セクシュアリティ理論といえばジュディス・バトラーとイヴ・K・セジウィックが有名だが、
本書はこの二人についても言及しつつも、やや独自なルートを模索している。
小さい書物ながら、セクシュアリティ理論についての国内書としては、
バトラー、セジウィック、クリステヴァ、スピヴァクらのフェミニスト理論家を中心に論じた
竹村和子の主著「愛について」と並んで、おそらく最高のできばえだ。
充実した参考文献案内では、レオ・ベルサーニ、スタンリー・カヴェルらの主張がわかりやすく要約されており、
セクシュアリティの理論についてこれから学ぼうという人は目を通しておく価値がある。
あとがきで著者も認めているようにジェンダーについての社会学的アプローチの紹介やフェミニズムについての
思想史的解説は手薄(というか無いに等しい)だが、その方面では同じく「思考のフロンティア」シリーズで
竹村和子が執筆している『フェミニズム』や、千田由紀の『女性学/男性学』、江原由美子・金井淑子編による
『フェミニズム(ワードマップ)』などの読みやすい入門書が利用できるので目くじらをたてるようなことではないだろう。
これまでに現代思想や精神分析の本を読んだことのない人はややハードルが高いように感じるかもしれないが、
実はそれほど前提知識を要求する文章ではないと思う。決して難解な本ではないので、ぜひ挑戦してみてほしい。
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ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア) 単行本 – 2000/9/21
田崎 英明
(著)
ジェンダー/セクシュアリティとは,私たちの生の,いかなる局面への名付けなのだろうか.それはどのような装置のもとで稼働し,なにを私たちの生にもたらしただろうか.こうした問題をミシェル・フーコーの『性の歴史』を糸口にして,「生の政治化」という視角から捉え直し,それが可能にする新しい自己の在り方を考える.
- 本の長さ125ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2000/9/21
- ISBN-104000264338
- ISBN-13978-4000264334
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2000/9/21)
- 発売日 : 2000/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 125ページ
- ISBN-10 : 4000264338
- ISBN-13 : 978-4000264334
- Amazon 売れ筋ランキング: - 71,205位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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