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どん底の人びと: ロンドン1902 (岩波文庫 赤 315-2) 文庫 – 1995/10/16
一九〇二年夏,エドワード七世の戴冠式でにぎわうロンドンのイースト・エンドの貧民街に潜入したジャック・ロンドン(一八七六―一九一六)が,「心と涙」で書き上げたルポルタージュ(一九〇三).救世軍の給食所での不衛生な食事,小さな靴工場の悲惨な労働環境―苛酷な世界に生きる人々の姿が迫真の筆致で描かれる.著者撮影の写真を収録.
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1995/10/16
- ISBN-10400323152X
- ISBN-13978-4003231524
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1995/10/16)
- 発売日 : 1995/10/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 400323152X
- ISBN-13 : 978-4003231524
- Amazon 売れ筋ランキング: - 69,008位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11位イギリス・アイルランド史
- - 126位ヨーロッパ史一般の本
- - 506位岩波文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
産業革命をリードし、ヴィクトリア女王治世下で栄耀栄華を誇った大英帝国の心臓部ロンドンにおける庶民の生き様を、作家らしい観察眼で活写した秀作です。1902年は、前年に崩御したヴィクトリア女王の後を襲って、エドワード7世の戴冠式が行われた年であり、夏目漱石がロンドン留学中であった時期とも重なります。訳者である行方氏は、「あとがき」で、「原文を訳出しながら、気が滅入って仕方がなかった」と記されていますが、貧困と病苦にあえぐ労働者とその家族の悲惨さに、現代人は涙を禁じえないでしょう。紀田順一郎『東京の下層社会』を読んだ際にも、明治期大東京の庶民生活の悲惨さに衝撃を受けましたが、20世紀初頭における大都会は、ロンドンであれ、パリであれ、ニューヨークであれ、惨憺たる庶民の暮らしが繰り広げられていたようです(例えば、ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』に描かれているように)。経済史の標準的テキストでは描写されることのない産業革命の陰の部分を改めて教えられました。
2015年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英文学講義の予備知識を入れるために本書を購入しました。ヴィクトリア時代が、そしてその当時のイギリスがなんなのかを知らなかった私の第一冊目の本としてはちょうど良かったと思います。
社会学者であるアメリカ人著者が渡英し、身なりも貧民街の人々と同じものを着て、身分を隠し、貧民社会に混じった実体験が書かれているので、著者の個人的な意見が入ってしまうものの、紙の上の話でなく リアリティをとても感じられる本だったと思います。
視線を貧民の視線に合わせて書かれているところが良かったと思います。
また、端々に現れる著者の「つぶやき」的な訴えは 私個人的には非常に刺さりました。
本書を読んでから、Dickensのオリバーツイストを読み始めたところ、本書で読んでおいた知識が役立ちました。
社会学者であるアメリカ人著者が渡英し、身なりも貧民街の人々と同じものを着て、身分を隠し、貧民社会に混じった実体験が書かれているので、著者の個人的な意見が入ってしまうものの、紙の上の話でなく リアリティをとても感じられる本だったと思います。
視線を貧民の視線に合わせて書かれているところが良かったと思います。
また、端々に現れる著者の「つぶやき」的な訴えは 私個人的には非常に刺さりました。
本書を読んでから、Dickensのオリバーツイストを読み始めたところ、本書で読んでおいた知識が役立ちました。
2012年3月18日に日本でレビュー済み
