とにかく、まず冒頭の「馬仲買の娘」を読んでほしい。
最初は何のことない出だしだ。ところが、途中から急に嵐が吹き始める。女の魔力が、いきなり男を、そして読者を金縛りにするのだ。
私は、電車の中でこの短編を読んでいた。その嵐が吹き始めたときから自分を忘れ、気がついたら乗り過ごしていた。
人間には魔力がある。人を金縛りにする魔力が。それは肉体の魔力であり、生命力の魔力だ。
その魔力にとらえられたら、もう逃れられない。
この短編集でロレンスは、そうした人間の様々な形の魔力を描いている。
ちなみに、もしこの短編集に感じるものがあったら、彼の長編『虹』を読んでみるといいと思う。最初から最後まで生命力の嵐が吹き荒れる、すごい小説だから。

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ロレンス短篇集 (岩波文庫 赤 257-4) 文庫 – 1986/1/16
- 本の長さ287ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1986/1/16
- ISBN-104003225740
- ISBN-13978-4003225745
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