誰もが一度は考える家出を、実行して最後まで成し遂げる子供の勇気と、その奇想天外なのに現実感のあるストーリーがとても面白かった。
別の本の中から見つけた一冊だったが、確かに読んで得した気分になった。逞しい子供と周囲の悲観的悲劇的にならない大人達が、日本の親とは違うかな?とも感じた。
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クローディアの秘密 (岩波少年文庫 50) 単行本 – 2000/6/16
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少女クローディアは,弟をさそって家出をします.ゆくさきはニューヨークのメトロポリタン美術館.2人は,ミケランジェロ作とされる天使の像にひきつけられ,その謎を解こうとします.
- 本の長さ242ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2000/6/16
- ISBN-104001140500
- ISBN-13978-4001140507
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商品の説明
商品説明
クローディアは退屈だった。何か変わったことがしてみたい。でもダサいのはいや。家出することにしたクローディアは、一定の目標を持って計画を立てる。それは、快適で、今までとまったく違っていて、家のように気楽でいられるところへ行くこと。クローディアは慎重にパートナー(弟)を指名し、行き先(メトロポリタン美術館)を選んだ。でも、冒険に不測の事態はつきもの。すぐに、クローディアと弟のジェイミーは、専門家でも解けないような美術品にまつわるミステリーに巻きこまれることに。しかし、この謎を解くことができれば、クローディア自身が求める答えが見つかるかもしれない。
ユニークなストーリー、読者の心をつかんで離さない文体、独特な線画で定評のあるカニングズバーグの作品。ニューベリー賞受賞作の本書も、読者に本を置かせるすきを与えない。一角の人間になりたいというクローディアの願いと、その願いをかなえるために自分探しに出る物語は、特に思春期の入口にいて本当の自分を探し求めようとする子どもたちにとって、共感するところが多いはず。(9~12才向け)
内容(「MARC」データベースより)
少女クローディアは、弟を誘って家出をします。行く先は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。そこでこっそり生活するうちに、二人はミケランジェロ作とされる天使の像に惹かれ…。75年刊の新版。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2000/6/16)
- 発売日 : 2000/6/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 242ページ
- ISBN-10 : 4001140500
- ISBN-13 : 978-4001140507
- Amazon 売れ筋ランキング: - 108,771位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年9月6日に日本でレビュー済み
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2024年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代に読んだ事のある本だったのですが、タイトルを忘れる事なく、また読み返したい!となり購入に至りました。
舞台となっているメトロポリタン美術館に一度、足を運んでみたくなる本です。
舞台となっているメトロポリタン美術館に一度、足を運んでみたくなる本です。
2020年8月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子どもの頃にハマって大好きだった児童文学。久しぶりに読みたくなったのですが、図書館にもまだ行けず、本屋さんにも置いていないのでこちらで購入しました。じっくり読みたいと思います。
2018年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語として大変面白いし、残りの所持金や、展示室の配置や部屋について細かく書かれているのがとても良い。
子供がメトロポリタン美術館に行っているので、見た展示物がでてくるので喜んだ。
私はメトロポリタンミュージアムの歌の元ネタだと聞いてこちらを買いました。
ずっとバイオリンのケースとトランペットのケースを二つ持ちは正直重たくてきついと思っていたので、姉弟2人で行ったのがわかってなるほどねと思いました。
童心にかえることが出来た読書時間でした。挿絵もとてもいいです。
子供がメトロポリタン美術館に行っているので、見た展示物がでてくるので喜んだ。
私はメトロポリタンミュージアムの歌の元ネタだと聞いてこちらを買いました。
ずっとバイオリンのケースとトランペットのケースを二つ持ちは正直重たくてきついと思っていたので、姉弟2人で行ったのがわかってなるほどねと思いました。
童心にかえることが出来た読書時間でした。挿絵もとてもいいです。
2015年11月1日に日本でレビュー済み
METに隠れて家出するという発想は面白いのですが、話の筋は至って普通です。
児童文学らしいメッセージ性だったり、テーマというのは、なるほどなと思わせるものがあります。
ただ、「児童文学史に残る傑作」みたいに言う人がいますが、もちろん好き嫌いがあるので言いづらいのですが、私は「それはない」と思います。
児童文学らしいメッセージ性だったり、テーマというのは、なるほどなと思わせるものがあります。
ただ、「児童文学史に残る傑作」みたいに言う人がいますが、もちろん好き嫌いがあるので言いづらいのですが、私は「それはない」と思います。
2019年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大人が読んでも面白い。物を通して人との繋がりに展開していくのも面白い。博物館や美術館に行ってみたくなる一冊。
2021年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
【※ネタバレあり】
ナイトミュージアムのように夜の博物館で不思議なことが起こるのかと思いきやそういうわけではなく、あくまで現実的であった点はおもしろかったです。
ただ、姉クローディアがコツコツ貯めてる弟ジェイミーの貯金に目をつけ、めちゃくちゃおごってもらってるのに当然のような顔をして偉そうにしたり、やたらタクシーやバスに乗りたがったりするのは共感できません…。ジェイミーが自分の貯金を守ろうとするのは当たり前では?
