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ヘラクレイトスの火: 自然科学者の回想的文明批判 (同時代ライブラリー 39) 新書 – 1990/10/15
われらの時代の最大の科学のドラマ,分子生物学の誕生と生化学の確立に深くかかわった科学者が自らの研究生活を回想し,現代科学文明を鋭く批判,そのあるべき姿を示す.「青春の文学」とまで評価された自叙伝の傑作.
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1990/10/15
- ISBN-104002600394
- ISBN-13978-4002600390
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1990/10/15)
- 発売日 : 1990/10/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 384ページ
- ISBN-10 : 4002600394
- ISBN-13 : 978-4002600390
- Amazon 売れ筋ランキング: - 602,558位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月20日に日本でレビュー済み
理系苦手と敬遠せず、読み始めると一時代の物語としても読み進められる。19世紀末の雰囲気を残すウィーンから70年代のアメリカまで。国境を越え、専門分野を超える、深くて広いコスモポリタンな学者の物語。
2009年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代の自然科学研究における歪みを指摘する名著。物量化し、自転車操業的にしか維持できない現代の研究体制からは、何ら独創的なものは生まれない。研究者のあるべき姿とは?若き研究者の必読書。
2012年10月11日に日本でレビュー済み
オーストリアに生まれアメリカで生化学を研究した科学者、シャルガフ(1905‐2002)の回想録。まさに20世紀を生きた科学者の、20世紀科学の回想である。
昔読んだときには、主に第1章に書かれた著者の化学者になるまでや、オーストリア帝国の終焉から次の大戦へと続く歴史の記述や、第2章に書かれた分子生物学の夜明けの部分を興味深かった記憶がある。特に第2章のDNAの話は、「二重らせん」で発見者が語ったのとはまた違う分子生物学の初期の話である。DNA塩基の存在量比の規則性を発見したのが著者であるだけに、ワトソンやクリックをどう見ていたかなどは話としても面白いところと記憶していた。今回は、著者の20世紀科学への思いの深さをより強く感じた。
著者の20世紀科学への批評は、反省をも込めて第3章で主に語られる。著者の思い描く本当の科学は「等身大の科学」。「想定外」の原発事故の後始末もままならない私たちの「現代」にも重く響く言葉が、ここにはたくさん見出される。原著は1978年の出版であることを考えると、いかに人間は「懲りない」のかを考えさせられるともいえるだろう。この章の文章には、自らの定年を迎えて科学の残したもの、自分の研究の意味を考え直す心の深さが基調色として強いが、この章を読んで振り返るとこの色合いは前の二つの章にもあることがあらためてわかる。
二つの大戦の20世紀を生きた科学者の記録として、分子生物学の幕開けの当事者の記録として、そして科学への科学者からの批評として。本書の面白さは大きくこの三つであろうが、もう一つ「言葉というもの」についても読みどころはいくつもある。
幾つもの言語を自在に使いこなした著者の言葉へのこだわりは半端ではない。昔は少しうっとうしく感じられたけれど、読み手としての自分自身が「言葉を使う苦労」を少しは経験したせいか、「正しく表現したい」著者の思いが今は少しは理解できた気がする。
若い方には20世紀の科学者の記録、特に「二重らせん」とは異なった分子生物学の夜明けの話として読んでほしい。
そして、定年が近づいた科学に携わる人たちにも、長く科学を職業とした先達の言葉として、ぜひ読み返してほしい。まあ、著者も書いている通り、回顧というものにはどうしても若干の自惚れや自虐的な要素が繰り言のように現れるのでそういう読みづらさはあるかもしれないが。
昔読んだときには、主に第1章に書かれた著者の化学者になるまでや、オーストリア帝国の終焉から次の大戦へと続く歴史の記述や、第2章に書かれた分子生物学の夜明けの部分を興味深かった記憶がある。特に第2章のDNAの話は、「二重らせん」で発見者が語ったのとはまた違う分子生物学の初期の話である。DNA塩基の存在量比の規則性を発見したのが著者であるだけに、ワトソンやクリックをどう見ていたかなどは話としても面白いところと記憶していた。今回は、著者の20世紀科学への思いの深さをより強く感じた。
著者の20世紀科学への批評は、反省をも込めて第3章で主に語られる。著者の思い描く本当の科学は「等身大の科学」。「想定外」の原発事故の後始末もままならない私たちの「現代」にも重く響く言葉が、ここにはたくさん見出される。原著は1978年の出版であることを考えると、いかに人間は「懲りない」のかを考えさせられるともいえるだろう。この章の文章には、自らの定年を迎えて科学の残したもの、自分の研究の意味を考え直す心の深さが基調色として強いが、この章を読んで振り返るとこの色合いは前の二つの章にもあることがあらためてわかる。
二つの大戦の20世紀を生きた科学者の記録として、分子生物学の幕開けの当事者の記録として、そして科学への科学者からの批評として。本書の面白さは大きくこの三つであろうが、もう一つ「言葉というもの」についても読みどころはいくつもある。
