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流刑の神々・精霊物語 (岩波文庫 赤 418-6) 文庫 – 1980/2/18
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- 本の長さ213ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1980/2/18
- ISBN-10400324186X
- ISBN-13978-4003241868
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1980/2/18)
- 発売日 : 1980/2/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 213ページ
- ISBN-10 : 400324186X
- ISBN-13 : 978-4003241868
- Amazon 売れ筋ランキング: - 105,632位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 18位ドイツのエッセー・随筆
- - 769位岩波文庫
- - 4,697位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年9月3日に日本でレビュー済み
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辛辣に否定しながらも、ウィットに富んだ詩人ハイネの文章が秀逸。
2023年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古典文化の宗教というと、ギリシア神話はいろんな形でふれることがありますが、キリスト教以前のローマの宗教、神話はあまりよく知りませんでした。ヨーロッパ文化の多様性がどのように再編成されていったかもよくわかり、味わい深い一冊でした。
2020年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
貴重な文献が記録されており、良い本でした。
2013年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヨーロッパにも日本にも同じようなモチーフがあることを確認できる
人間の共通性と違いが理解できる
人間の共通性と違いが理解できる
2007年10月18日に日本でレビュー済み
新しい文化が輸入されることで、これまでの信仰が駆逐されてしまうことは歴史上珍しいことではありません。しかしキリスト教のようにそれまで信仰されていた神々を零落させ辺境に追いやった例は少ないでしょう。この点について比較的キリスト教の政策を受けずにすんだ日本人にとっても薄ら寒いものを感じるのではないでしょう。
若き日の柳田国男も『流刑の神々』の読んでおり、民俗学を専攻する要因になったのではないかと訳者の小澤氏は述べています。ハイネも柳田も古き信仰が蹂躙されるのを見るに耐えなかったのかもしれません。
もちろん現在の観点からすれば単純にキリスト教批判の書として読むのは危険でしょう。しかし「民族の信仰」を考える上でこれほど有益な作品はありません。
若き日の柳田国男も『流刑の神々』の読んでおり、民俗学を専攻する要因になったのではないかと訳者の小澤氏は述べています。ハイネも柳田も古き信仰が蹂躙されるのを見るに耐えなかったのかもしれません。
もちろん現在の観点からすれば単純にキリスト教批判の書として読むのは危険でしょう。しかし「民族の信仰」を考える上でこれほど有益な作品はありません。
2017年10月14日に日本でレビュー済み
学生時代に出会った本では、必ずと言っていい程、忘れられない本に出会うことがあると思います。人それぞれであると思いますが、この本はその一冊でした。
西欧文化を知るには今のキリスト教がいつどんな形で成立し、それまで多大な影響を与えていた、西欧の原点ともいうべきギリシア・ローマ神話を知る必要がありました。歴史の授業ではコンタンティヌス帝のキリスト教を国教とするとはあってもそのあとのギリシア・ローマの神々はどうなっていったのかまでは書いてなかったのです。ルネッサンス期に古典が見直され、芸術面において見直されたとありましたが、こういうことも只の事実で神々がどうなっていったのかは知る由もありません。
たまたま、通りかかった本屋でこの本を見つけ、読みました。
神々がどうなっているのか。不死の彼らが、どう生きているのかを読んでいくと何か哀しい思いがこみ上げてきます。
今も文化的なところでは息づいているこの神々。
ご興味があられる方は必見です。
私はその後、実家を出てこの本は紛失してしまいましたが、新しい製本のモノを手に入れ、今も大切にしています。
西欧文化を知るには今のキリスト教がいつどんな形で成立し、それまで多大な影響を与えていた、西欧の原点ともいうべきギリシア・ローマ神話を知る必要がありました。歴史の授業ではコンタンティヌス帝のキリスト教を国教とするとはあってもそのあとのギリシア・ローマの神々はどうなっていったのかまでは書いてなかったのです。ルネッサンス期に古典が見直され、芸術面において見直されたとありましたが、こういうことも只の事実で神々がどうなっていったのかは知る由もありません。