またジェイミーの愛嬌たっぷりのキャラのおかげで読み進めることができたという感じでした。
それと、日本人からすれば、トランプでズルすることは神に懺悔すべきだけど、人々が噴水に投げたコインを盗むことはOK!っていうのが理解できませんでした…。
神社のお賽銭文化があるからでしょうか。
また、日本だとなぜ家出をしたのか、つまり「親との確執と和解」がもう少し丁寧に描かれると思うのですが、そのへん特にでてこないのは日米の感覚の違いが出ていて面白かったです。
「ぼろっちい」は「めんどくさい」ぐらいの意味だと思います。が、ぼろ、の語感が必要な箇所が後々出てきたのでこのためにこの訳語にしたのかなと思いました。
色々書きましたが、ぜひ映像で見てみたいと思う不思議な魅力に満ちた作品でした。
ナイトミュージアムのように夜の博物館で不思議なことが起こるのかと思いきやそういうわけではなく、あくまで現実的であった点はおもしろかったです。
ただ、姉クローディアがコツコツ貯めてる弟ジェイミーの貯金に目をつけ、めちゃくちゃおごってもらってるのに当然のような顔をして偉そうにしたり、やたらタクシーやバスに乗りたがったりするのは共感できません…。ジェイミーが自分の貯金を守ろうとするのは当たり前では?
またジェイミーの愛嬌たっぷりのキャラのおかげで読み進めることができたという感じでした。
それと、日本人からすれば、トランプでズルすることは神に懺悔すべきだけど、人々が噴水に投げたコインを盗むことはOK!っていうのが理解できませんでした…。
神社のお賽銭文化があるからでしょうか。
また、日本だとなぜ家出をしたのか、つまり「親との確執と和解」がもう少し丁寧に描かれると思うのですが、そのへん特にでてこないのは日米の感覚の違いが出ていて面白かったです。
「ぼろっちい」は「めんどくさい」ぐらいの意味だと思います。が、ぼろ、の語感が必要な箇所が後々出てきたのでこのためにこの訳語にしたのかなと思いました。
色々書きましたが、ぜひ映像で見てみたいと思う不思議な魅力に満ちた作品でした。
2015年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
良質な児童書は大人にとっても読みごたえがあります。子どもたちを成長させる栄養は、おとなの心も育んでくれます。
「チームになったというのは、いい争いがやんだという意味ではありません。そうではなくて、いい争いも計画の一部となり、議論ではなく話し合いになったということです。外からみれば、いい争いはまえとちっともかわっていないと映るかもしれません」。
原書ではどういう単語が充てられているのでしょうか。「議論ではなく話し合いになった」は、じつは、「けんかではなく話し合いになった」という意味ではないでしょうか。議論とはまさに話し合いのことなのですから。見かけは「いい争い」のままのように見えても、平行線の口論がただ続いているのではなく、本来の姿の議論のように、二つの意見から始まって、それらが交換され、問われ、練られ、改鋳され、新しい何かが生まれるのです。そういう者同士に育って行きたいと願います。
「わたしはお金よりも秘密をもっているほうがいいのよ」。これはミケランジェロ作とされる彫刻を博物館に安く売った大金持ちの老婦人の言葉です。「秘密は安全だし、人をちがったものにするには大いに役立つのですよ。人の内側で力をもつわけね」。
たしかに、お金は危険だし、人を今のまま成長させてくれないかも知れません。秘密は人を育んでくれます。けれども、悪事の隠ぺいや自分のごまかしのことではありません。それは、たとえば、家出の計画や美術館にかくれて生活する方法を考え実行することです。
