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地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇 (岩波文庫 緑 70-2) 文庫 – 1980/4/16
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- ISBN-104003107020
- ISBN-13978-4003107027
- 出版社岩波書店
- 発売日1980/4/16
- 言語日本語
- 本の長さ248ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1980/4/16)
- 発売日 : 1980/4/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 248ページ
- ISBN-10 : 4003107020
- ISBN-13 : 978-4003107027
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- カスタマーレビュー:
著者について
(1892-1927)東京生れ。東京帝大英文科卒。在学中から創作を始め、短編「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。
その後今昔物語などから材を取った王朝もの「羅生門」「芋粥」「藪の中」、中国の説話によった童話「杜子春」などを次々と発表、大正文壇の寵児となる。西欧の短編小説の手法・様式を完全に身に付け、東西の文献資料に材を仰ぎながら、自身の主題を見事に小説化した傑作を多数発表。1925(大正14)年頃より体調がすぐれず、「唯ぼんやりした不安」のなか、薬物自殺。「歯車」「或阿呆の一生」などの遺稿が遺された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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私は芥川の代表作は「地獄変」だと思います。それなりに分量もあり、メッセージが明確だからです。「絵を描くために猛火の中で悶え苦しむ女性が見たい」という芸術家としての欲求と、「自分の娘が焼け死ぬのを見殺しにする」という人道的苦痛の間で葛藤する絵師の姿が描かれます。常識的に考えれば芸術のために生身の人間を焼き殺すのはありえないのですが、ここでは芸術家の欲求が勝ちます。ただその直後絵師は良心の呵責に苛まれて自ら命を絶ちます。芸術と人命との軽重を問いかけた作品です。
私個人が芥川の作品として一番印象に残っているのは「邪宗門」です。芥川の作品の中でも分量が多く中編と言ってもいいくらいです。「邪宗門」は「地獄変」と少しつながりがあり、同じ語り部によって物語が語られます。芥川はこの作品で宗教を主題にして書き進めています。法力対決などが興味深く書かれています。私はその描写に引き込まれました。未完で終了したため結末は分かりません。仮に完結していれば私の中では「地獄変」を上回る代表作になったかもしれません。
「その頃大殿様の御邸には、十五になる良秀の一人娘が、小女房に上つて居りましたが、これは又生みの親には似もつかない、愛嬌のある娘でございました。その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく気がつくものでございますから、御台様を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます」。
「大殿様が良秀の娘に懸想なすつたなどと申す噂が、愈拡がるやうになつたのでございませう。中には地獄変の屏風の由来も、実は娘が大殿様の御意に従はなかつたからだなどと申すものも居りますが、元よりさやうな事がある筈はございません」。
このような折、偏屈だが高名な絵師・良秀は、突然、大殿様から地獄変の屏風を描くことを命じられます。
良秀は、それから何カ月も昼夜を分かたず屏風の絵に掛かり切りになり、漸く完成に近づけますが、猛火の中で悶え苦しむ上臈の場面が描けずに困っていると大殿様に訴えます。
「『良秀。今宵はその方の望み通り、車に火をかけて見せて遣はさう』。・・・『うう見い。それは予が日頃乗る車ぢや、その方も覚えがあらう。――予がその車にこれから火をかけて、目のあたりに炎熱地獄を現ぜさせる心算ぢやが』。・・・『その中には罪人の女房が一人、縛めた儘乗せてある。されば車に火をかけたら、必定その女めは肉を焼き骨を焦して、四苦八苦の最期を遂げるであらう。その方が屏風を仕上げるには、又とない好い手本ぢや。雪のやうな肌が燃え爛れるのを見のがすな。黒髪が火の粉になつて、舞ひ上るさまもよう見て置け』。・・・『末代までもない観物ぢや。予もここで見物しよう。それそれ、簾を揚げて、良秀に中の女を見せて遣さぬか』」。
「惨らしく、鎖にかけられた女房は――あゝ、誰か見違へを致しませう。・・・小造りな体つきは、猿轡のかかつた頚のあたりは、さうしてあの寂しい位つゝましやかな横顔は、良秀の娘に相違ございません」。
