・ミステリー小説を読んでいるような気持ちにさせるところがあり、小説として構成が凝っています。永井荷風がこんなにおもしろいとは思いませんでした。以前『腕くらべ』を読んで印象に残らなかったので荷風を敬遠していました。
・戦前のカフェーの女給の話が、非常に読みやすく興味深く書かれています。奔放な女給とインテリ女性の生き方の対比はうまくいっていませんが、話の転換や繋ぎとして役に立っています。
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つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4) ペーパーバック – 1987/3/16
永井 荷風
(著)
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- 本の長さ157ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1987/3/16
- 寸法10.6 x 0.7 x 14.8 cm
- ISBN-104003104145
- ISBN-13978-4003104149
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1987/3/16)
- 発売日 : 1987/3/16
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 157ページ
- ISBN-10 : 4003104145
- ISBN-13 : 978-4003104149
- 寸法 : 10.6 x 0.7 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 60,573位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2020年4月17日に日本でレビュー済み
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2016年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
永井荷風の作品と言うと、大学入学直後に『墨東奇譚』を
読み、正直言って面白さが全く理解できなかったのだが、
本書を読み、これが荷風か!と目を見開かれた思いである。
荷風と言えば、芸者・娼婦遊びで有名だったと物の本に書かれてあるが、本書の主人公の君江は、このような荷風ならではの登場人物である。ついつい男についていってしまったり、男は簡単に悩殺できると高を括ったり、となかなかの奔放ぶりである。また、登場人物である清岡という作家は、荷風の生き写しでないかと思われ、荷風を知っている人はニヤニヤしながら読むことになる。
他方で、クライマックスはなかなかシリアスだし、作中の登場人物の一人である鶴子は君江とは対照的な人物であり、鶴子の将来は希望に包まれていることが示唆されており、荷風が自堕落・淫蕩一辺倒の人間ではなかったことは明らかである。
他の荷風の作品も読んでみたい。
読み、正直言って面白さが全く理解できなかったのだが、
本書を読み、これが荷風か!と目を見開かれた思いである。
荷風と言えば、芸者・娼婦遊びで有名だったと物の本に書かれてあるが、本書の主人公の君江は、このような荷風ならではの登場人物である。ついつい男についていってしまったり、男は簡単に悩殺できると高を括ったり、となかなかの奔放ぶりである。また、登場人物である清岡という作家は、荷風の生き写しでないかと思われ、荷風を知っている人はニヤニヤしながら読むことになる。
他方で、クライマックスはなかなかシリアスだし、作中の登場人物の一人である鶴子は君江とは対照的な人物であり、鶴子の将来は希望に包まれていることが示唆されており、荷風が自堕落・淫蕩一辺倒の人間ではなかったことは明らかである。
他の荷風の作品も読んでみたい。
2003年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
銀座のカフェーの女給さんと、その女性に群がる男たちの物語。女給さんが二股も三股もかけて、たいへんだーという話です。梅雨の間の彼女の生活が、描かれています。
少し淫乱ですが、今となっては、特に刺激的な話ではありません。
ただ、題名のためか、梅雨が近づくと、読みたくなります。
少し古い言葉で書かれてますが、スラスラ読めます。慣れれば、これが、風情があっていいものです。描かれている街に、衣服に、風景に、乗り物に時代が、あります。
また読んだし、今後も読むんだろうなぁ、と思える1冊です。
少し淫乱ですが、今となっては、特に刺激的な話ではありません。
ただ、題名のためか、梅雨が近づくと、読みたくなります。
少し古い言葉で書かれてますが、スラスラ読めます。慣れれば、これが、風情があっていいものです。描かれている街に、衣服に、風景に、乗り物に時代が、あります。
また読んだし、今後も読むんだろうなぁ、と思える1冊です。
2019年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昼ドラっぽい人物設定と人間関係。主役の君江さんは単なるヤリマンであるが
表現力、文章力が高いとここまでリアルに愛情込めてしみじみ繊細に描けるもやなーと感心。
ラストの爺さんの手紙があっけらかんとした絶望感でナイス
時代文化文明風情が全然異なる我々が読んでも映像がビシバシ浮かんでくるところが
永井先生サスガであります!!
表現力、文章力が高いとここまでリアルに愛情込めてしみじみ繊細に描けるもやなーと感心。
ラストの爺さんの手紙があっけらかんとした絶望感でナイス
時代文化文明風情が全然異なる我々が読んでも映像がビシバシ浮かんでくるところが
永井先生サスガであります!!
2018年6月9日に日本でレビュー済み
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随分昔の話でこんな事もあったかと思い読ませて貰いました。当時の風流人の行いを理解の出来ない侭理解した積もりれで面白く読ませて貰いました。
2020年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんな時期だけに、新しい小説ではなく、昔読んだ本、この閉塞感を時空を越えて共感できる者がほしくて注文した。よい選択去ったと思う。閉塞感満載の小説なのに、この小説を読んで心が慰められた。文学や芸術のもつ不思議な力を実感した。
2015年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大正・昭和の近代日本の、かすれた男女の機微が窺える秀逸。
明るい白色光の元で軽快に読み進めるのでなく、ほの暗い電球色の下で、情景を思いながら、静かに文脈を追っていくとよい。
明るい白色光の元で軽快に読み進めるのでなく、ほの暗い電球色の下で、情景を思いながら、静かに文脈を追っていくとよい。
2014年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでいるとその時代の情景や匂いが浮かび上がってきました。
文章が心地よく、細やか。静かに切ない気持ちになりました。
文章が心地よく、細やか。静かに切ない気持ちになりました。