志賀直哉の暗夜行路は、雑誌「改造」に1921年(大正10年)1月号から8月号まで前編、1922年(大正11年)1月号から1937年(昭和12年)4月号まで後編が発表され、前後20年かかって執筆された、志賀直哉唯一の長編小説であり、志賀の代表作である。
主人公(謙作)を借りた志賀の自画像ともいえる作品であり、隠さず赤裸々に自己を凝視する「作家の眼」をまざまざと感じさせる作品である。
白樺派らしい、若年のやや背伸びをした「高踏」ぶりも、初々しい印象を与えており、決して悪くはない。
志賀の簡潔な文体の妙味以上に、ストーリーラインで読ませる小説に仕上がっているが、前半の若者らしい遊興の叙述も登美子などのキャラクターなどで楽しく読ませる。
後半は、出生の秘密、愛児の死など主人公の内面的彷徨が色濃く描かれ、人生の深淵についての叙述が多くなってくるのだが、全般的に言うならば、主人公の多くの主我的な行動に対して「辟易する周囲のひと」が客観的な視点から描かれていてもよいのではないか。。。
志賀はやはり、「城の崎にて」などの中短編がいい。
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暗夜行路 (前篇) (岩波文庫 緑 46-4) 文庫 – 2004/5/18
志賀 直哉
(著)
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- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2004/5/18
- ISBN-104003104641
- ISBN-13978-4003104644
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2004/5/18)
- 発売日 : 2004/5/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 296ページ
- ISBN-10 : 4003104641
- ISBN-13 : 978-4003104644
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月4日に日本でレビュー済み
2011年3月2日に日本でレビュー済み
同じ新潮文庫でも、古い版では前後編2冊に分かれる本作。元々、そのように時間を空けて発表されたのだから旧版の方が正しいのだが、安いし現代仮名遣いだし、ということで最初に手に取るには別にこっちの古い版でも良いだろうと思う。
で、内容だが、この前編では主人公の出生の秘密が真ん中くらいで明かされ、その後は厭世気分と創作の行き詰まりを抱えながら煩悶しつつ彷徨する様が描かれている。元々、気質的に煩悶の気がある主人公なのだが、そういった性格も含め、父親に反感を覚える様子、使用人に恋をするエピソード等は作家自身の姿が写し出されている。ただ、書いてるうちに実生活で父と和解したことによって、結果的に本作品のプロットは本格的に彷徨することになってしまい、結局、20年以上をかけて本作はやっと完結するのだが、それは志賀自身の内面の熟成を待ちながらじっくりと描かれたということである。
さらっとした淡白な書きぶり、志賀らしくないお昼のTVドラマチックなベタな急展開、どこに軸があるか分かりにくい構成などから、本作は昔から大絶賛の声と共にこき下ろす声もあった。やはり新版の方のAmazonレビューでも反応が二極化しているが、僕は本作で描かれた彷徨のダラダラぶりが心地良く読めたことを報告したい。本巻はラストで商売女の胸を揉みながら声に出す台詞が有名なのだが、こういった馬鹿馬鹿しいエピソードも含めて妙に女性に逃げようとする主人公の弱い姿を描きながら、逆にリアリティが増加させる点が作家の腕である。(僕も本当はそうなのだが、)この辺のひ弱さが鼻に付く読者もいるだろう。しかし、そういう甘ったれた内面がふとヒューマニズムに昇華される瞬間のスピード感と説得力が志賀の凄さだと僕は思う。ただ、前編ではそういうシーンはないので(笑)、心地良いダラダラしたリズムと主人公の彷徨ぶりをまったり味わってほしい。
で、内容だが、この前編では主人公の出生の秘密が真ん中くらいで明かされ、その後は厭世気分と創作の行き詰まりを抱えながら煩悶しつつ彷徨する様が描かれている。元々、気質的に煩悶の気がある主人公なのだが、そういった性格も含め、父親に反感を覚える様子、使用人に恋をするエピソード等は作家自身の姿が写し出されている。ただ、書いてるうちに実生活で父と和解したことによって、結果的に本作品のプロットは本格的に彷徨することになってしまい、結局、20年以上をかけて本作はやっと完結するのだが、それは志賀自身の内面の熟成を待ちながらじっくりと描かれたということである。
さらっとした淡白な書きぶり、志賀らしくないお昼のTVドラマチックなベタな急展開、どこに軸があるか分かりにくい構成などから、本作は昔から大絶賛の声と共にこき下ろす声もあった。やはり新版の方のAmazonレビューでも反応が二極化しているが、僕は本作で描かれた彷徨のダラダラぶりが心地良く読めたことを報告したい。本巻はラストで商売女の胸を揉みながら声に出す台詞が有名なのだが、こういった馬鹿馬鹿しいエピソードも含めて妙に女性に逃げようとする主人公の弱い姿を描きながら、逆にリアリティが増加させる点が作家の腕である。(僕も本当はそうなのだが、)この辺のひ弱さが鼻に付く読者もいるだろう。しかし、そういう甘ったれた内面がふとヒューマニズムに昇華される瞬間のスピード感と説得力が志賀の凄さだと僕は思う。ただ、前編ではそういうシーンはないので(笑)、心地良いダラダラしたリズムと主人公の彷徨ぶりをまったり味わってほしい。
2023年7月18日に日本でレビュー済み
"直子は、『助かるにしろ、助からぬにしろ、兎に角、自分はこの人を離れず、何所までもこの人に随いて行くのだ』というような事を切に思いつづけた"1937年完成の本書は著者唯一の長編、完成までに26年の時を要した心境小説。
個人的には主宰する読書会の課題図書として手にとりました。
さて、そんな本書は夏目漱石から東京朝日新聞に小説を連載するよう依頼されたことから執筆するも難航し、連載辞退となった作品『時任謙作』を改題、紆余曲折を経て26年目に完成させたもので、前編は6歳の時に祖父に引き取られ、小説家となった謙作が幼馴染の愛子や年上のお栄に求婚するもうまくいかず、その理由が【出生の秘密にあった】と知り悩み苦しむ姿が。後編は京都に移った謙作が、出生の秘密を打ち明けても受け入れてくれた直子と結婚し、穏やかな日々を過ごすも今度は留守中に【直子が従兄と過ちを犯した】ことで再び苦悩を背負ってしまうも、強い意志力で幸福をとらえようとする様子が描かれているのですが。
著者については『小僧の神様』にかけて、その無駄を省いた写実的な文体が高い評価を得て【小説の神様】とも呼ばれていることは知っていましたが、今回の唯一の長編でも、その『文体に関しては風景描写も素晴らしく、存分に楽しむことができた』ものの前編の内容に関してはやや冗長な印象で読みづらかった。
ただ出生の秘密が明らかになってからの葛藤や京都での直子との穏やかな結婚生活からの更なる葛藤を抱えることになる後半はかなり引き込まれる展開で、ラストこそあっさりしていますがページをめくらずにはいられませんでした。
著者の代表作として、また芥川龍之介他に影響を与えた文体の名手の作品としてもオススメ。
個人的には主宰する読書会の課題図書として手にとりました。
さて、そんな本書は夏目漱石から東京朝日新聞に小説を連載するよう依頼されたことから執筆するも難航し、連載辞退となった作品『時任謙作』を改題、紆余曲折を経て26年目に完成させたもので、前編は6歳の時に祖父に引き取られ、小説家となった謙作が幼馴染の愛子や年上のお栄に求婚するもうまくいかず、その理由が【出生の秘密にあった】と知り悩み苦しむ姿が。後編は京都に移った謙作が、出生の秘密を打ち明けても受け入れてくれた直子と結婚し、穏やかな日々を過ごすも今度は留守中に【直子が従兄と過ちを犯した】ことで再び苦悩を背負ってしまうも、強い意志力で幸福をとらえようとする様子が描かれているのですが。
著者については『小僧の神様』にかけて、その無駄を省いた写実的な文体が高い評価を得て【小説の神様】とも呼ばれていることは知っていましたが、今回の唯一の長編でも、その『文体に関しては風景描写も素晴らしく、存分に楽しむことができた』ものの前編の内容に関してはやや冗長な印象で読みづらかった。
ただ出生の秘密が明らかになってからの葛藤や京都での直子との穏やかな結婚生活からの更なる葛藤を抱えることになる後半はかなり引き込まれる展開で、ラストこそあっさりしていますがページをめくらずにはいられませんでした。
著者の代表作として、また芥川龍之介他に影響を与えた文体の名手の作品としてもオススメ。
2017年3月9日に日本でレビュー済み
時任謙作は、6歳で母を亡くし、親しみをもてない祖父のもとになぜかわからないまま引き取られる。祖父にはお栄という若い妾がいる。ほかの兄弟もいるのになぜ謙作だけ引き取られることになったのかわからない。謙作は「愛された」という感覚が薄い。
成長した謙作は、物書きとなる。その後、母の思い出につながる愛子という女性に結婚を申し込むが、愛子の兄に体よく断られてしまう。どうも釈然としない。謙作は尾道に旅行し、20も歳の違うお栄との結婚を考えるようになる。インモラルなところもあるが、謙作にはそれがお栄にとってもいいことだという気持ちもあり、兄の信行にお栄と結婚を考えている旨、手紙に書く。
兄からの返信で、お栄は結婚を断ったこと、謙作は祖父と母との不義の子であることが伝えられる。当時、堕胎も考えられたが思いとどまり、父も事情を知った上で赦したらしい。愛子に結婚を断られたのもそれが原因らしい。
その後、信行は会社を辞めて禅をすることに決める。信行は、謙作は運命的には自分より不幸だが、性格的には幸福であり、謙作は想うとおりにやっていこうという強い自我がある強い人間である、という。
成長した謙作は、物書きとなる。その後、母の思い出につながる愛子という女性に結婚を申し込むが、愛子の兄に体よく断られてしまう。どうも釈然としない。謙作は尾道に旅行し、20も歳の違うお栄との結婚を考えるようになる。インモラルなところもあるが、謙作にはそれがお栄にとってもいいことだという気持ちもあり、兄の信行にお栄と結婚を考えている旨、手紙に書く。
兄からの返信で、お栄は結婚を断ったこと、謙作は祖父と母との不義の子であることが伝えられる。当時、堕胎も考えられたが思いとどまり、父も事情を知った上で赦したらしい。愛子に結婚を断られたのもそれが原因らしい。
その後、信行は会社を辞めて禅をすることに決める。信行は、謙作は運命的には自分より不幸だが、性格的には幸福であり、謙作は想うとおりにやっていこうという強い自我がある強い人間である、という。
2013年9月17日に日本でレビュー済み
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ある新聞の日曜版に本の紹介コーナーがあって、それを参考に乱読していますが、後悔することが多いのです....でも古典(私の中では国語の教科書に出てくる作家と本などを指します、表現が正しいかどうか?!)についてははずれがありません。古い文体も逆に新鮮ですし、なによりも深い。最近の新刊本は総じて内容が薄っぺらい。読み比べるとその差は歴然としています。
本当は感性の高い10台後半~に出逢うべき本達だと思いますが、当時は推理小説にはまってて、残念ながら手にする事が無かった50歳を超えてようやく出逢った『古典』 暗夜行路も最初は「なんですか、これ!?」と思ってしまったが、どんどん引き込まれる。
良い本に共通しているのですがイメージが立体的に浮かんできます。 登場人物が映像化されてくるのです。
すぐに下巻を、と思った次第でした。
本当は感性の高い10台後半~に出逢うべき本達だと思いますが、当時は推理小説にはまってて、残念ながら手にする事が無かった50歳を超えてようやく出逢った『古典』 暗夜行路も最初は「なんですか、これ!?」と思ってしまったが、どんどん引き込まれる。
良い本に共通しているのですがイメージが立体的に浮かんできます。 登場人物が映像化されてくるのです。
すぐに下巻を、と思った次第でした。