ローマ帝国で「辺境」だったブリテン島に着目して、支配地の
「ローマ化」などの問題を考察という、聞いたことも無いテーマの
歴史書です。しかし決して奇抜さや突飛さはなく、史料と研究史を
じっくり踏まえた、極めてまっとうな内容です。
小説やビジネス書など、歴史を扱った本は巷に溢れていますが、
それらに比べるとこの本のような歴史書は地味です。
しかし、そんなことなどどこ吹く風で、書物の山の中で額に汗かき、
歴史に対する真摯な姿勢を貫いて研究する筆者の姿が目に浮かぶような
力作です。それは、この本の後半に現れる綿密な研究成果を読めば、
分かると思います。
しかし、文章は専門書に比べると平易で、細かい注釈なども排されて
おり、読みやすくなっています。
歡?史の勉強を志す人は是非一読してみましょう。
もちろん、ローマ史を志す人は必読です。
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海のかなたのローマ帝国: 古代ローマとブリテン島 (世界歴史選書) 単行本 – 2003/5/28
南川 高志
(著)
ローマ帝国の最北端ブリテン島.ハドリアヌスの長城や浴場跡など古代ローマ遺跡は多く,木版文書も出土している.これら遺構や遺物は何を物語るのか.地中海帝国ローマはなぜもう1つの海を越えたのか.文献,考古史料,ケルト,さらにローマと大英帝国,2つの世界帝国の自他認識をも問い直し,この北辺の島に現れた帝国ローマの意味に迫る.
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/5/28
- ISBN-104000268457
- ISBN-13978-4000268455
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/5/28)
- 発売日 : 2003/5/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 243ページ
- ISBN-10 : 4000268457
- ISBN-13 : 978-4000268455
- Amazon 売れ筋ランキング: - 460,103位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 153位古代ローマ史
- - 1,195位ヨーロッパ史一般の本
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トップレビュー
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2006年5月10日に日本でレビュー済み
ローマ帝国を考える際、普通は我々の視点はイタリア、あるいは当時繁栄していた地中海沿岸の属州を立ち位置にして考えることが多い。もちろんそこが史料がゆたかだからである。だが、"帝国"としてのローマ世界を考えるにはそれにはもちろん不十分である。辺境ーそこは普段は姿を現さない巨大な官僚組織、ローマ軍が存在する。本書は辺境の統治機構である軍隊とそれとかかわった人々の姿を考古学史料と文献を縦横に駆使しながらよみがえらせる。
クラウディウス帝のブリタニア進攻前後の状況、隸屬国の女王を記した帝国中枢の歴史家そして辺境の要塞の指揮官と兵たち...彼らの姿を追ううちにおのずと帝国の鏡としての>辺境が浮かびあがってくるだろう。
なお、本書を深く楽しむには、本文中にも触れられているサトクリフ著の「第九軍団のワシ」には目を通した方が良い。
クラウディウス帝のブリタニア進攻前後の状況、隸屬国の女王を記した帝国中枢の歴史家そして辺境の要塞の指揮官と兵たち...彼らの姿を追ううちにおのずと帝国の鏡としての>辺境が浮かびあがってくるだろう。
なお、本書を深く楽しむには、本文中にも触れられているサトクリフ著の「第九軍団のワシ」には目を通した方が良い。