A man gored by the knives of Sophiatown lying in the open gutters, a raisin in the smelling drains, dying of multiple stab wounds, gaping wells gushing forth blood; the look of shock and bewilderment, of horror and incredulity, on the face of the dying man."
Blame Me on History の引用を読んでいると単純に自爆テロを糾弾出来なくなる。
八木啓代『禁じられた歌―ビクトル・ハラはなぜ死んだか』(晶文社)の後書きを思い出した。「共産主義は終わったという主張は貧者の前では説得力を持たない」という言葉を。
絶対王政→市民革命→近代国家という枠組だけで歴史を捉え、ソ連邦の解体だけで社会主義が失敗したと観ることを疑わないというのは、果たしてどうなんだろう。ちょっと偏狭じゃないだろうか。単一に時間は流れ、違いは地域による時差だけ…ってことはない筈だ。
ただ圧政の中で蹂躙されることより、自爆テロという抗議を行うことを是とせざるを得ない情況だってあるのだろう。そこまで追い込まれた民は居るに違いないし、それに加担していないとも言い切れない中で、安全地帯から是非を問うのはペダンチック過ぎると僕は思う。
今、チュニジアで起きていることを、独裁政治に対する市民の勝利と捉えるだけでは零れ落ちるものあり過ぎる気がする。歴史は繰り返されるという思い込み、単一な歴史観だけで世界を了解可能という傲慢さを先ず僕自身が捨てなければならない。
Tsitsi Dangarembegaは、アイデンティティは、土着文化の上に植民地文化の教育が為されることで、引き裂かれるのだと書いていた。 実はインターネットや学校教育、経済原理により、同じことを僕も受けているのかも知れない、と思う。
バタイユは、資本主義国家は貨幣という手段を通じて、国家内部に均質な空間を作ろうとするため、異質なものを排除する、と論じた。資本主義国家は同質性を前提にしているため排除機能を持たない。だからファシズムに力を借りる、という。
情報化社会を具現化した、後期資本主義下、貨幣は情報になった。というか基本的には同じものだと思うけれど。 均質化された社会で流れる情報は、同質性を損ねないものばかりだろう。だから僕らはニュースより一枚の写真に、刻まれるビートに、indexにない色の組合せや比喩に政治を感じる。
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ポストコロニアリズム (〈1冊でわかる〉シリーズ) 単行本 – 2005/3/25
- 本の長さ251ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2005/3/25
- ISBN-104000268783
- ISBN-13978-4000268783
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2005/3/25)
- 発売日 : 2005/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 251ページ
- ISBN-10 : 4000268783
- ISBN-13 : 978-4000268783
- Amazon 売れ筋ランキング: - 529,893位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 96位イギリス・アメリカの思想
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2006年11月22日に日本でレビュー済み
本書の特徴的な点は、「下からのポストコロニアリズム」と著者自身が呼んでいるように、ポストコロニアリズムの思想家とその理論を紹介していくのではなく、現在に至るまで世界に存在する、なかなか可視化されることのない日常的光景を「モンタージュ」として次々と描き出していき、ポストコロニアリズムが何を問題としているかを紹介している点にある。
紹介されるエピソード等、とても衝撃的である。が、ある人々にとっては「日常」でしかないそれらの出来事にいちいち衝撃を感じてしまう(=つまり「新鮮味」を感じてしまう)ところにポストコロニアリズムにとっての最大の問題、グローバルなアパルトヘイトというべき問題があるのだろう。広く社会科学を専攻する者にとっても必要な視点である。自分がどんな立場から物を語っているか、自分の立ち位置や問題意識、主張を常に再検討させてくれる。
ただし、本書は、今まで可視化されてこなかったこういう問題がある、ということはよくわかるのだが、ポストコロニアリズムの入門書としては、やはり問題を発見するだけじゃなく、様々な論者がどう問題にアプローチしてきたかももっと盛り込んで欲しいところ。もちろん一冊の入門書で「上から」も「下から」もというわけにはいかないのは仕方がないのだが。サイードやスピヴァクといった思想家を取り上げている本橋哲也『ポストコロニアリズム』(岩波新書)とセットで読むといいのかもしれない。
紹介されるエピソード等、とても衝撃的である。が、ある人々にとっては「日常」でしかないそれらの出来事にいちいち衝撃を感じてしまう(=つまり「新鮮味」を感じてしまう)ところにポストコロニアリズムにとっての最大の問題、グローバルなアパルトヘイトというべき問題があるのだろう。広く社会科学を専攻する者にとっても必要な視点である。自分がどんな立場から物を語っているか、自分の立ち位置や問題意識、主張を常に再検討させてくれる。
ただし、本書は、今まで可視化されてこなかったこういう問題がある、ということはよくわかるのだが、ポストコロニアリズムの入門書としては、やはり問題を発見するだけじゃなく、様々な論者がどう問題にアプローチしてきたかももっと盛り込んで欲しいところ。もちろん一冊の入門書で「上から」も「下から」もというわけにはいかないのは仕方がないのだが。サイードやスピヴァクといった思想家を取り上げている本橋哲也『ポストコロニアリズム』(岩波新書)とセットで読むといいのかもしれない。