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真景累ケ淵 (岩波文庫 緑 3-2) 文庫 – 2007/3/16
三遊亭 円朝
(著)
円朝(1839‐1900)は落語家,講釈師として近世の名人とうたわれた人.針医兼高利貸の皆川宗悦が酒乱の深見新左衛門に殺されることに始まる怪談話.宗悦の娘園と豊志賀,深見の息子新五郎と新吉は互いに仇敵とも知らず情痴に狂う.舞台は江戸から下総の累ヶ淵に移り,これら因縁にあやつられた人びとの陰惨怪異の姿は一読肌に粟を生じよう.解説=久保田万太郎
- ISBN-104003100328
- ISBN-13978-4003100325
- 出版社岩波書店
- 発売日2007/3/16
- 言語日本語
- 本の長さ484ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2007/3/16)
- 発売日 : 2007/3/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 484ページ
- ISBN-10 : 4003100328
- ISBN-13 : 978-4003100325
- Amazon 売れ筋ランキング: - 390,313位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 476位落語・寄席・演芸 (本)
- - 2,541位岩波文庫
- - 97,950位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明治初期の怪談噺の名人、三遊亭円朝の口演を速記で書き取ったものである。
当時はテープレコーダーもビデオもなかった時代だから、この口述速記を文章に起こしたものが、一番語り手の話術や雰囲気を伝える手段だったのだろう。その代わりに、目の前にいるお客さんを相手に喋っている(つもり)だから、どうしても聴衆に話しをよく分からせるために、説明がくどくなったり、話の説明が繰り返されたりする。
これも、円朝という人物をよく知るためのよすがであろう。
お話は怪談と銘打ってあるが、幽霊は出てこない。いわゆる因縁話で、よい人間と悪い人間が色々な悪縁で結ばれて話が進行していく。ところが、よい人間と思って、読みながらひそかに応援していると、簡単に殺されてしまう。
あまりにも、よい人間が沢山殺される、つまり悪が栄えるので、話としてこれで良いのかと疑っていると、最後の章でちゃんと帳尻が会うように話ができている。
なお、話の枕として、幽霊などと言うものは科学的には、あるはずがない、幽霊と思えるのは神経の仕業だと、断っている。「真景累ケ淵」という題名も、本来なら「神経・・・・」とすべきだが、それでは話として面白くないので「真景」なる文字を当てたと解説に書いてある。
円朝作品も、これを読めば、どんなものか分かったので、このほかの作品は読む気がなくなった。
巻末に詳細な当時の単語の解説がついているので参考になる。
当時はテープレコーダーもビデオもなかった時代だから、この口述速記を文章に起こしたものが、一番語り手の話術や雰囲気を伝える手段だったのだろう。その代わりに、目の前にいるお客さんを相手に喋っている(つもり)だから、どうしても聴衆に話しをよく分からせるために、説明がくどくなったり、話の説明が繰り返されたりする。
これも、円朝という人物をよく知るためのよすがであろう。
お話は怪談と銘打ってあるが、幽霊は出てこない。いわゆる因縁話で、よい人間と悪い人間が色々な悪縁で結ばれて話が進行していく。ところが、よい人間と思って、読みながらひそかに応援していると、簡単に殺されてしまう。
あまりにも、よい人間が沢山殺される、つまり悪が栄えるので、話としてこれで良いのかと疑っていると、最後の章でちゃんと帳尻が会うように話ができている。
なお、話の枕として、幽霊などと言うものは科学的には、あるはずがない、幽霊と思えるのは神経の仕業だと、断っている。「真景累ケ淵」という題名も、本来なら「神経・・・・」とすべきだが、それでは話として面白くないので「真景」なる文字を当てたと解説に書いてある。
円朝作品も、これを読めば、どんなものか分かったので、このほかの作品は読む気がなくなった。
巻末に詳細な当時の単語の解説がついているので参考になる。
2014年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
怪談話に興味があり手にした.以前に円朝さんの書いた『牡丹灯籠』も読んだことがある.
前半は怪談であるが,後半は怪奇なおどろおどろしい部分は抑えられ,仇討ち・敵討ちの話になってゆく.
円朝さんの語り口が伝わってくる文体で,読んでいて本当に楽しい.おもわず声に出して笑ってしまいそうな部分もあった.そして,江戸〜明治にかけての日本人はこういう文化を楽しんでいたんだな,という実感がつかめた.が,いわゆる怪談話(怪奇物)として期待して読むと,少し拍子抜けすることも事実である.
本作品は何を期待して読むかによって評価が異なるだろうが,いずれにしても良書であると感じた.
前半は怪談であるが,後半は怪奇なおどろおどろしい部分は抑えられ,仇討ち・敵討ちの話になってゆく.
円朝さんの語り口が伝わってくる文体で,読んでいて本当に楽しい.おもわず声に出して笑ってしまいそうな部分もあった.そして,江戸〜明治にかけての日本人はこういう文化を楽しんでいたんだな,という実感がつかめた.が,いわゆる怪談話(怪奇物)として期待して読むと,少し拍子抜けすることも事実である.
本作品は何を期待して読むかによって評価が異なるだろうが,いずれにしても良書であると感じた.
2018年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歌丸さんの落語で内容は知りました。現代のサスペンスの元になっているのではないかと思える作品。
落語好きにはもちろんオススメですが、サスペンス好きにもかなりおすすめです。
読み始めは言葉が古くて読みにくいかもしれませんが、日本語の語呂や音の良さをも楽しんで欲しいと思います。
落語好きにはもちろんオススメですが、サスペンス好きにもかなりおすすめです。
読み始めは言葉が古くて読みにくいかもしれませんが、日本語の語呂や音の良さをも楽しんで欲しいと思います。
2010年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当時の寄席に毎回たくさんの人の足を運ばせただけのことはあり、
章ごとの区切りで次はどうなる、次はどうなると物語の展開が
楽しみで途中で本を閉じるのが難しかった。
人間の弱いところ、残酷なシーンがリアルで怖いです。
上野(根津七軒町)日暮里(谷中七面前)南千住(小塚が原)から松戸、柏、流山
近辺、利根川を渡って常総市近辺の地名がよく出てくるので、この辺りの地理に
明るい人には一層楽しめるかもしれません。
明治初期の作品とはいえ、高座にかかっていただけに、リズムよく読みやすいです。
言葉の解説が最後についてますので、これも参考になるかと。(私は読み終わるまで
気がつかなかった!)
章ごとの区切りで次はどうなる、次はどうなると物語の展開が
楽しみで途中で本を閉じるのが難しかった。
人間の弱いところ、残酷なシーンがリアルで怖いです。
上野(根津七軒町)日暮里(谷中七面前)南千住(小塚が原)から松戸、柏、流山
近辺、利根川を渡って常総市近辺の地名がよく出てくるので、この辺りの地理に
明るい人には一層楽しめるかもしれません。
明治初期の作品とはいえ、高座にかかっていただけに、リズムよく読みやすいです。
言葉の解説が最後についてますので、これも参考になるかと。(私は読み終わるまで
気がつかなかった!)
2013年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
落語が好きで、圓生の噺を聴いて興味を持ち、購入。改めて読むと、落語とはまた違った怖さや人間の業の深さなどが表れていておもしろかった。古典といっても明治時代の作品で、こんなに長い噺を創った円朝ってほんとすごい。
2018年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
釈迦といういたずら者が世に出でて、多くの人を迷わする哉。という、迷文句があって、ちょっと釈迦に一泡ふかせるかと思いきや、やはりそこは日本人、インド人の理屈っぽさはそっちのけ、因果の恐ろしさについつい引きずりこまれ。
2020年4月16日に日本でレビュー済み
怪談話のジャンルに入るようなのですが、幽霊はチョコチョコ出てくる感じで、大体は人間の欲望で相手を死なせてしまって、人間て怖いわねぇ。…という感じでした。
なので、怖いのもあるけど、それにプラスしてスカッとする!という感じでしょうか。
最初に「主要登場人物」の一覧があるので、それを見て頭に入れて読み進めていけば、読むのも楽だと思います。
なので、怖いのもあるけど、それにプラスしてスカッとする!という感じでしょうか。
最初に「主要登場人物」の一覧があるので、それを見て頭に入れて読み進めていけば、読むのも楽だと思います。