"あのねえ、おじ様、私は誰をとっても最も必要な要素は想像力だと思いますのよ。想像力は私たちをほかの人の立場に置きかえさせてくれます。そうすれば誰でも親切で同情深くて理解を持つことができます。"1912年発刊の本書は世界中で愛されるシンデレラストーリーの傑作にして生き生きとした書簡体小説。
個人的には、幼少の頃に世界名作劇場で【アニメ化作品を見た記憶があって】あらすじこそ知ってはいましたが。原作は未読だったので手にとりました。
さて、そんな本書は冒頭からの導入部以外は、孤児院で育った少女、ジュディが資産家"あしながおじさん"の目にとまり、大学進学の援助のための条件として毎月手紙を書くことになったという設定により【全編がジュディの手紙のみで構成された書簡体小説】として、女子大生としての日々の生活が一方的かつ自由奔放に紹介されていくわけですが。
まあ、最初に印象に残るのは著者自身の描いた(作中ではジュディですが)味のあるイラスト、それと決して判で押したような優等生ではなく、ユーモラスかつ感情豊かな(時に可愛らしく反抗的な)ジュディの文書でしょうか。【100年以上前の作品なのに瑞々しく】とても驚かされました。
また、情報の多い映像化作品と違って、本書では読み手は言わば【手紙を受け取るあしながおじさん】の立場に置かれるわけですが。ジュディを『信頼できない語り手』として色々と抜け落ちた余白部分をイメージしたり、受け取った『あしながおじさんの心境』を考えてみたり。そんな自由な楽しみ方ができる余地が許されるのも良いです。(後、ジュディが小説家志望というわけで作中で紹介される、当時流行の文学作品の感想も新鮮でした)
100年前のアメリカ女子大生にトリップしたい誰か、上品でユーモラスな作品を探す人にオススメ。
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あしながおじさん (岩波文庫 赤 314-1) 文庫 – 2018/2/23
- 本の長さ287ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2018/2/23
- ISBN-104003231414
- ISBN-13978-4003231418
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2018/2/23)
- 発売日 : 2018/2/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 287ページ
- ISBN-10 : 4003231414
- ISBN-13 : 978-4003231418
- Amazon 売れ筋ランキング: - 567,858位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2010年11月28日に日本でレビュー済み
孤児が幸運をつかみながら、それだけではなく、努力によって人間性を得ていく。
学園で起こすどたばた喜劇でもある。
主人公も物書きを目指すので,著者の分身だと分かる。
最後はハッピーエンド。
挿絵のかわいさも作品の一部だと思う。単純な線で書かれた挿絵が、あしながおじさんの特徴をよく表現している。
登場人物が文学を書くのは、若草物語、赤毛のアンと同様で、主人公の思いは、著者の思いとも重なるので心の機微が分かりやすい。
ps.
Dady Long Legは、足長お父さんという意味ではないだろうか。
あしながおじさん(dady long leg)が好きなら、
続(dear enemy:拝啓 敵さん)も気に入ると思う。
作者は、マークトウェインの姪の娘とのことである。
作者が自分の子供を産んで、すぐに亡くなったのは、あまりにも悲しい物語。
作者の自伝があれば読みたい。
学園で起こすどたばた喜劇でもある。
主人公も物書きを目指すので,著者の分身だと分かる。
最後はハッピーエンド。
挿絵のかわいさも作品の一部だと思う。単純な線で書かれた挿絵が、あしながおじさんの特徴をよく表現している。
登場人物が文学を書くのは、若草物語、赤毛のアンと同様で、主人公の思いは、著者の思いとも重なるので心の機微が分かりやすい。
ps.
Dady Long Legは、足長お父さんという意味ではないだろうか。
あしながおじさん(dady long leg)が好きなら、
続(dear enemy:拝啓 敵さん)も気に入ると思う。
作者は、マークトウェインの姪の娘とのことである。
作者が自分の子供を産んで、すぐに亡くなったのは、あまりにも悲しい物語。
作者の自伝があれば読みたい。
2005年4月10日に日本でレビュー済み
ジルーシャアボットこと、ジュディは、僕の子供の頃からの憧れの女性であり続けました。こうやって大人になって読んでもいいんですね。なぜか。彼女は好奇心が人一倍あり、聡明な女性であり、読書好きであり、独立心が強く、それでいながらどうしようもない寂しがり屋で、しかしながら基本的に楽天的であり、自分の暗い過去から明るい未来へと旅立とうと毎日しっかり努力してたくましく生きているから。要するに可愛いんだよね。最後に本当のあしながおじさんに対面した時の彼女の感動とその素直な思い、それが直接的に読み手に伝わって来て、どんな恋愛映画を観るよりも感動的。"続"も読みました。そちらの方が文学的にはさらに価値が高いとされているし楽しんで読みましたよ。でも、僕にはジュディこそが永遠の心の恋人なので、こっちに軍配を上げたいと思います。
2002年1月28日に日本でレビュー済み
書簡体小説ですが、大学生活の詳しい報告や休暇中の出来事など、どんな
年齢のときに読んでもまた違った面白さがあります。
学業の報告が興味深く、学科ももちろん私たちのとは違いますし、期せずし
て知識が得られることも。小さい頃によんでおいて、高校生や大学生になって
読み返してみると、主人公の使うフランス語やドイツ語がわかったりして
また新しい読みができます。
勉強する気のなくなったときにも読んでいました。
年齢のときに読んでもまた違った面白さがあります。
学業の報告が興味深く、学科ももちろん私たちのとは違いますし、期せずし
て知識が得られることも。小さい頃によんでおいて、高校生や大学生になって
読み返してみると、主人公の使うフランス語やドイツ語がわかったりして
また新しい読みができます。
勉強する気のなくなったときにも読んでいました。