小さいころから、図書館で何度も借りて読んできた作品です。
主人公はあくまで普通の少女二人なのですが、
彼女たちが目にする魔女や妖精は、ぞくりとするような存在感と迫力をもって描写されています。
昨今のゲームやライトファンタジーでお目にかかれるような、
きらきらとした可愛らしい、あるいは美しいだけの妖精はここにはいません。
善き悪しきにかかわらず、人間とは違った世界で生きているものたちを、筆者は活き活きと描いています。
その境界に生きる魔女の姿もまた、妖しくも力強く、生々しい存在感で物語に深みを与えているようです。
主役の少女たちや、彼女たちを取り巻く普通の人間たちも魅力的です
特に、魔女と戦いながら義妹を守り続けるケイトの姿が胸を打ちました。
さりげなく織り込まれた、スコットランド･イギリスの習俗も見所のひとつだと思います。
1600年代半ば、激動の時代にあるスコットランドで、
人々の日常の中に魔法や妖精が息づくさまが、鮮やかに描き出されている秀作です。
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