参与観察の手法を用いて、1902年の夏のロンドンにおける貧しさを描く作品。
戴冠式や田舎住まいの老夫婦のエピソードが、一連の文章群をただの散漫なルポから一種の芸術性を持つものに変えている。
結論はあまりに陳腐で時代錯誤なものだが、まだまだ読み継がれるべき作品である。
戴冠式や田舎住まいの老夫婦のエピソードが、一連の文章群をただの散漫なルポから一種の芸術性を持つものに変えている。
結論はあまりに陳腐で時代錯誤なものだが、まだまだ読み継がれるべき作品である。
2009年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「下層社会」などという言葉が叫ばれる今だからこそ、この約百年前のロンドンの貧民街のルポルタージュは読まれる価値があります。
そこにあるのは劣悪な居住環境、低賃金かつ過酷な労働、崩壊した家族、形ばかりの貧民救済策。そして何よりも人の心の荒廃ぶりです。
「貧しくても心は豊か」などというのは嘘です。貧しさは人の心を荒ませ、無気力を招き、それがさらに人々を貧しさから抜け出せない理由となっています。作者は判断の尺度として、「生きている喜び、肉体上および精神上の健全さ」をあげていますが、そうだとすればここにあるのは「絶望」のみであります。しかしそれでも、ロンドンはそれに正面から向き合い、そしてこう言ったに違いありません。
「でも、やるんだよ!」
ここであげられた下層階級の姿は、決して今の日本においても他人事とはいえないものであります。ジャック・ロンドンがこの本でつきつけた社会の現実は単なる過去のロンドンの姿ととらえてはならない、今の日本が向かおうとしている姿かもしれないのです。作者はこれを政治の管理の問題として告発していますが、それ以上に危険なのは、これら貧困の問題を個人の人間性の問題へとすり替えようとする世間の風潮であると私は思います。下層階級が存在するということは決して他人事ととらえてはならない、政治も含めたわれわれの社会全体が直視しなければならない問題なのです。
繰り返しますが、この本は今こそ読まれる価値があります。
そこにあるのは劣悪な居住環境、低賃金かつ過酷な労働、崩壊した家族、形ばかりの貧民救済策。そして何よりも人の心の荒廃ぶりです。
「貧しくても心は豊か」などというのは嘘です。貧しさは人の心を荒ませ、無気力を招き、それがさらに人々を貧しさから抜け出せない理由となっています。作者は判断の尺度として、「生きている喜び、肉体上および精神上の健全さ」をあげていますが、そうだとすればここにあるのは「絶望」のみであります。しかしそれでも、ロンドンはそれに正面から向き合い、そしてこう言ったに違いありません。
「でも、やるんだよ!」
ここであげられた下層階級の姿は、決して今の日本においても他人事とはいえないものであります。ジャック・ロンドンがこの本でつきつけた社会の現実は単なる過去のロンドンの姿ととらえてはならない、今の日本が向かおうとしている姿かもしれないのです。作者はこれを政治の管理の問題として告発していますが、それ以上に危険なのは、これら貧困の問題を個人の人間性の問題へとすり替えようとする世間の風潮であると私は思います。下層階級が存在するということは決して他人事ととらえてはならない、政治も含めたわれわれの社会全体が直視しなければならない問題なのです。
繰り返しますが、この本は今こそ読まれる価値があります。
2015年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロンドンという街に興味があり読んだが、自己中心的な著者の自己満足に過ぎない本だと思います。
2016年1月25日に日本でレビュー済み
社会主義者 ジャック・ロンドンの古典的名著ですが、シャーロック・ホームズの生きた時代を知る上でも、古典的名著です。
時は1902年、大英帝国が栄華を極めたビクトリア朝も終わりを告げ、20世紀にはいったばかりの時期。
アメリカ人ジャック・ロンドンは、ロンドンの貧民街イースト・エンドで労働者に扮して庶民の生活を見聞します。
現在の社会学でいう「参与観察」を通して大変リアルなルポルタージュを書きました。
表題の「どん底の人びと」は正にその姿を一言で象徴しています。
描かれた姿は、英国の繁栄の陰に取り残され、救いもなく朽ちていく低所得者層の悲惨でした。