たまたま、通りかかった本屋でこの本を見つけ、読みました。
神々がどうなっているのか。不死の彼らが、どう生きているのかを読んでいくと何か哀しい思いがこみ上げてきます。
今も文化的なところでは息づいているこの神々。
ご興味があられる方は必見です。
私はその後、実家を出てこの本は紛失してしまいましたが、新しい製本のモノを手に入れ、今も大切にしています。
2017年6月29日に日本でレビュー済み
かつて流行した『四季の歌』のなかでも「秋を愛する人は・・・愛を語るハイネのような、ぼくの恋人」などと歌われていたように、日本で「ハイネ」といえば、恋愛詩の名手というイメージが定着しているようです。
ですが、この岩波文庫にも、この『流刑の神々・精霊物語』や『ドイツ古典哲学の本質』などの、民俗学や哲学史のジャンルに入るような、学術的価値の高い著作が収録されているように、「詩人ハイネ」には、実に多面的な顔があるのです。
本書は、キリスト教がヨーロッパを支配するようになる以前の時代、ゲルマン系の諸部族が大切にしていた神々や精霊たちとの交流や、ギリシャ神話の世界に対するノスタルジーにあふれています。
ハイネは、ユダヤ人ということもあるのでしょうか、古代ヨーロッパの自然信仰を、キリスト教の神(唯一神)以外のものを崇拝する邪道、つまりはサタン(=「神に敵対する者」の意味))への奉仕として非難し、駆逐していったキリスト教の非寛容性を、鋭く批判しています。
●そのため、『精霊物語』のほうは、キリスト教が抹殺したと思われてきた民間信仰の数々(とくに、こびとたち諸精霊と人間の関係)を、いまによみがえらせようと、詩人の表現力を活かしながら、描いてみせてくれています。
柳田國男の『遠野物語』と比較できるような要素も、たくさんあります。(柳田も、本書から感銘を受けています。)
ヨーロッパでは、すでに失われてしまった神々も、日本ではいまだに、祀られ、崇拝されており、古代からの信仰が息づいている、という点が、いかに、すごいことなのかに、気づかせてくれます。キリスト教徒の数が1%にも満たない日本では、豊かな自然に対する崇敬の念が、いまも根強いということなのでしょう。日本人は、自然の背後に、決して、「万物を創造した唯一の神」などをみたりはしません。富士山なら富士山そのものに合掌し、初日の出を拝むわけですから。
●『流刑の神々』は、そのタイトルが示すように、古代の神々がキリスト教の支配とともに追放されながらも、身なりを変えて、世の中の片隅に生き永らえていた、という伝説を語ったものです。なかでも、ギリシャ神話の最高神ゼウス(後世のローマ神話では「ユピテル」)が、うさぎ島で独り暮らしをしている姿には、切ない思いがします。
本書には学術論文の堅苦しさがありませんし、翻訳者の小沢俊夫さんの文章もこなれているので、高校生あたりの年頃からでも(あるいは、中学生からでも)、本人が関心を持って読めば、充分に楽しめると思います。
神話好きの方、ハイネに関心のある方、ゲルマン諸部族の民俗を学んでいる方に、お薦めいたします!
ですが、この岩波文庫にも、この『流刑の神々・精霊物語』や『ドイツ古典哲学の本質』などの、民俗学や哲学史のジャンルに入るような、学術的価値の高い著作が収録されているように、「詩人ハイネ」には、実に多面的な顔があるのです。
本書は、キリスト教がヨーロッパを支配するようになる以前の時代、ゲルマン系の諸部族が大切にしていた神々や精霊たちとの交流や、ギリシャ神話の世界に対するノスタルジーにあふれています。
ハイネは、ユダヤ人ということもあるのでしょうか、古代ヨーロッパの自然信仰を、キリスト教の神(唯一神)以外のものを崇拝する邪道、つまりはサタン(=「神に敵対する者」の意味))への奉仕として非難し、駆逐していったキリスト教の非寛容性を、鋭く批判しています。
●そのため、『精霊物語』のほうは、キリスト教が抹殺したと思われてきた民間信仰の数々(とくに、こびとたち諸精霊と人間の関係)を、いまによみがえらせようと、詩人の表現力を活かしながら、描いてみせてくれています。
柳田國男の『遠野物語』と比較できるような要素も、たくさんあります。(柳田も、本書から感銘を受けています。)
ヨーロッパでは、すでに失われてしまった神々も、日本ではいまだに、祀られ、崇拝されており、古代からの信仰が息づいている、という点が、いかに、すごいことなのかに、気づかせてくれます。キリスト教徒の数が1%にも満たない日本では、豊かな自然に対する崇敬の念が、いまも根強いということなのでしょう。日本人は、自然の背後に、決して、「万物を創造した唯一の神」などをみたりはしません。富士山なら富士山そのものに合掌し、初日の出を拝むわけですから。
●『流刑の神々』は、そのタイトルが示すように、古代の神々がキリスト教の支配とともに追放されながらも、身なりを変えて、世の中の片隅に生き永らえていた、という伝説を語ったものです。なかでも、ギリシャ神話の最高神ゼウス(後世のローマ神話では「ユピテル」)が、うさぎ島で独り暮らしをしている姿には、切ない思いがします。
本書には学術論文の堅苦しさがありませんし、翻訳者の小沢俊夫さんの文章もこなれているので、高校生あたりの年頃からでも(あるいは、中学生からでも)、本人が関心を持って読めば、充分に楽しめると思います。
神話好きの方、ハイネに関心のある方、ゲルマン諸部族の民俗を学んでいる方に、お薦めいたします!