ぼくたちはどんな秘密を持てるでしょうか。思いついても、すぐに口に出したり、実行したりせずに、心の中で、じっくり思い巡らし、あたため、そして生み出していくすてきなことを見つけ出したいと思います。
「日によってはうんと勉強しなくちゃいけないわ。でも、日によってはもう内側にはいっているものをたっぷりふくらませて、何にでも触れさせるという日もなくちゃいけないわ。そしてからだの中で感じるのよ。ときにはゆっくり時間をかけて、そうなるのを待ってやらないと、いろんな知識がむやみに積み重なって、からだの中でガタガタさわぎだすでしょうよ」。
ゆっくり時間をかけて、たっぷりふくらませ、それをからだの中で感じる。秘密とは、まさに、いのちを宿し、育んで、生み出すことなのです。すぐにあからさまにせずに秘密として宿す、これが成長の条件なのです。
ところで、「精神通信」という語が出てきましたが、これは、telepathyのことでしょうか。自分たちが隠れている場所のまえでとまった足音の主にたいして「いけ、いけ、いけ」と念じるのですから。
「チームになったというのは、いい争いがやんだという意味ではありません。そうではなくて、いい争いも計画の一部となり、議論ではなく話し合いになったということです。外からみれば、いい争いはまえとちっともかわっていないと映るかもしれません」。
原書ではどういう単語が充てられているのでしょうか。「議論ではなく話し合いになった」は、じつは、「けんかではなく話し合いになった」という意味ではないでしょうか。議論とはまさに話し合いのことなのですから。見かけは「いい争い」のままのように見えても、平行線の口論がただ続いているのではなく、本来の姿の議論のように、二つの意見から始まって、それらが交換され、問われ、練られ、改鋳され、新しい何かが生まれるのです。そういう者同士に育って行きたいと願います。
「わたしはお金よりも秘密をもっているほうがいいのよ」。これはミケランジェロ作とされる彫刻を博物館に安く売った大金持ちの老婦人の言葉です。「秘密は安全だし、人をちがったものにするには大いに役立つのですよ。人の内側で力をもつわけね」。
たしかに、お金は危険だし、人を今のまま成長させてくれないかも知れません。秘密は人を育んでくれます。けれども、悪事の隠ぺいや自分のごまかしのことではありません。それは、たとえば、家出の計画や美術館にかくれて生活する方法を考え実行することです。
ぼくたちはどんな秘密を持てるでしょうか。思いついても、すぐに口に出したり、実行したりせずに、心の中で、じっくり思い巡らし、あたため、そして生み出していくすてきなことを見つけ出したいと思います。
「日によってはうんと勉強しなくちゃいけないわ。でも、日によってはもう内側にはいっているものをたっぷりふくらませて、何にでも触れさせるという日もなくちゃいけないわ。そしてからだの中で感じるのよ。ときにはゆっくり時間をかけて、そうなるのを待ってやらないと、いろんな知識がむやみに積み重なって、からだの中でガタガタさわぎだすでしょうよ」。
ゆっくり時間をかけて、たっぷりふくらませ、それをからだの中で感じる。秘密とは、まさに、いのちを宿し、育んで、生み出すことなのです。すぐにあからさまにせずに秘密として宿す、これが成長の条件なのです。
ところで、「精神通信」という語が出てきましたが、これは、telepathyのことでしょうか。自分たちが隠れている場所のまえでとまった足音の主にたいして「いけ、いけ、いけ」と念じるのですから。