幾つもの言語を自在に使いこなした著者の言葉へのこだわりは半端ではない。昔は少しうっとうしく感じられたけれど、読み手としての自分自身が「言葉を使う苦労」を少しは経験したせいか、「正しく表現したい」著者の思いが今は少しは理解できた気がする。
若い方には20世紀の科学者の記録、特に「二重らせん」とは異なった分子生物学の夜明けの話として読んでほしい。
そして、定年が近づいた科学に携わる人たちにも、長く科学を職業とした先達の言葉として、ぜひ読み返してほしい。まあ、著者も書いている通り、回顧というものにはどうしても若干の自惚れや自虐的な要素が繰り言のように現れるのでそういう読みづらさはあるかもしれないが。
2010年8月24日に日本でレビュー済み
著者シャルガフは、1905年にオーストリアに生まれた。第一次世界大戦以前の誕生なので、オーストリア−ハンガリー帝国の時代である。1905年は、アインシュタインの奇跡の年であり、その翌年にはオーストリアを代表する物理学者ボルツマンが没している。シャルガフは、オーストリア−ハンガリー帝国にとって最後の輝かしい時代を体験している。
いくつもの言語を解する著者の文章は重厚そのものであり、豊かな語彙によって綴られる文体の行間に、著者の博識ぶりを垣間見ることができる。
アデニンとチミン、シトシンとグアニンの核酸塩基の量比が生物種によらず、いつも1に等しいことを発見している。しかしながら、その意味を追求しなかったためにワトソンとクリックに出し抜かれたときの悔しさはどれほどであっただろう。「とんまのトラブル」では、この二人を辛らつに批評している。後に、ノーベル賞を受賞したワトソンは、いくつかの放言、たとえば「黒人は知能が低い」などで知られているように問題のある人物である。そのような人物の正体を一瞬にして見抜いた眼力は見事としかいいようがない。この本だけでなく、ワトソンの「二重らせん」、アン・セイヤーの「ロザリンド・フラクリンとDNA」、マドックスの「ダークレディと呼ばれて」などとあわせて読むと、登場人物の奥行きが推し量れて面白いだろう。
20世紀後半から現在までの時代は、核兵器と遺伝子工学の世紀といってよいだろう。原子の核と細胞の核を操る技術を手に入れた人類に、どのような未来があるのだろうか。
いくつもの言語を解する著者の文章は重厚そのものであり、豊かな語彙によって綴られる文体の行間に、著者の博識ぶりを垣間見ることができる。
アデニンとチミン、シトシンとグアニンの核酸塩基の量比が生物種によらず、いつも1に等しいことを発見している。しかしながら、その意味を追求しなかったためにワトソンとクリックに出し抜かれたときの悔しさはどれほどであっただろう。「とんまのトラブル」では、この二人を辛らつに批評している。後に、ノーベル賞を受賞したワトソンは、いくつかの放言、たとえば「黒人は知能が低い」などで知られているように問題のある人物である。そのような人物の正体を一瞬にして見抜いた眼力は見事としかいいようがない。この本だけでなく、ワトソンの「二重らせん」、アン・セイヤーの「ロザリンド・フラクリンとDNA」、マドックスの「ダークレディと呼ばれて」などとあわせて読むと、登場人物の奥行きが推し量れて面白いだろう。
20世紀後半から現在までの時代は、核兵器と遺伝子工学の世紀といってよいだろう。原子の核と細胞の核を操る技術を手に入れた人類に、どのような未来があるのだろうか。
2002年8月16日に日本でレビュー済み
高校の生物最後の授業で配られたプリントはこの「ヘラクレイトスの火」の一節「白き血、紅き雪」であった。ワトソン、クリックのようにノーベル賞を取るよりも、つまり世間的な名誉よりも、むしろこのシャルガフのような文章が書ける人間になって欲しい、と先生が話していた。ノーベル賞なんか取れないし、こんな難解な文章なんて書けるわけもない、と笑い声が上がった。
その後分子生物学を学ぶようになって塩基対合の規則を発見したシャルガフ、そしてDNA二重らせんを発見したワトソン、クリックが分子生物学の中でどんな位置を占めたのかを少しは知るようになってから「ヘラクレイトスの火」全文を読んた。
決して一朝一夕には身に付けることのできない語学に裏打ちされた教養に畏敬の念を覚える他なかった。そしてまた、高校生のときに読んだ「白き血、紅い雪」でも触れられているように、最早「自然についてよりよく知りたいから」と、「科学」本来の目的であった「知ること」のために科学を志すことはできないのだと改めて実感した。
生命科学は今金儲けの手段に利用されているように感じる。科学は技術と最早不可分に結びついており、人間の福利厚生のために役立つのならそれにこしたことはないと思うが、幾分いそぎすぎているのではないだろうか。多くの人に読んでほしい本だ。
その後分子生物学を学ぶようになって塩基対合の規則を発見したシャルガフ、そしてDNA二重らせんを発見したワトソン、クリックが分子生物学の中でどんな位置を占めたのかを少しは知るようになってから「ヘラクレイトスの火」全文を読んた。
決して一朝一夕には身に付けることのできない語学に裏打ちされた教養に畏敬の念を覚える他なかった。そしてまた、高校生のときに読んだ「白き血、紅い雪」でも触れられているように、最早「自然についてよりよく知りたいから」と、「科学」本来の目的であった「知ること」のために科学を志すことはできないのだと改めて実感した。
生命科学は今金儲けの手段に利用されているように感じる。科学は技術と最早不可分に結びついており、人間の福利厚生のために役立つのならそれにこしたことはないと思うが、幾分いそぎすぎているのではないだろうか。多くの人に読んでほしい本だ。