〇白石が、シドッチから多くののことを聞き出し正確に理解し受容していたことに驚く。地球が球であることを知り、世界地理をほぼ正確に把握し、アメリカへの欧州諸国の進出、欧州での王位継承戦争の経緯、欧州諸国のアジア進出、トルコの勢力拡大などの意義を把握し、投票によって王位承継者を決める制度として議会政も理解している。
〇綱吉の時にキリスト教を除く西洋の書籍の漢訳は解禁になっているが、白石はそのような書物も読んでいたかもしれない。
〇キリスト教の概要等も客観的に要領よくまとめ、その後に冷静な意見を付け加えている。創造主デウスがあるとして、その創造主を創造したのは誰かという問題に答えられないではないか、キリスト教の説くところは浅はかに尽きると言う。そして、造像、受戒、灌頂、誦経、念珠、天国地獄などキリスト教は仏教に似ていること、デウスの生誕の地は西インドから遠くないことから、キリスト教は仏教の派生形ではないかという疑問を呈して終わる。
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