日本人による複雑系理論に基づく社会科学領域の考え方を提起しています。
脳内現象に始まって、コミュニケーションのあり方、社会のあり方、戦争、市場に至るまで、
とかく断片化されがちで、イデオロギーありがちな社会科学の世界に対して、
複雑系理論によって中立的かつ一貫した説明をしています。
これからの生き方を考えるうえで、また世の中の見方を養ううえで、
この理論は非常に力があるといえます。
最も重要なメッセージは、
一人ひとりが自分だけでなく他者も含めて学習を促すことで世の中がより豊かになる、ということです。
最近話題になっているものについても、冷静に論じています。
コミュニケーションが人を豊かにする反面、ハラスメントは不可避であり、
不可避を前提として対処することが重要である。
市場拡大=共同体破壊という論調は、短絡的な二極化であり、
ここからは何も豊かなものは生まれない。
東大経済学教授が短絡化の原因だそうです。
2008/3/10読了
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複雑さを生きる: やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく) 単行本 – 2006/2/22
安冨 歩
(著)
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2006/2/22
- ISBN-104000263501
- ISBN-13978-4000263504
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2006/2/22)
- 発売日 : 2006/2/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4000263501
- ISBN-13 : 978-4000263504
- Amazon 売れ筋ランキング: - 448,570位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,298位社会一般関連書籍
- - 8,366位社会学概論
- - 45,646位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自省の意味を込めて隘路に入り込んでいる読者、これから読者になろうとしている方、読んでみたらいかがでしょうか。各々の中からしか結局は引き出せないのが人生。著者が歩んでいる思想の経路、市井の人には中々歩めません。森嶋博士の教えを受けた方ですから、是非ご一読を。当方の平凡な頭に、暗黙知の誤用を教えてくれた著者に感謝。だからといって、暗黙知とは何かまではわかりません。語りえぬものに近づく人生態度こそが大切なのでしょう。貨幣の複雑性、共同体に関する考察、コミュニケーションの説明、大学なる業界にいない私にも、わずかながらとっかかりを与えてくれた著者に感謝です。森嶋教授も大学人以外の世界にもコミュニケーションする言語をお持ちでした。更なる一般向けの著作をお出しになることを希望します。
2021年6月27日に日本でレビュー済み
購入はできず、図書館で取り寄せていただき読むことができました。
心システムで生きてきた私には、納得できる部分も多く、著者の伝えたいことを受け取れているかはわかることはできないですが、自分なりに理解はできたつもりです。
この世の生き辛さは、心システムを失った、自分の痛みと向き合えないエリートが構築している複雑化した社会システムが作り出しているもので、社会全体に心システムを見失ったハラスメントが横行しているということ。
計画的に物事を進めようとしても、目に見えるもの、目に見えないものが複雑に混ざりこんでいるため予想もしなかった問題が起きるのは当然のことなのに、問題が起きたことを計画の不備だと思い込むことで、さらに複雑化していく。
どこに問題があったのか?目に見える部分だけで対処した結果、客観的に見たら矛盾していることも、当の本人たちはその矛盾にも気が付くことなく、いわゆる東大話法を用いてねじ伏せようとする。責任を取っているように見せかけて、全く責任を感じていないという状態。
自分の感情や感覚を見失った人は、矛盾をも真に受け振り回され、それに対応できない自分が悪いと罪悪感を持ち精神が病んでゆく・・・・・。
このハラスメントを断ち切るには、一人一人が自分の感情や感覚を見ることをしない、見たとしても信じないことで起きている心の不安と向き合い、なぜ自分を見失ってしまったのかを探り、自分に起こった問題点を知る必要がある。
そして、どのような変化(トラブル)が起きたとしても、すぐに対応できるように、計画制御を廃止し、やわらかな制御を心がけるようにしておくことが大切。
私はこういったことだと理解しました。
とても深い内容なので、ぜひ手元に置いておきたいと思うのですが、お値段が・・・・。
私個人的には、学校を使った教育システムがハラスメントの元凶だと考えているので、点数や(大人の都合に)良い子度を見るようなことはやめて、人間としての心の豊かさを広げ、人間本来持っている学問の追求の歓びをさせてくれる社会へと革命していきたいです!
