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一七世紀科学革命 (ヨーロッパ史入門) 単行本 – 2005/5/28

4.7 5つ星のうち4.7 8個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2005/5/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/5/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 235ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000270958
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000270953
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 8個の評価

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ジョン・ヘンリー
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年10月24日に日本でレビュー済み
本書は、科学革命を特に思想・世界観の観点から解き明かそうとする入門書である。

本書はまず科学革命の全史としてルネサンスの人文主義と宗教改革を取り上げる。
人文主義の重要性は、アリストテレス以外の哲学者(プラトン含む)の認知、それによる権威の不在の混乱と経験による真理探究への傾倒が挙げられている。
宗教改革は一見関係なさそうだが、自ら聖書を読んで考え、全信徒が司祭であるという考え方は、そのまま経験主義・実験重視へとつながっていく。

科学革命を理解するうえで、数学の地位向上は重要な側面である。(数学の地位は、航海や測量、戦争(大砲などで軌道計算が必要)などとともに次第に向上していく)
コペルニクスは自身の体系を、観察や常識との不整合にもかかわらず「数学的推論から要請される以上」それが真理だと考えるという大胆な一歩を踏み出している。
数学と実験を併用する方法は当時からいろいろと既になされていたが、ガリレオは特にそれを自信をもって公表している。彼の運動理論は、アリストテレスと異なり「運動の原因」はなくても運動は続くとされている。
ただし、ベイコンが数学を軽視していたように、経験主義には数学的伝統とは異なる系譜(職人の伝統、新パラケルスス主義、錬金術、魔術など)もあることには注意が必要である。

本書では、イギリスと大陸の違いがしばしば指摘される。
例えばイギリスでは、ボイルは空気ポンプの弾性力の説明において、特に原因を論ぜずに観察事実をありのままで記述する姿勢をとる。これはデカルトやパスカルのように、自らの理論の枠組に合うように実験を説明する姿勢とは対照的である。
重力や磁力などの「隠された性質」について、イギリスでは実験してその表れを確認しようとするが、大陸ではその原因を理論化しようとする。
神の考え方も、大陸は主知主義で「神も従うしかない善の法則」があると考え、ゆえに理論を先行させ、ときに「物体はすべて受動的」ということはアプリオリに「分かる」ものとされる。一方イギリスは主意主義で「神の恣意が働いて作られたのがこの世界」と考えるがゆえに、実験してみないとどのような神の恣意が働いたかは分からないと考えて実験する。

世界観、世界認識や考え方を軸にして、うまく科学革命を概説してくれている入門書だと思う。
類書の
科学革命 と比べても、宗教の細かな部分、とくにイギリスと大陸の違いなどにまで踏み込んで、どういう認識枠組が科学革命の進展に効いていたかを考察する面が強いと思う。
「珍奇の部屋」などの世界各地の自然誌収集は、神の英知が作り出した世界をよく知るため、という宗教的動機がある、ニュートンが虹を七色としたのは、音の一オクターブ七音や、その他の理由による数字7への数秘術的関心からだという話など、宗教や魔術の影響の色濃さも随所で指摘されている。
科学革命を知りたい人向けの最初の一冊におススメできる。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年7月24日に日本でレビュー済み
科学の歴史を紐解くと、ある時期を界に本質的変革を遂げている事に気付く。しかしいったい何故なのだろうか?
本書はこのような疑問に科学革命と言う見地から一つの回答を与えようとしている。
科学革命と言うとクーンの本が有名であるが、クーンの本と比べると本書の方が広く浅い。掘り下げはクーンには及ばないが、
本書は「ヨーロッパ史入門」の一書らしく広くヨーロッパ史に目を配って書かれている。そして何より翻訳が読みやすく、
クーンの翻訳と対照的である。
「そうだったのか!」と驚きをもって教えられたり、また「こうではないかな?」と想像しいていた事の正しさ、
間違いを教えられました。
科学が嫌いであった人にも、十分楽しめる本と思います。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 やはりなんといっても魔術と科学との関連が面白い。錬金術が化学の基礎となったという話は有名ですが、ニュートンやケプラーといった当時の一流の科学者ですら強い影響下にいたということは初めて知り驚きました。まあ、しかしそれは17世紀のエピステーメからは自由になれなかったというだけのことかもしれませんが。あと、時代的にキリスト教との関係は、ヨーロッパではあらゆる分野で関係してくるものなので、やはり科学もキリスト教がどっぷり関わってきます。西洋史や西洋哲学の本を読んでいると、西洋史は半分くらいはキリスト教史なのではないかと思われるほどで、本書を読むと一流の科学者たちの苦悩がよくわかります。
 さて、本書はヨーロッパ史入門というシリーズの入門書で、初学者に向けて書かれたものです。しかし、第5章の機械論哲学はやや難しく、基礎的な知識がないと少し理解しにくいかもしれません。とはいっても、私自身はデカルトの入門書を数冊読んだ程度なので、初学者に理解不能な内容というわけではありません。デカルトの機械論を含む全体については、『デカルト入門』(ちくま新書)が基本的な事柄を網羅していて、かつ分かりやすいので便利です。あと、デカルトの科学者としての一面は、『デカルト』(岩波新書)でやや詳しく解説されています。本書を読んでわかりにくいと感じたら、副読本として手に取ってみてください。
 
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年8月4日に日本でレビュー済み
 これも刺激的な一冊です。
 初期近代に「科学」は存在しなかった、という文から始まり、
 科学者の多くが魔術に夢中になっていたことや
 また無神論のレッテルを貼られるのを殊更恐れたことなど
 我々が普通思い描く「科学」なるものの知られざる形成過程が分かります。
 
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート