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恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (岩波文庫 緑 63-1) 文庫 – 1952/5/25

4.4 5つ星のうち4.4 58個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1952/5/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1952/5/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 223ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003106318
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003106310
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.5 x 1.3 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 58個の評価

著者について

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菊池 寛
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かつて小島政二郎が、菊池寛の作品を次のように評した。
「菊池は仕上げの美しさなんかさして狙っていないのだ。仮象の世界であることなんか忘れたように、
人生の真を、人間性の真を、ちぎっては投げ、ちぎっては投げしているのだ。……人間性の真を読
む目は、仮借なく辛辣で、しかも底に暖かい人情が流れているのだ。(『眼中の人』)」
本書を読んで、小島の言に深く同意した。どの作品にも、文体の持つ美しさとか抽象的な理念とかいったものよりも、
じかにつかみだされた人間性の真を感じたからだ。読み進むうちに、登場人物に共感・不快感といった違いはあるものの
何かしらの感情を抱いてしまう。これは、作品を通して自分の中の隠された醜さや弱さなどに気づかされるからだろう。
素直に「ああ、わかる気がする…」と思ってしまう。そういう、誰もが持っている人間の真を生のまま投げ出している。
だから、また読みたくなる。ほかの作品も読みたくなる。そんな感想を抱いた。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年12月7日に日本でレビュー済み
古典といっても過言ではない作品たちだが、同時代の他の作家と比べると読みやすい文体だと感じた。

表題にある「恩讐の彼方」には、耶馬渓の羅漢寺界隈に仕事で行った際にその舞台である旨を聞いたが本作品を読むには至らなかった。短いが、起伏に富んだ表情豊かな話であり、非常に引き込まれた。

私がこの中で一番に挙げたい作品は、平清盛によって島流しにされた「俊覚」。これが非常に印象に残った。次点としては表題にもある「忠直卿行状記」。時に支配者の孤独が鋭く切り出されている。

他の作品では、上方歌舞伎の芸の悩みから新しい作風と色恋について描かれた「藤十郎の恋」。杉田玄白が主人公の「蘭学事始」。国定忠治とその舎弟たちの「札入れ」。

どの作品も短いが、深みのある話であり、作者の力量に感嘆するばかりである。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何回読んでも「恩讐の彼方に」は泣く。「走れメロス」「まどマギ」「砂の器」「赤ひげ診療譚」クラスの傑作です。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短編集で、読みやすいですね。
ワイドショーできいた言葉で知って読んだのですが、こういう感覚をもっと現代にも伝えるべきだと思います。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年12月4日に日本でレビュー済み
収録作品については、有名な小説ばかりなのであえて言うことはない。
私が言いたいのはただ一点。岩波書店の節操の無さだ。
岩波が、菊池寛(文藝春秋社の創立者)に限らず、三島由紀夫、林達夫、久生十蘭 江戸川乱歩、谷崎潤一郎、で儲けていいの?岩波の本といえばむやみに有り難がり、岩波(と朝日)が示す価値観、社会観、国家観、歴史観に盲従してきた(自らを「知的」と考えたい、いたいけな、ある意味で愚か極まる)大衆への明白な「裏切り」ではないのか?「平和日本」で長らく昂然と(お気楽に)左翼の旗を振ってきたんだろ。多くの若者を惑乱してきたんだろ。その渡世のスジを通せよ!岩波書店!適当にショーバイするな!売女じゃないんだろ!お客サマを問わぬ売女だったのか?
元左翼少年の独言でした。本書が昭和27年発行の再販であることは承知の上です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年10月25日に日本でレビュー済み
短編集。
菊池寛の短篇十話。
三浦右衛門の最後
忠直卿行状記
恩讐の彼方に
藤十郎の恋

名君
蘭学事始
入れ札
俊寛
頸くくり上人

解説として「注はいるまいとおもうが」
を小島政二郎が書いている。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年11月21日に日本でレビュー済み
青の洞門に行ったときにそこの売店で買いました。
そのときの記憶と本の内容が混ざり、個人的には感慨深い本なのですが、そこまで薦めることもない本です。しかし、普通に面白いです。短編はいいなあ、と思えます。まあ、現代が舞台の小説ではないので、そこらへんが大丈夫な人は読んでも悪くはないと思います。
済みません、ぼくが読んだのは岩波のではありませんでした。レビューを消したいけど、どうやったら消えるんだろ?で、どれが分からないので星五つにしました。本当は3.5くらいでしょうね。
中身がほぼ同じ文庫を多数の出版社で販売するのを止めてほしいです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年3月13日に日本でレビュー済み
誰しも過去に過ちを犯したことはあるもの。

罪を真にあがなうことなど出来るのか・・・

絶壁の難所に道を通すため三町(約330メートル)の大盤石に向かって、たった一人、一心不乱に槌を振るい続けた市九郎の姿に自らを重ねて自問自答してしまうのは私だけではないでしょう。

一年かけてほんの一丈(約3メートル)、槌のひと振りは決して大きくはない・・・しかしそのひと振りひと振りは、確かに岩を砕き、そして頑なな人の心をも砕いてゆく・・・

『恩讐の彼方に』何度読み返しても、その槌のひと振りが胸の奥にずしりと響く不朽の名作です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート