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カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4) 文庫 – 1998/1/16

4.0 5つ星のうち4.0 51個の評価

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購入オプションとあわせ買い

迷路のような巣穴を掘りつづけ,なお不安に苛まれる大モグラ.学会へやってきて,自分の来し方を報告する猿….死の直前の作「歌姫ヨゼフィーネ」まで,カフカ(1883-1924)は憑かれたように奇妙な動物たちの話を書きつづけた.多かれ少なかれ,作者にとっての分身の役割を担っていたにちがいない,哀しく愛しいかれら.
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1998/1/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1998/1/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 244ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003243846
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003243848
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 51個の評価

著者について

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フランツ・カフカ
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長篇より短編の方が面白いのはカフカが大長編(も悪くはないが)、や構築的な作業よりお話しを語るのがうまいからだと思った。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本は良いのですが、Amazonから封筒で来たので、中で動いてカバーが折れていました。
交換の物も封筒で来て、やはり折れていましたが、前よりちょっとマシだったので受け取りました。
2020年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待して読み始めたが、そこまでじゃない。悪くはない。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カフカの作品は全て寓話なので、「寓話集」と言う題名はどうかと思ったが、内容を見ると1頁の作品や動物が主人公の作品が多く、確かに寓話性が高い。各編の寓意を想像する事は楽しみではあるが、正解の数は読者数分あるので、そのままカフカの世界に浸った方が良い。カフカ自筆の挿絵が7点収められているが、これ自身寓話のようである。

冒頭の「皇帝の使者」は、僅か2頁で時空の果てしない拡がりのイメージと"無意味"を表現した傑作。使者を永久に夢見て待っている「きみ」とは読者なのかカフカ自身なのか。「ある学会報告」の人間化した猿は、カフカの"変身"願望とも思える。「アレクサンドロス大王」に対する関心はカフカの中でどういう位置を占めていたのか(野心家の証 ?)。「アブラハム」、「メシアの到来」を読むとカフカの皮肉屋振りが窺える。「こうのとり」のように、何故その動物・鳥が主役になるのか分からないまま、唐突に結末を迎えるパターンの作品も多い(「貂」、「巣穴」等)。「獣」は「短編集」中の"オドラデク"同様、不可解な動物を精緻に描くと言う無意味さの魅力がある。「柩」は巧い。僅か2頁で人間模様を描きながら最高級の怪談に仕立て上げている。「掟の問題」は珍しく率直な物言い。「よくある事故」はサラリーマンの日常生活の寓話化とも取れるが、カフカらしく意図不明。「最初の悩み」は孤高の芸術家の野心と苦悩をサーカス芸人に託して描いた寓話らしい寓話。「ちいさな女」は"オドラデク"の不条理性に性的要素を加えたものだろう。「断食芸人」は、題材自体の存在が怪しいが、この芸人の矜持がカフカの矜持そのものと言う事か。「歌姫ヨゼフィーネ」には周囲の無理解と闘うカフカの自尊心が読み取れる。

読者が自由に解釈できる点がカフカの作品の魅力だが、本短編集は意外とカフカの本性に迫っている気がする。カフカを知る上で欠かせない貴重な短編集。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月9日に日本でレビュー済み
ロビンソン・クルーソーについての説話というか、見解というか、カフカなりに解剖した短い文章が載っているのですが、私にとって個人的に思い入れのある話です。

ロビンソン・クルーソーは救助されることを二の次にして、島の調査を楽しみ、命の灯を絶やさなかったから生き延びることができました、みたいなお話で、
起きてから寝るまで不安にとらわれっぱなしの、救われたくて仕方ない私には、ひとつの強力な答えでした。

もちろん他のエピソードも楽しいです。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年3月2日に日本でレビュー済み
 カフカは、労働災害の保険査定を公務員業務として行っていた傍らこのような稀有な小品集を書き溜めていた。長いものでも本文庫で57ページ、短いものではたった1ページの小品集であるが、カフカ自身が書いたデッサン風のさし絵も添えられている。

 寓話ということで、何らかの小動物が擬人化されて物語の主人公として登場する。一番長い作品「巣穴」では、土中に巣を作りこの巣を補修することに忙しい何か得体のしれない土中生き物が登場し、「歌姫、ヨゼフィーネ・・・・」では、今や盛りを過ぎた女性ネズミ歌手が登場する。

 いずれの作品も、不思議な読後感のある不思議な作品である。

 池内氏の「解説」の一部・・・・。
「母親は可愛い息子にいわれるままに、健康を気づかいながら弁当をつくった。しっかり者の妹は、兄が書きたがっている小説の意味を、おぼろげながらも予感していたのかもしれない。
 王城への長い石段を、小さな夜食の包みをぶら下げて、カフカが何を考えながら歩いていたのか、正確なところはわからないが、今世紀がつくり出した文学的情景のうち、もっとも孤独でもっとも美しい一つといえるのではなかろうか。」

 
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年2月9日に日本でレビュー済み
設定は断食芸人や鼠の世界の歌姫と突拍子もないが、自分が感じる苦痛、葛藤、矛盾が描かれていて、「そうだよ、こういうことってあるよな。」と感じる。カフカの長編は迷宮のような世界をさまようので「あるある感」をはっきりとは感じないのだが、この寓話集に集められた短編ではその点をくっきり感じることが出来る。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年8月27日に日本でレビュー済み
カフカは恐ろしく真面目なユーモリストであり、観察者だと思う。彼は生活において感じられる現実感や違和感を几帳面に捉え、その強度を保ったり高めたりしながら作品に変身させる。だから、多分に幻想的な彼の作品には、生々しい現実性も備わっているのだろう。

収録されているのは、1ページで終わってしまう極端に短いものも含む秀作ばかり。数十ページにわたる「巣穴」に限っては、冗長に感じられるところもあったが、その真摯さや執拗さがカフカの良さでもあると思う。ともあれ、時間を置いて何度も読み直したくなる、様々な観点から読める作品が多い。
また、本書に収められているカフカの描いた口絵も非常に素敵。

カフカ短篇集 (岩波文庫) 』を読む際にも思ったことだが、池内紀さんの訳がうまい。カフカのユーモアを分かりやすく引き出しているように思える。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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