ミヒャエル・エンデの『自由の牢獄』というやや大人向けのファンタジー短編がありますが、この『魔法の学校』はそれのやや子供向けという印象。
ミヒャエル・エンデらしい不思議な話が色々詰まってます。『自由の牢獄』では、それぞれの話に読者に結末を想像させる仕組みがありとても感銘を受けました。エンデ作品は読者にトリックを仕掛けて本を閉じた後でも不思議な感覚にしてくれる事があるんですが、そういう手法の物語も勿論入っています。
ただ、全てがそうだとは思いません。
色んな話があるので、その中には『これは完全に子供向けだなぁ』と感じる物語もあります。
10話の短編の中にアタリとハズレが混在し、その判断は恐らくあなたがどういう物語が好きなのかによって変わってくると思います。
そういう福袋のようなおもちゃ箱のような短編集だとおもいました。
私が好きな物語は『ニーゼルプリームとナーゼルキュス』です。夜中寝る前に2話読んで寝ようと思いましたが、その1話目にその物語を読んでしまい、その余韻と少しの不安感に物語を思い返して楽しんでしまうので、2話目に進めずこのレビューを描いてます。
面白い物語から、あまり合わない物語までありますが、その中に1つでも自分にどハマリする物語があり、それが例え1冊の内の10分の1話であったとしても、この本を読む価値はあると思います。
ミヒャエル・エンデという作家は単に面白い物語を作るのでは無く、それを読む読者を巻き込むのです。
『はてしない物語』では、実は本の世界は存在するんじゃないだろうかと錯覚させられ、『モモ』では時間への認識を改められ、『自由の牢獄』では自分の自由を奪っているのは自分なんだと理解させられました。
ミヒャエル・エンデの作品はどれも『物語の中』に不思議な世界があるのではなく、物語と読者の間に不思議な世界を生み出すから『素晴らしい小説家』と言われているのだと思います。
なのでこの本ですら、例え1話しか気に入る物語が無かったとしても、その1話にはあなたがまだ体験していない『物語と読者の間にある世界』が存在しています。
あなたにとって、その世界の扉を開く鍵は何なのかが解る本なのかもしれません。
私は寝る前に2話読もうと思いましたが、突然現れてしまった『物語と私の間にある世界』に面くらってしまった為、これで寝ようと思います。
夢と言うのは潜在意識の現れですので、今夜はこの世界に片足を突っ込んだまま、まぶたの裏に潜在意識がどんなモノを見せてくれるのか、それを楽しみつつ眠ろうと思います。
あなたにとっても、そういう事が起こると良いなと思います。
ミヒャエル・エンデは良いですよ。他にこういう小説家が居るなら教えて欲しいくらいです。
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魔法の学校: エンデのメルヒェン集 単行本 – 1996/11/15
魔法の学校を訪れた〈わたし〉は授業を見学することになった.こどもたちは,ものを空中に浮かせたり呼びよせたり,熱心に魔法を練習する.やがて〈わたし〉が帰る日が近づくと…未紹介の表題作の他,「はだかのサイ」「まほうのスープ」など全19編.エンデが世界のこどもたちに遺した最後の短編集.
- 本の長さ366ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1996/11/15
- ISBN-104001155435
- ISBN-13978-4001155433
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
魔法使いの国を訪れた〈わたし〉が、魔法の学校の授業を見学することになった表題作ほか、「オフェリアと影の一座」「モーニのすばらしい絵」など19編を収録。著者が世界の子どもたちに残した最後の短編集。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1996/11/15)
- 発売日 : 1996/11/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 366ページ
- ISBN-10 : 4001155435
- ISBN-13 : 978-4001155433
- Amazon 売れ筋ランキング: - 95,374位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 104位ドイツ文学 (本)
- - 10,978位絵本・児童書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1929‐95年。南ドイツ・ガルミッシュ生まれ。小説家。著書は各国で訳出され、幅広い年齢層に支持されている(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (ISBN-13: 978-4006021566 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー
1 星
説明不足
説明には書いてなかったシールが貼ってあったちゃんと中身確認してから値段をつけてほしい説明の部分では日焼けと書いてあったが付属の写真に乗っけてちゃんとわかるようにしてほしい色が違いすぎてこんなに酷いとは思わなかった
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月21日に日本でレビュー済み
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大変興味のあるものもありますが、あまり、興味のわかない部分もあります。一部、訳がこなれていない(意味不明な)部分があります。
2023年7月14日に日本でレビュー済み
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孫にプレゼントをしましたが、喜んでいたみたいです。多分面白かったのだろうと思います。
2020年12月28日に日本でレビュー済み
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初めてエンデのメルヘンを読んだが、「レンヒェンのひみつ」「サンタ・クルスへの長い旅」が出色。素晴らしい。何度も読んだ。
2024年1月18日に日本でレビュー済み
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実に様々なお話があって飽きませんが長編小説の方が好きだなって気づきました。でも時間のない時など忙しい時は短編の方が読みやすそうですよね。これからお仕事でまた本を読む余裕がなくなってしまいそうですが、お仕事始まったら「鏡の中の鏡」を読み返そうかなって思ったり。出来るか分かりませんが。欲しい本もあるので買っちゃったら先に読みたいし。この本もエンデの遊び心があるようでね。いいですね。私も本を書きたいので遊び心も大切にしたいと思います。発想力ありますよね~。私は子供の頃肝心なストーリーが思い浮かばなくってねzz読書と云ったら当時はキャラクター重視で呼んでいたからかなあ。漫画とかね~。でもこれから時間がお仕事に削られるのでねzz絵も描けないかもしれませんzzその分少しお金は出来るのでね。サイトのアイテム買って今より楽しめないかな~zz合成代作りたいので貯金しないとです。修理買い替え代もzzお金足りません。
2014年5月28日に日本でレビュー済み
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自分思った本ではなかつた残念だ。一応全部読みました又注文します
2013年4月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すでに絵本などとして出版された作品や、描き下ろし作品をまとめた短編集。19編収録。
長さや話の味わい、文章の雰囲気もさまざま。
1冊でいろいろ読めて楽しい。
「正しくいうと」「魔法の学校」「*トランキラ・トランペルロイ」「*カスペルとぼうや」「*レンヒェンのひみつ」「*いちばんのねがいごと」「*はだかのサイ」「きにしない、きにしない」「*ニーゼルプリームとナーゼルキュス」「*どうして?ねえ、どうして?」「モーニのすばらしい絵」「*魔法のスープ」「*テディベアとどうぶつたち」「*サンタ・クルスへの長い旅」「*おとなしいりゅうとうるさいちょう」「*森の賢者ヒダエモン」「*ねむれない夜」「*ゆめくい小人」「*オフェリアと影の一座」
*印の物はすでに単行本として刊行すみ
長さや話の味わい、文章の雰囲気もさまざま。
1冊でいろいろ読めて楽しい。
「正しくいうと」「魔法の学校」「*トランキラ・トランペルロイ」「*カスペルとぼうや」「*レンヒェンのひみつ」「*いちばんのねがいごと」「*はだかのサイ」「きにしない、きにしない」「*ニーゼルプリームとナーゼルキュス」「*どうして?ねえ、どうして?」「モーニのすばらしい絵」「*魔法のスープ」「*テディベアとどうぶつたち」「*サンタ・クルスへの長い旅」「*おとなしいりゅうとうるさいちょう」「*森の賢者ヒダエモン」「*ねむれない夜」「*ゆめくい小人」「*オフェリアと影の一座」
*印の物はすでに単行本として刊行すみ