつ解体を行いながら、岩波の思いや吉田の意図を辿りなおしていく。材料などもなるべく元の物を使い、家具などもできるだけ修理するなど、細かく気が配られる。建築に興味がある人にとって、とても興味深い話が続く。
加えて、著者がカメラマンとして闘牛を取材し続けた若き日のスペイン時代、そこで知遇を得た永川玲二や堀田善衛らとの交流、自らが時代小説家となったころのこと、類まれなる読書家でもあった児玉清との交流、そして現況などが織り込まれている。
現在こそ売れっ子である著者だが、不遇の時代の経験や惜櫟荘の「所有者」ではなく「番人」を名乗る謙虚な気持ちが、全体を貫いていて心地よい。
縁あって、熱海の仕事場より「海側に一段下った」ところにある惜櫟荘を譲り受けることになった著者が、その修復する過程を丁寧に綴るのがメインとなっている。「惜櫟荘」とは、岩波書店の創業者・岩波茂雄が建築家・吉田五十八に設計を依頼して建てた別荘である。
惜櫟荘は、建築から約70年を経ており、1度小規模の改装が行われただけだったので、著者は後世に残すために完全修復を決める。ところが設計図もないため、吉田のまな弟子の建築家や改装工事に携わった工務店らが集まり、少しずつ解体を行いながら、岩波の思いや吉田の意図を辿りなおしていく。材料などもなるべく元の物を使い、家具などもできるだけ修理するなど、細かく気が配られる。建築に興味がある人にとって、とても興味深い話が続く。
加えて、著者がカメラマンとして闘牛を取材し続けた若き日のスペイン時代、そこで知遇を得た永川玲二や堀田善衛らとの交流、自らが時代小説家となったころのこと、類まれなる読書家でもあった児玉清との交流、そして現況などが織り込まれている。
現在こそ売れっ子である著者だが、不遇の時代の経験や惜櫟荘の「所有者」ではなく「番人」を名乗る謙虚な気持ちが、全体を貫いていて心地よい。