安冨あゆみさんの学問を使った生き辛さシステムの追求、研究結果、とても読みごたえがありました。
この本との出会いに心から感謝いたします。
心システムで生きてきた私には、納得できる部分も多く、著者の伝えたいことを受け取れているかはわかることはできないですが、自分なりに理解はできたつもりです。
この世の生き辛さは、心システムを失った、自分の痛みと向き合えないエリートが構築している複雑化した社会システムが作り出しているもので、社会全体に心システムを見失ったハラスメントが横行しているということ。
計画的に物事を進めようとしても、目に見えるもの、目に見えないものが複雑に混ざりこんでいるため予想もしなかった問題が起きるのは当然のことなのに、問題が起きたことを計画の不備だと思い込むことで、さらに複雑化していく。
どこに問題があったのか?目に見える部分だけで対処した結果、客観的に見たら矛盾していることも、当の本人たちはその矛盾にも気が付くことなく、いわゆる東大話法を用いてねじ伏せようとする。責任を取っているように見せかけて、全く責任を感じていないという状態。
自分の感情や感覚を見失った人は、矛盾をも真に受け振り回され、それに対応できない自分が悪いと罪悪感を持ち精神が病んでゆく・・・・・。
このハラスメントを断ち切るには、一人一人が自分の感情や感覚を見ることをしない、見たとしても信じないことで起きている心の不安と向き合い、なぜ自分を見失ってしまったのかを探り、自分に起こった問題点を知る必要がある。
そして、どのような変化(トラブル)が起きたとしても、すぐに対応できるように、計画制御を廃止し、やわらかな制御を心がけるようにしておくことが大切。
私はこういったことだと理解しました。
とても深い内容なので、ぜひ手元に置いておきたいと思うのですが、お値段が・・・・。
私個人的には、学校を使った教育システムがハラスメントの元凶だと考えているので、点数や(大人の都合に)良い子度を見るようなことはやめて、人間としての心の豊かさを広げ、人間本来持っている学問の追求の歓びをさせてくれる社会へと革命していきたいです!
安冨あゆみさんの学問を使った生き辛さシステムの追求、研究結果、とても読みごたえがありました。
この本との出会いに心から感謝いたします。
2020年8月14日に日本でレビュー済み
硬直した組織や考え方は良くない。ハラスメントを生む。近代化から取りこぼされたものに目を向けるものがある。特に今後複雑さを増して行く世の中を生き抜いて、より良い世の中にして行くにはそれが必要。大きな歴史の流れで考えると、現在成功しているものが最終勝者ではないよ。中国社会と日本社会を見ればわかる。近代化を全て良しとするわけでは無いけれど、アジア的なものが全て良いわけではない。色々な古典も読み方によって価値がある。いずれにしろ、同調圧力に屈し、異質なものを排除して行くようでは先がないと言うことか。また読みたい。
2007年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
組織の運営における役割と責任を明確にし、動きを監視して統制する「計画制御」による方法。不都合が生じれば原因を不透明な組織運営や不明確な責任に求める。運営を透明に、責任を明確にし、厳格なルールにもとづいた経営管理を徹底しようとする。近年多発する企業や官庁の不祥事における対策のほとんどは「計画制御」に基づいている。
ところが、この方法は幾何級数的に仕事を増やし、無意味な事務を爆発的に増加させる。しかも現場担当者を萎縮させ、自己保身に走らせるプレッシャーを与えてしまう。改革が頓挫する典型的なパターンだ。
ダイナミックに複雑な組織の世界では、この「計画制御」のフレームワークは原理的に成り立たない、と著者は大胆に明言する。PDCAなどの計画制御を改善すべきなのではない、計画制御のフレームワークそのものを破棄すべきだと言う。
著者が代わりに提示するのは「やわらかい制御」に基づいた「共生的価値創出」という方法である。調査、計画、実行、評価のサイクルではない。既にある物事を把握し、つなぎ、活発な流れを作り出す。そして、そのために必要な暗黙の力は人間の心身に必ず備わっているという。
