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訳注聯珠詩格 (岩波文庫 黄 280-2) 文庫 – 2008/7/16

4.3 5つ星のうち4.3 6個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2008/7/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/7/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 310ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003028023
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003028025
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 6個の評価

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柏木 如亭
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年11月4日に日本でレビュー済み
現代にあって、日本人が漢詩を読む場合、あいかわらず「国破れて山河あり/城春にして草木深し」のような漢文訓読体の読み方が当たり前と思っているところがあります。しかもそれでなんとなく漢詩がわかったような気になって、そこに語釈や語注、さらには現代口語訳がついていてもあまり注意を払わないということがあります。

 しかし漢詩を、そのように漢文訓読体で読んですませるのではなく、原詩の漢字をそのままを使って、それを江戸後期の口語日本語でもって訓読みしながら、和訳をする、という思いもかけない、というかかなりアクロバティックな試みを、みずからもすぐれた漢詩人であった柏木如亭(1763-1819)がこの『訳注聯珠詩格』でやっています(もしかするとこのようなある意味遊戯的な試みは、如亭の発明でもなんでもなく、存外、漢詩をたしなむ趣味人たちのあいだでさかんに行われていたのかもしれませんが)。

 その訳例を蘇軾の詩「牡丹を賞す」:

 人老簪花不自羞(人老いて花を簪にして自らは羞ぢず)
 花応羞上老人頭(花は応に老人の頭に上るを羞づるなるべし)

で見てみると、以下のような翻訳を如亭は試みています――
 
 人(おれ)は老(としがよつ)てこの花(ぼたん)を簪(さし)て不自羞(はづかしいともおもは)ぬが
 花は老人(としより)の頭(あたま)に上るを応羞(はづかしがるだら)ふ

これは、詩に用いられている漢字をそのまますべて活かし、そこにルビをふって当時の口語日本語を当てはめ訳すというスタイルとなっています(ルビはカッコの中に入れました。また江戸期の元の版本ではルビもふくめてひらがな部分はすべてカタカナ表記されているようです)

 こんな感じで、格調高い漢文訓読体より詩の具体的な内容や心情がよく理解でき、いっぽうで現代日本語にかなり近くなった、江戸後期の口語日本語のようすもわかって興味深いです。

 なお本書では、底本として依拠した享和元年(1801年)の版本のとおりに字句が翻刻されているのですが、かなづかいの点で、歴史的かなづかいでは「…だらう」となるのが、引用にみるように如亭は「…だらふ」と書いていたようです。まだかなづかいの規範が確立していない当時では、まちがいでもなんでもなく、まったくもってありうる表記といえます。これもまた興味深いところです。 

 校注者の巻末解説もとても充実しており、得るところ多いものがありました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年8月26日に日本でレビュー済み
 宋末・元初に撰せられた漢詩集「聯珠詩格」は、本国では失われたが日本では教科書的に広く読まれていた。その「聯珠詩格」を江戸後期の漢詩人柏木如亭がおそらくは門人指導のために当時の言葉で「現代語訳」したのが本書。
 もともと武士で江戸育ち(吉原の放蕩が過ぎて家を潰しかけたそうな)の著者が信州中野に居を定め、「晩晴吟社」という詩社をつくり近在の住人に漢詩を教えた。旧来の「訓読法」による読み下しだけでは難しかったのか、さらに当時の言葉に直して表現したのである。
 レベルもけして高くはなかった門人に対し、如亭先生が漢詩の一文字一文字に心を配りつつわかりやすく言い換えて、朗読している様が目に浮かぶようだ。是非音読して楽しんでいただきたい。
 元の文は原詩の漢字に相当する意味の読みがながふってある形なので、かなり印象が違うが一つ例をあげておこう。

黄梅時節家々雨  黄梅の時節 家々の雨
青草地塘処々蛙  青草の地塘 処暑の蛙
有約不来過夜半  約有れども来たらず夜半を過ぐ
閑敲碁子落燈花  閑に碁子を敲きて燈花を落す

さみだれのころはだれもかも雨でこまるに
くさのはへたつゝみばたではどこでも蛙がうれしがるやつさ
やくそくしたものはよなかすぎまで来もせず
さびしさに碁いしをぱつちりといはせたらちやうじがしらを落した
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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