「その火の柱を前にして、凝り固まつたやうに立つてゐる良秀は、――何と云ふ不思議な事でございませう。あのさつきまで地獄の責苦に悩んでゐたやうな良秀は、今は云ひやうのない輝きを、さながら恍惚とした法悦の輝きを、皺だらけな満面に浮べながら、大殿様の御前も忘れたのか、両腕をしつかり胸に組んで、佇んでゐるではございませんか。それがどうもあの男の眼の中には、娘の悶え死ぬ有様が映つてゐないやうなのでございます。唯美しい火焔の色と、その中に苦しむ女人の姿とが、限りなく心を悦ばせる――さう云ふ景色に見えました」。
宇治拾遺物語に想を得た短篇ですが、これほど鮮烈な作品に仕上げるとは、さすが、芥川です。
大殿様の如き非道な権力者はさておき、このような良秀の芸術至上主義はどうにも納得いたしかねる私なのでございます。
平安時代を中心とした古代の物語を描いた、
いわゆる王朝ものを集めた短編集。
芥川龍之介は古典を題材に短篇を書いた。
べたっとした心理描写のないクールな作品が多い。
教訓もなく、物語を放り出している。
薮の中。
短い文章にサスペンスと無情を感じる。
そして描かないことで物語の広がりがある。
表現力が卓越していると思う。
地獄変。
平安時代の権力者と絵師の話。
傲慢や狂気をテーマに、
王朝時代の雰囲気が寓話性を演出して、
人の心の闇を考えさせる。
読後感は、
面白いというより、
とにかく考えさせられる。
そしてこの短篇、じっくり読まないと理解が難しい。
邪宗門。
未完。
物語は閉じていないのに、
物語は終わっているようにも思える。
想像力が刺激される。
滑稽な結末か残酷なエンディングか。
芥川龍之介の王朝ものは面白い、
古典を題材に描いたのは人間の闇だ。
「地獄変」と「藪の中」は、既に知っている内容であった。やはり「地獄変」は面白い。「藪の中」は映画「羅生門」となった。一方、いちばん長い「邪宗門」は、言葉遣いが古語風で、読んで意味を理解するのに苦労し、しかも内容も面白くなかった。
だが「六の宮の姫君」と、「好色」は期待に違わず面白かった。「六の宮の姫君」は今昔物語巻十九「六宮姫君夫出家語」から題材を得ている。以前読んだことがあったのかな?と思ったら、小林正樹監督の映画「怪談」、四話からなるオムニバス形式に綴られた中の「黒髪」からの、想起であった。立身出世のために妻を捨てた男が、その妻が忘れられず数年後戻ってみると美しかった妻は骸骨になっており、その怨念の篭った黒髪が生き物のように男に絡みつくという話であった。芥川の話とは内容は異なるが、イメージが重複する。「好色」は、今昔物語巻三十「平定文仮借本院侍従語第一」から題材を得ている。色男の平中は、求めても手中に出来ない侍従の排泄物を見ることで、彼女への恋情を断ち切ろうと思い、彼女の汚物の入った筥を奪うが、侍従は事前に、排泄物の代わりに別のもの入れておく。平中は、筥の中身の匂いを嗅ぎ、口に入れ確かめ、それが香細工の糞であることを知らされる。「…何か筥を隠しているのは、きっと侍従のした糞を捨てに行く所に相違ない。…これが侍従の糞であろうか?いや吉祥天女にしても、こんな糞はするはずがない。」 また、「好色」の話の範実の台詞の「天才の功徳がわかるためには、こちらにも相当の資格が入るさ。」(189頁より)に、その言葉の重みを感じました。
『鼻』や『芋粥』は非常に完成度の高い作品だと私は考えているのだが、ここに納められている作品はそれらに比べて全体的にやや完成度が下がっているように感じた。(なお、ここにおさめられている作品は『鼻』や『芋粥』よりも後につくられた作品であることを付記しておく)完成度の高い作品もあるにはあるのだが、つまらない作品もある。完成度が『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』がおさめられている文庫に比べ下がると思った最大の理由はもっとも分量の多い『邪宗門』がいまいちであることだろう。そう思うのはそもそも完成度も何も、完結していないため、やはり評価を下すことは難しい。『道祖問答』『往生絵巻』は面白い面白くない以前に、内容が良くわからない。
面白いと思った作品は『竜』『好色』『藪の中』。『竜』は他愛もないと言えば他愛もないが、読んでいてどこか楽しいものがあった。『好色』は他の短編ではなかなかみられない展開が広げられる。『藪の中』は芥川の作品でもっとも論文が書かれている作品、とのことだが、まあ読んでみれば至極当然だと思うであろう。結局真相は何なのか、真相は殺害された男の言葉なのか、なぜ皆言っていることが違うのか、そもそも作者は単に読み手をおちょくっているだけで深く考えていないのか、まあいくらでも考察できる作品ではある。
迫害と真理
宗教という性質のものには、どちらも存在するようで、どちらも存在しない。
それは宗教を信仰する人間の中に芽生えているだけのもの。
あたかも未完であることが、この物語の結末のようであった。
信仰の対立に終わりはない。
羅生門は当時理解出来なかったので、難しいイメージがあった。
ところがぎっちょん読んでみると、意外と難しくない。
おすすめは、表題の「地獄変」「邪宗門」「藪の中」です。「邪宗門」は未完の作品でクライマックスのこれからっていところで終わっちまいます。「おい!」ってツッコミを入れたくなりますが、非常におもしろいです。因みに邪宗とはキリスト教のことらしいです。
芥川は、これらの作品で、古代の物語を大正時代に蘇らせたのだった。
ところで、音読してみるとわかるけど、確かに芥川の文章は完璧かもしれない。