社会的コミュニケーションの動的理解に基づいた画期的な論考である。
ところが、この方法は幾何級数的に仕事を増やし、無意味な事務を爆発的に増加させる。しかも現場担当者を萎縮させ、自己保身に走らせるプレッシャーを与えてしまう。改革が頓挫する典型的なパターンだ。
ダイナミックに複雑な組織の世界では、この「計画制御」のフレームワークは原理的に成り立たない、と著者は大胆に明言する。PDCAなどの計画制御を改善すべきなのではない、計画制御のフレームワークそのものを破棄すべきだと言う。
著者が代わりに提示するのは「やわらかい制御」に基づいた「共生的価値創出」という方法である。調査、計画、実行、評価のサイクルではない。既にある物事を把握し、つなぎ、活発な流れを作り出す。そして、そのために必要な暗黙の力は人間の心身に必ず備わっているという。
社会的コミュニケーションの動的理解に基づいた画期的な論考である。
2007年7月2日に日本でレビュー済み
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実態の掴みづらい現代社会の根源を複雑系科学の立場から読み解く良書。知的好奇心も刺激されて大変面白い。
現代社会の根源悪は規範、法律、体裁といった固定概念が目的となることによる個々人の形骸化にある。そうした社会では、人々は自分の感覚を裏切り、他者に対する思いやりを失い、他人を支配しようとするハラスメントを蔓延させていく。
この社会悪を封じるためには本書の主題である”やわらかな制御”が有効であると主張している。つまり、元来社会は人と人との相互作用で初めて実体化するものであり常に流動的であるはず。豊かな社会の創造に向け、常に人々は流動的である不安に向き合い、コミュニケーションを通じ学習し続けなくてはならない。
とても共感できる。具体化するためには”ルール”を使うのは本末転倒だし、結局一人一人の内発的価値観の変化を地道に期待するしかないのだろう。
現代社会の根源悪は規範、法律、体裁といった固定概念が目的となることによる個々人の形骸化にある。そうした社会では、人々は自分の感覚を裏切り、他者に対する思いやりを失い、他人を支配しようとするハラスメントを蔓延させていく。
この社会悪を封じるためには本書の主題である”やわらかな制御”が有効であると主張している。つまり、元来社会は人と人との相互作用で初めて実体化するものであり常に流動的であるはず。豊かな社会の創造に向け、常に人々は流動的である不安に向き合い、コミュニケーションを通じ学習し続けなくてはならない。
とても共感できる。具体化するためには”ルール”を使うのは本末転倒だし、結局一人一人の内発的価値観の変化を地道に期待するしかないのだろう。
2008年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
複雑系研究の成果を使って様々な現象を解釈する本であると期待すると失望するだろう。誤解をおそれず言えば、著者個人の荒削りな現実解釈に過ぎない。ネタ本が精神分析であったり、カオスであったり、バザール論であったり。ハラスメントと戦う方法が、自己の学習過程を鍛えることだ(P94)などと言われても、この主張を理解できる人ならそもそもハラスメントの餌食にはならないだろうと苦笑してしまう。「やわらかな市場」では、新古典派経済学の無味乾燥な市場論を乗り越える内容を期待したのに、共同体と市場の二項対立を乗り越えるなんていう陳腐な内容は、市場も組織であると論じた新古典派の巨匠K.J.アローの足もとにも及ばない。同じ著者による「貨幣の複雑性」が面白く期待が大きかっただけに、本書の内容の貧しさが一層目立った。本書の殆どのコンセプトはもっと平易な日常の言葉で置き換えることができるだろう。
2016年7月7日に日本でレビュー済み
この本を読むには少し気合いが必要でしたが、読み終えた時、職場で頻発しているパワハラと対決する勇気をいただきました。