ジャック・ロンドンはその姿に寄り添い共感しつつも、参与観察者としての冷徹な目で、その社会的問題の所在を分析します。
彼らは自らの運命に抗うことなく、ただ体制の支配に従い、その環境に順応し、徐々に貧困の度合いを深め、そして死んでいくだけであると。
本書は社会学や経済学などの古典であるばかりでなく、ホームズの生きた時代とも一致していますから、ホームズ譚に描かれたテムズ川河畔のシーンやイーストエンドの姿を理解するためにも大変有用な1冊です。
時は1902年、大英帝国が栄華を極めたビクトリア朝も終わりを告げ、20世紀にはいったばかりの時期。
アメリカ人ジャック・ロンドンは、ロンドンの貧民街イースト・エンドで労働者に扮して庶民の生活を見聞します。
現在の社会学でいう「参与観察」を通して大変リアルなルポルタージュを書きました。
表題の「どん底の人びと」は正にその姿を一言で象徴しています。
描かれた姿は、英国の繁栄の陰に取り残され、救いもなく朽ちていく低所得者層の悲惨でした。
ジャック・ロンドンはその姿に寄り添い共感しつつも、参与観察者としての冷徹な目で、その社会的問題の所在を分析します。
彼らは自らの運命に抗うことなく、ただ体制の支配に従い、その環境に順応し、徐々に貧困の度合いを深め、そして死んでいくだけであると。
本書は社会学や経済学などの古典であるばかりでなく、ホームズの生きた時代とも一致していますから、ホームズ譚に描かれたテムズ川河畔のシーンやイーストエンドの姿を理解するためにも大変有用な1冊です。
2021年10月6日に日本でレビュー済み
やってる事も言ってる事も崇高なんだろうとはおもうけど、体験ルポってそういうモンだけど端々でどうにも「金持ちの道楽」臭を感じてしまったのも正直なトコ
六十年以上働いて、所有物はなくとも、1日の終りに1パイントのビールを楽しんで質素な生活で満足できるのは大変幸せな人生の気がする
自分の労働を評して「生活水準の高い人間は、生活水準の低い人間より、常に多くの仕事を立派にやってのける」と自負しちゃうトコに金持ちの遊びの傲慢を感じた。昨日の疲労もなく明日の労働を考えず1日の働きに全力をつぎ込めるなら、そら何事も立派にできるだろうよ、と。
老人には向けなかった哀れみを若くて元気で丈夫そうな男に向けるのは性的衝動じゃないよ…「まだ取り返しや巻き直しが効くであろうに」の哀れみなんだよ
労働争議は旗振るとその先には悲惨が待ってるんだよね…
自殺未遂は裁きを受ける罪だというのが結構新鮮な驚きだった
身も蓋もないが、
たいてい二、三回未遂をやらないとうまくいかない。に笑ってみた。練習できないからね…。で、失敗すると大概がどん底だと思ってた底が上げ底だったという結果になったりするのは容易に想像できることで
「なぜちゃんとやって始末をつけなかったのだ?」に、無慈悲と残酷より正論を感じてしまう
若い内に読む本だったなー…。ダメだ。最終章が大変鼻についた。他所の部族捕まえて「原始的」で「未開」で「野蛮」よばわりはどうも。文明ってやつがそもそも「野蛮」の結果だしなー…
この時代のアメリカ人の限界を感じた
六十年以上働いて、所有物はなくとも、1日の終りに1パイントのビールを楽しんで質素な生活で満足できるのは大変幸せな人生の気がする
自分の労働を評して「生活水準の高い人間は、生活水準の低い人間より、常に多くの仕事を立派にやってのける」と自負しちゃうトコに金持ちの遊びの傲慢を感じた。昨日の疲労もなく明日の労働を考えず1日の働きに全力をつぎ込めるなら、そら何事も立派にできるだろうよ、と。
老人には向けなかった哀れみを若くて元気で丈夫そうな男に向けるのは性的衝動じゃないよ…「まだ取り返しや巻き直しが効くであろうに」の哀れみなんだよ
労働争議は旗振るとその先には悲惨が待ってるんだよね…
自殺未遂は裁きを受ける罪だというのが結構新鮮な驚きだった
身も蓋もないが、
たいてい二、三回未遂をやらないとうまくいかない。に笑ってみた。練習できないからね…。で、失敗すると大概がどん底だと思ってた底が上げ底だったという結果になったりするのは容易に想像できることで
「なぜちゃんとやって始末をつけなかったのだ?」に、無慈悲と残酷より正論を感じてしまう
若い内に読む本だったなー…。ダメだ。最終章が大変鼻についた。他所の部族捕まえて「原始的」で「未開」で「野蛮」よばわりはどうも。文明ってやつがそもそも「野蛮」の結果だしなー…
この時代のアメリカ人の限界を感じた