鬼才、真正の芸術家、完璧主義者の映画監督としてのヴィスコンティの「名画」、マーラーの第 5 交響曲、4 楽章、アダージェットをポピュラーにした映画、美少年アンデルンセンの話題とか で 、人気のある『芸術映画』 として 語られる のが一般的な 『ヴェニスに死す』のイメージで あろう 。そういう楽しみ方がなければ、あ の 映画が 興業的にヒットするわけはない と思う 。そう言う楽しみ方 だけでも名画の名に値する 。何故この映画やT.マンの 原作が古典として 本当に 名作なのか?
「芸術とはなにか?」というテーマを追求した日本文学は芥川の『地獄変』 が知られてい る。「ロマンとは?」と同一線上で 追求したのが三島の『午後の曳航』だと思う 。完璧に磨きあげられた芸術や完璧なまでの美しさを求めていく 自己 、 自己 を陶酔させて没我と してしまう 芸術 から、それに関わってい くこと に『疲労感』 を感じることは ないだろう か?美しいものを求めてまた完璧なものを求めて自己投企することの意味に逃れられない『退廃』を感じることは ないだろうか?タッジオは単なるの憧れ や性愛 の対象 ではなく、『完璧な美』の権化であり、アッシェンバッハが常に追い求めてきたも の 。なぜ、美少年が登場するのかはキリスト教では『 衆道 』は禁じられたソドムだからで、『芸術 退廃』という 暗喩 に なる 。
以下は私論で ある 。あるいは、投稿者のこだわってきた分野の山岳も、こんな要素 の近くに存在してはないか ?もちろん他の要素も多元的にあ る が。われわれが、日常生活から自己を完全に超絶して 、ひょっとしたら、死に至らしめるかも知れない山岳を 完璧な 写真 で 追い求める 時 、 「 タッジオ=山、山岳写真 」 なのではない だろ うか?熊野の荒海を「 西方浄土」を求めてこぎ 出していった僧侶たちとエベレスト南壁を無酸素で登る登山家は同質であり、芥川の 絵師 良秀が自分の娘が牛車で焼死するのを地獄変の 屏風 絵として描く行為とも。完璧な美、完璧な山、構築された思想、宗教。これらを求める人たち。単に美しいのではなく、麻薬的、倒錯的、魔力的な山。 それに向かって 完璧さをこれでもかと追求する退廃。
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ヴェニスに死す (岩波文庫 赤 434-1) 文庫 – 2000/5/16
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マンの代表作を名訳の改版にておくる
- 本の長さ180ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2000/5/16
- ISBN-104003243412
- ISBN-13978-4003243411
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつか読もうと思っていた1冊です。ヴィスコンティの映画を先に見たため、その映像がどうしても出てきてしまうが、時に出てくるマンの皮肉めいた書き方に、醒めた目を感じました。
2018年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画を見た後でしたので、なんとなくわかりましたが、私には・・・。
2019年10月31日に日本でレビュー済み
"それは水かがみの上に身をかがめているナルチッスの微笑みだった。おのれ自身の美の反映に向かって両腕をのばしながら浮かべる、あの深い、うっとりとした、吸い寄せられるような微笑だった。"1913発表の本書は著者の実体験を元に純粋な精神的な愛を描き、1971年に映画もされた中編小説の傑作。
個人的には著者の本は教養小説『魔の山』そして【市民生活と芸術家としての狭間的葛藤】を描いた『トーニオ・クレーガー』に続き手にとったのですが。
本書は時期的にも後者に連なる作品として、主人公を若者から成功した初老の作家と置き換えて、旅先のヴェニスで出会った容姿端麗な少年に心奪われる様子を描いているのですが。『トーニオ・クレーガー』でも感じられた同性愛的要素がさらに色濃くなっているものの、さりとてウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』などと違って、直接的に接触したり拉致するわけではなく、ただひたすら【じっーと眺め続ける】姿に、物語の展開としてホッとするような物足りないような、でも【後をつけたり、部屋を覗きこんだり】とやはり今なら充分にストーカー的かも?と複雑な心境でした。(実際に著者にじろじろ眺められたとモデルとなったポーランド人美少年が後に告白しているのも何とも。。)
とはいえ、やはり著者38才と円熟した時期の作品として【描写の美しさや構成のバランス】はやはり流石だと感じさせられ、妻や子といった家族を伴ったヴェニス(ヴェネツィア)旅行で実在のポーランド美少年に夢中になっていた著者の姿を主人公に重ねて、本書は作家としての【計算的な背徳さ】だったのか?あるいは個人として小説として発表せざるを得ないほど【切実な秘めた想い】だったのか?などと色々と考えさせられました。
同性愛をテーマにした優れた中編小説を探す誰かへ。あるいはイタリア、ヴェネツィアに想いを馳せたい誰かにもオススメ。
個人的には著者の本は教養小説『魔の山』そして【市民生活と芸術家としての狭間的葛藤】を描いた『トーニオ・クレーガー』に続き手にとったのですが。
本書は時期的にも後者に連なる作品として、主人公を若者から成功した初老の作家と置き換えて、旅先のヴェニスで出会った容姿端麗な少年に心奪われる様子を描いているのですが。『トーニオ・クレーガー』でも感じられた同性愛的要素がさらに色濃くなっているものの、さりとてウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』などと違って、直接的に接触したり拉致するわけではなく、ただひたすら【じっーと眺め続ける】姿に、物語の展開としてホッとするような物足りないような、でも【後をつけたり、部屋を覗きこんだり】とやはり今なら充分にストーカー的かも?と複雑な心境でした。(実際に著者にじろじろ眺められたとモデルとなったポーランド人美少年が後に告白しているのも何とも。。)
とはいえ、やはり著者38才と円熟した時期の作品として【描写の美しさや構成のバランス】はやはり流石だと感じさせられ、妻や子といった家族を伴ったヴェニス(ヴェネツィア)旅行で実在のポーランド美少年に夢中になっていた著者の姿を主人公に重ねて、本書は作家としての【計算的な背徳さ】だったのか?あるいは個人として小説として発表せざるを得ないほど【切実な秘めた想い】だったのか?などと色々と考えさせられました。
同性愛をテーマにした優れた中編小説を探す誰かへ。あるいはイタリア、ヴェネツィアに想いを馳せたい誰かにもオススメ。
2010年3月6日に日本でレビュー済み
イマイチです!
概略は有名なので省略しますが、全体に流れが退屈であり、また構成も見え見えです。
例えば、「前半に出てくる若作りの道化的な人物」と「美少年に心ひかれた後のアッシェンバハ」の服装、顔作りがほぼ同じであったり、コレラなどの例えで何度か出る「虎」という言葉の使い方(虎はヨーロッパ人が怖がるものの象徴です)。そもそもヴェニスという舞台設定で、サブ・テクストならともかく、直接同性愛の物語を語るというのが陳腐に過ぎます。
見どころは全体を貫く倦怠と退廃だけでしょう。
概略は有名なので省略しますが、全体に流れが退屈であり、また構成も見え見えです。
例えば、「前半に出てくる若作りの道化的な人物」と「美少年に心ひかれた後のアッシェンバハ」の服装、顔作りがほぼ同じであったり、コレラなどの例えで何度か出る「虎」という言葉の使い方(虎はヨーロッパ人が怖がるものの象徴です)。そもそもヴェニスという舞台設定で、サブ・テクストならともかく、直接同性愛の物語を語るというのが陳腐に過ぎます。
見どころは全体を貫く倦怠と退廃だけでしょう。
2017年4月12日に日本でレビュー済み
ヴェニスに死すはストーカーの作品である。しかも異性ではなく同性である。老練の芸術家が美少年の後を追い回す。別に冗談で言っているわけではなく、本当にそうなのである。無論この作品は一個の芸術作品として仕上がっており、その文体には滑稽めいたところは全くない。
一体どういうことなのかというと、老人は少年の「美」に魅了されたのだ。そして老人は芸術的な才能を持つ人間である。芸術的な才能を持つということは感受性が高く、美に引きつかれる事態が一般人よりも多いということだ。そしてそれに引き付けられるかのように老人は少年を追い回すのである。そして滞在していたヴェニスの町に伝染病が発生してのだが、結局町を離れることなく死んでいく。
あるいはこの作品は芸術家が美に殉死する作品である、という風に捉えらればいいのだろうか?
