1.内容
今、先進国では、「伸び縮み自在な『アコーディオン・ファミリー』」(p15)になっている世帯が増えている。すなわち、この状況次第で親と同居する世帯が多い。昨今のグローバリゼーションや経済停滞以前にも経済が不振のときは見られた現象だが、今日は教育に費用がかかったり、高学歴が必要だったりするので、以前の現象と同一視はできない。子が親と同居すると晩婚化の進展が懸念されるので少子化の一因と推測される。そんなアコーディオン・ファミリーは、国・文化によって多寡や評価が違う。たとえば、スウェーデンみたいに現役世代への支援が厚ければほとんどないし、日本やイタリアみたいに現役世代への支援が弱ければ数が多い。アコーディオン・ファミリーが多い国でも、日本では個人の責任に帰して否定的に評価されるが、イタリアは割合肯定的である。ただ、アコーディオン・ファミリーの多寡にかかわらず、その国の受け取り方には否定的なものもある(北欧では家族の絆が感じられないそうだ)。アコーディオン・ファミリーで懸念される少子化による人口減の対策には移民があるが、アコーディオン・ファミリーの多寡にかかわらず、移民との緊張はある。本書では、アコーディオン・ファミリーをとっかかりとして、社会のあり方を探求した本である。
2.評価
レビュアーが読んだ限りでは、著者はアコーティオン・ファミリーについて中立的ではなく、おおむね否定的に評価しているが、それにとどまらず、移民にまで範囲を広げ、今後の社会をどう構築するかを考えさせられる内容である(この観点からは、邪道だが、第6章、第7章から読むのもアリだ)。ただ、現時点で、著者のような否定的評価が適当かわからないので(p95「社会的変化の満ち引きと穏やかに適応しているだけ」かもしれないし、そもそも著者の理想と思われる、一定年齢に達したら独立するのが当然かもわからない)、その点で星1つ減らし、星4つ。
3.レビュアーが著者の理想と解釈した社会
大人になるということは、就職し、結婚し、子どもを育てることが大事である(現在は心理的な要素が強いとされる)。「秩序だった世代の移行」(p283)のためにも国は若者に対して世帯を独立させるために住宅などにも支援をすべきである。それでも先進国が維持できなければ移民を受け入れるべきである。そして社会に適応させるための支援は惜しむべきではない。
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親元暮らしという戦略――アコーディオン・ファミリーの時代 単行本 – 2013/11/23
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いま先進諸国では、成人した若者たちが安定した雇用に就けず、親元で暮らす現象が広がっている。アコーディオンのように、家族はその蛇腹を広げて舞い戻ってきた子どもたちを受け入れ、彼らが家を出ていくと蛇腹は縮む。日本、アメリカ、南欧、北欧で300人ものインタビューを実施し、グローバル化時代の家族の生存戦略を考察した労作。
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2013/11/23
- 寸法13.5 x 3 x 19.5 cm
- ISBN-104000259261
- ISBN-13978-4000259262
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商品の説明
著者について
キャサリン・S. ニューマン(Katherine S. Newman)
カリフォルニア大学バークレー校,プリンストン大学等を経て,現在,ジョンズ・ホプキンス大学教授.専攻は社会学,社会階層論.アメリカにおける貧困とワーキング・プア研究の第一人者.Declining Fortunes,Basic Books,1993; Taxing the Poor,Univ. of California Press,2011(共著)のほか著書多数.
萩原久美子(はぎわら くみこ)
全国紙記者,東京大学社会科学研究所特任助教等を経て,現在,下関市立大学経済学部教授.専攻は労働社会学,社会政策のジェンダー分析.著作に『迷走する両立支援』(太郎次郎社エディタス,2006 年),『復興を取り戻す』(共編,岩波書店,2013 年),『民主党政権 失敗の検証』(共著,中公新書,2013 年)など.
桑島 薫(くわじま かおる)
シカゴ大学大学院社会学研究科修士課程修了,現在,東京大学大学院総合文化研究科学術研究員.専攻は文化人類学.博士(学術).著作に「プロセスとしての「自己決定」」(『超域文化科学紀要』第16号,2011年),『共在の論理と倫理』(共著,はる書房,2012 年),『婦人保護施設と売春・貧困・DV 問題』(共著,明石書店,2013 年)など.
カリフォルニア大学バークレー校,プリンストン大学等を経て,現在,ジョンズ・ホプキンス大学教授.専攻は社会学,社会階層論.アメリカにおける貧困とワーキング・プア研究の第一人者.Declining Fortunes,Basic Books,1993; Taxing the Poor,Univ. of California Press,2011(共著)のほか著書多数.
萩原久美子(はぎわら くみこ)
全国紙記者,東京大学社会科学研究所特任助教等を経て,現在,下関市立大学経済学部教授.専攻は労働社会学,社会政策のジェンダー分析.著作に『迷走する両立支援』(太郎次郎社エディタス,2006 年),『復興を取り戻す』(共編,岩波書店,2013 年),『民主党政権 失敗の検証』(共著,中公新書,2013 年)など.
桑島 薫(くわじま かおる)
シカゴ大学大学院社会学研究科修士課程修了,現在,東京大学大学院総合文化研究科学術研究員.専攻は文化人類学.博士(学術).著作に「プロセスとしての「自己決定」」(『超域文化科学紀要』第16号,2011年),『共在の論理と倫理』(共著,はる書房,2012 年),『婦人保護施設と売春・貧困・DV 問題』(共著,明石書店,2013 年)など.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2013/11/23)
- 発売日 : 2013/11/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 344ページ
- ISBN-10 : 4000259261
- ISBN-13 : 978-4000259262
- 寸法 : 13.5 x 3 x 19.5 cm
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- - 7,334位社会一般関連書籍
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