なぜ日本でパワハラに法規制がかからないのかを考えてみました。欧州では職場でパワハラを行った者には法的に刑事罰が科せられる国家もあるようです。仮にパワハラシステムと呼ぶことにすると、このシステムは、まったく新しいものではなく、昭和20年8月15日まで、つまり戦前において、大日本帝国が軍国主義・全体主義かつ恐怖政治の中で人心統治するシステムとして、最も効果があり強力、かつ容易で急速に国民をコントロールできるシステムということである、ということを現・権力や財界が知り尽くしているからではないかと思います。
今度の参院選(2016年7月10日投票)の結果次第では、戦後70年平和であり続けた日本国の歴史に逆行する、戦前の国家体制に戻ろうとする政治勢力や財界により、大きく舵が切られる可能性があります。権力側に非常に都合の良いパワハラシステムに、わざわざ明確な定義づけをして、法規制の網を被せることは、何の得にもなりません。このシステムを国民に広く知られてはマズイと考えているのではないでしょうか。
政府や厚労省のHPを見ても「パワハラのことは一応問題視していますよ」程度のことしか公開されておらず、「定義が難しい。どこまでがパワハラで、どこまでが指導なのかの区別も難しい」などと言っています。パワハラの被害に遭って苦しんでいる多数のブラック企業などで働く莫大な労働者の苦痛を完全に無視している状況です。パワハラで精神疾患を発症した場合でも労災認定されるためには自殺に至った上に、普通の労災申請ではなく民事訴訟などで企業と争って、ようやく認定が得られる位の闘いが必要です。泣き寝入りしている人の数は計り知れないと思われます。
安富 歩氏の「複雑さを生きる」は、一般的な読者には内容が難しいと思います。内容が少し易しい廉価の新書「ハラスメントは連鎖する」も発刊(絶版)されましたが、これもまだちょっと難しい。
パワハラシステムを利用して人心統治してきた各国の歴史や国家体制、現状の隣国(北朝鮮など)の実態なども紹介しながら、このシステムの怖ろしさについて、多くの国民でも若干頭をひねれば理解できる程度の普及版を、今のこの危険な時代にこそ、激しく警鐘を鳴らす意味で、安富氏に執筆、出版していただけないかな、と刹那に願う者です。
なぜ日本でパワハラに法規制がかからないのかを考えてみました。欧州では職場でパワハラを行った者には法的に刑事罰が科せられる国家もあるようです。仮にパワハラシステムと呼ぶことにすると、このシステムは、まったく新しいものではなく、昭和20年8月15日まで、つまり戦前において、大日本帝国が軍国主義・全体主義かつ恐怖政治の中で人心統治するシステムとして、最も効果があり強力、かつ容易で急速に国民をコントロールできるシステムということである、ということを現・権力や財界が知り尽くしているからではないかと思います。
今度の参院選(2016年7月10日投票)の結果次第では、戦後70年平和であり続けた日本国の歴史に逆行する、戦前の国家体制に戻ろうとする政治勢力や財界により、大きく舵が切られる可能性があります。権力側に非常に都合の良いパワハラシステムに、わざわざ明確な定義づけをして、法規制の網を被せることは、何の得にもなりません。このシステムを国民に広く知られてはマズイと考えているのではないでしょうか。
政府や厚労省のHPを見ても「パワハラのことは一応問題視していますよ」程度のことしか公開されておらず、「定義が難しい。どこまでがパワハラで、どこまでが指導なのかの区別も難しい」などと言っています。パワハラの被害に遭って苦しんでいる多数のブラック企業などで働く莫大な労働者の苦痛を完全に無視している状況です。パワハラで精神疾患を発症した場合でも労災認定されるためには自殺に至った上に、普通の労災申請ではなく民事訴訟などで企業と争って、ようやく認定が得られる位の闘いが必要です。泣き寝入りしている人の数は計り知れないと思われます。
安富 歩氏の「複雑さを生きる」は、一般的な読者には内容が難しいと思います。内容が少し易しい廉価の新書「ハラスメントは連鎖する」も発刊(絶版)されましたが、これもまだちょっと難しい。
パワハラシステムを利用して人心統治してきた各国の歴史や国家体制、現状の隣国(北朝鮮など)の実態なども紹介しながら、このシステムの怖ろしさについて、多くの国民でも若干頭をひねれば理解できる程度の普及版を、今のこの危険な時代にこそ、激しく警鐘を鳴らす意味で、安富氏に執筆、出版していただけないかな、と刹那に願う者です。