才能ある芸術家と才能のない芸術家や一般人は果たしてどちらが幸福なのだろうか。才能を持っているということは平常人よりも認識能力及び感性が高く、それ故憂愁の感情もまた生々しい。そして隠遁した生活を送りがちである。彼らは百般の事実に幻滅を覚え、不幸の感情を平常人よりも覚えやすいのであろう。だがその才能故、芸術上のイデア、美において慰められることも可能なのである。芸術家は世界、もっというならば表象する世界においては幻滅を覚えるだろうが、美、すなわちイデアの世界においては幻滅を覚えず、それに大いに慰められるのである。
この老人はイデアを追いかけて、奈落の中へと踏み込んだのだ。それを滑稽と解釈することは可能ではあろう。だが自分の追い求めた金色の夢に包まれながら死んだ彼のことを、果たして不幸であると憐れむことはどこか厚顔ではなかろうか?
一体どういうことなのかというと、老人は少年の「美」に魅了されたのだ。そして老人は芸術的な才能を持つ人間である。芸術的な才能を持つということは感受性が高く、美に引きつかれる事態が一般人よりも多いということだ。そしてそれに引き付けられるかのように老人は少年を追い回すのである。そして滞在していたヴェニスの町に伝染病が発生してのだが、結局町を離れることなく死んでいく。
あるいはこの作品は芸術家が美に殉死する作品である、という風に捉えらればいいのだろうか?
才能ある芸術家と才能のない芸術家や一般人は果たしてどちらが幸福なのだろうか。才能を持っているということは平常人よりも認識能力及び感性が高く、それ故憂愁の感情もまた生々しい。そして隠遁した生活を送りがちである。彼らは百般の事実に幻滅を覚え、不幸の感情を平常人よりも覚えやすいのであろう。だがその才能故、芸術上のイデア、美において慰められることも可能なのである。芸術家は世界、もっというならば表象する世界においては幻滅を覚えるだろうが、美、すなわちイデアの世界においては幻滅を覚えず、それに大いに慰められるのである。
この老人はイデアを追いかけて、奈落の中へと踏み込んだのだ。それを滑稽と解釈することは可能ではあろう。だが自分の追い求めた金色の夢に包まれながら死んだ彼のことを、果たして不幸であると憐れむことはどこか厚顔ではなかろうか?
2012年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は原文を読んだことはありませんが、この訳文は非常に
読みにくいと思いました。
北杜夫氏が名訳だと絶賛した実吉訳ですが、日本語として
美しくないし、それが格調を表しているとも思えません。
ただ、『ヴェニスに死す』のタイトルは素晴らしいと思い
ます。
戦前の翻訳ということですから一定の敬意を払うべきで
しょうが、私は購入をおすすめしません。
読みにくいと思いました。
北杜夫氏が名訳だと絶賛した実吉訳ですが、日本語として
美しくないし、それが格調を表しているとも思えません。
ただ、『ヴェニスに死す』のタイトルは素晴らしいと思い
ます。
戦前の翻訳ということですから一定の敬意を払うべきで
しょうが、私は購入をおすすめしません。
2018年6月16日に日本でレビュー済み
自律を自らに強いて名声も既に得た主人公は、運命に導かれるようにヴェニスに赴き、そして死を迎える。客観的な事実だけ見れば「死」は悲劇かもしれないが、この物語ではそうでない。彼はコレラの蔓延したヴェニスにとどまることを選択し、官能の日々を過ごしたヴェニスと半ば心中するかのように客死する。彼に遠出を決意させる異国風の男、そしてその途上で出会った若作りの老人や無免許のゴンドラ漕ぎ。まるでヴェニスに誘うための布石のようである。下品で意地汚い楽団が去った後、主人公の頭に去来する両親の家にあった砂時計の遠い記憶は、結末を予感させる。
結局彼は愛する美少年といささかの交わりも得ることなく、ひたすらに彼の内面の中だけで愛を育む。その純粋さや一途さは、哀しいほどに美しい。
少し文体が読みにくいが、マスターピースであると思う。
結局彼は愛する美少年といささかの交わりも得ることなく、ひたすらに彼の内面の中だけで愛を育む。その純粋さや一途さは、哀しいほどに美しい。
少し文体が読みにくいが、マスターピースであると思う。