"世界が、ーそうだ、安住の地を求め選ぶべき世界が、今や彼らの眼前に広々と横たわっていた。そして摂理が彼らの導き手であった。二人は手に手をとって、漂泊の足どりも緩やかに、エデンを通って二人だけの寂しい路を辿っていった。"1667年発刊の本書は旧約聖書の『創世記』をテーマにした英文学最高峰に位置する大叙事詩。
個人的には主宰する読書会の課題本として手にとりました。
さて、そんな本書は共和派の運動家、詩人である著者が旧約聖書の『創世記』をテーマにキリスト教における創造主に叛逆し一敗地にまみれた堕天使ルシファーことサタンの再起と人間に対する嫉妬。そして謀略により楽園追放に至るも、その罪を自覚して甘受し楽園を去るアダムとイブの偉大さを上下巻で描いたキリスト教文学の代表作の一つなのですが。
日本版の下巻となる本書では、第7巻から第12巻まで。蛇に化けたサタンの言葉巧みな誘惑に屈して禁断の木の実を口にしてしまうイーヴ、そして、その事に愕然としつつも共に亡びることを決意して木の実を食うアダム。それを予見していた上で、神が大天使ミカエルを遣わし楽園から未来の希望を話した上で追放する様子。また、人間に対する陰謀が成功した!と意気揚々と地獄に帰還するも部下諸共が全員蛇の形に変えられてしまうサタンたちの顛末が上巻に続きドラマチックに描かれていて面白かったです。
また、個人的に神や天使といった超常の存在と人間が普通に会話する様子といったイメージはなかなか具体的に浮かばないので、天使ラファエルと天使たちの食事や恋愛、また天体についてアダムが興味津々で質問しているシーン(第6巻〜7巻)は返答含めて非常に新鮮に感じました。
キリスト教、英文学の必須古典として。またファンタジーRPG好きにもオススメ。
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失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3) 文庫 – 1981/2/16
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- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1981/2/16
- ISBN-104003220633
- ISBN-13978-4003220634
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1981/2/16)
- 発売日 : 1981/2/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4003220633
- ISBN-13 : 978-4003220634
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,301位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8位戯曲・シナリオ (本)
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- カスタマーレビュー:
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2019年1月13日に日本でレビュー済み
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こういう文学を翻訳で手軽に読める日本は素晴らしい。
日本人と違う宗教感なので、遠い世界にも思えるが・・・・
日本人と違う宗教感なので、遠い世界にも思えるが・・・・
2013年12月15日に日本でレビュー済み
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90年代にちょっと話題の人生観。人生、苦労はつきものと諦めそうです。
2017年12月5日に日本でレビュー済み
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大変勉強になりました。もう少し早く読んでおくべきでした。若者は特に読む価値があると思います。
2018年8月12日に日本でレビュー済み
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上巻ではルーシファ(サタン)が主人公だが、下巻からはアダムとイーヴが主人公に変わる。
ついにルーシファ(サタン)の「神が作った最高の創造物を地獄に落とす事により、我ら堕天使の復讐が成される」と言う念願が叶ってしまうのだが、実は上巻で既に人類の堕落は決定済みと神に語られている。
下巻で圧巻なのは、知恵の実を食べた後のアダムとイーヴの豹変である。
それまでは、何処か無垢で、だが賢い存在という台詞周りだっ2人が、知恵の実を食べた描写直後から言葉遣いこそは一見賢そうなものの、そこには嘘を始めとした悪徳が漂う様になるのはミルトンと訳者平井氏の才能と努力に他ならない。
物語終盤にアダムに希望を与える為に神がミカエルを遣わして、ノアの方舟、出エジプト、イスラエル王国、そしてイエスの誕生及び黙示録を語るのが些か駆け足過ぎるが1600年代の著者にそれを求めるのも酷というものか。
しかしそのスピーディーさが読みやすさにも直結してるとも言える良書である。
ついにルーシファ(サタン)の「神が作った最高の創造物を地獄に落とす事により、我ら堕天使の復讐が成される」と言う念願が叶ってしまうのだが、実は上巻で既に人類の堕落は決定済みと神に語られている。
下巻で圧巻なのは、知恵の実を食べた後のアダムとイーヴの豹変である。
それまでは、何処か無垢で、だが賢い存在という台詞周りだっ2人が、知恵の実を食べた描写直後から言葉遣いこそは一見賢そうなものの、そこには嘘を始めとした悪徳が漂う様になるのはミルトンと訳者平井氏の才能と努力に他ならない。
物語終盤にアダムに希望を与える為に神がミカエルを遣わして、ノアの方舟、出エジプト、イスラエル王国、そしてイエスの誕生及び黙示録を語るのが些か駆け足過ぎるが1600年代の著者にそれを求めるのも酷というものか。
しかしそのスピーディーさが読みやすさにも直結してるとも言える良書である。
2017年9月30日に日本でレビュー済み
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名作中の名作。読者である自分は今、創世紀の世界にいるのか現在に居るのか?脳みそがかき回されます。安易なファンタジーを読みたい方はハリー・ポッター方面へどうぞ。
2017年2月16日に日本でレビュー済み
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色々な捉え方があると思いますが、やはり素晴らしい内容でした。
2014年10月18日に日本でレビュー済み
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即納していただきました、大変感謝です。
梱包も簡素で処分しやすくとても助かりました。
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