原書がどうなのか知りませんが翻訳が素晴らしいです。
かなり昔の本なのに生き生きとした会話が特に素晴らしいです。
戦前のかな使いですが逆に魅力を増しているような気さえします。
会話を少し抜粋してみます。──
「挫けてしまった。吻がすつかり挫けてしまった。」
「おれが通るのだぞ。これだけ云へば、誰だつて道をあけるのだ。」
「まろやかにして長々しでせう。」
「いきなり心臓をか。」
「たまらないわね。」──などなど
美しい田園風景やときおり挿入される詩が物語に彩りを添えます。
蟻の歌はさりげなくでてくるわりに印象に残ります。
「人間の指」はマアヤと詩の作者のやりとりが面白いです。
登場する生物たちもそれぞれユーモラスで個性的に描かれています。
見栄っ張りな者、臆病な者、自分の言葉に酔いしれる者、強がりをいう者…
個人的に好きな話は「ハンニバル人間と戦ふ」です。
タイトルに比べて内容はそれほど勇ましいわけでもないのが素敵です。
捕食などの少し残酷に思える描写もされていますが、
へんにぼかすことをしないのはむしろ好感がもてます。
ハンス・クリフトフは気の毒ですが…
漢字は少し難しいかもしれませんが、中学生くらいなら理解できると思います。
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密蜂マアヤ (岩波文庫 赤 459-1) 文庫 – 1937/10/15
巣をぬけ出したミツバチの子マアヤの冒険が美しい自然を背景に詩情豊かに描かれる.世界各国語に訳され多くの子供の心をとらえた名作.ボンゼルス(1881‐1952)は新ロマン派の小説家で詩人だが,早くから欧米,アジア,アフリカを旅行し,動物や植物を擬人化した物語を書いた.
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1937/10/15
- ISBN-104003245911
- ISBN-13978-4003245910
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1937/10/15)
- 発売日 : 1937/10/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4003245911
- ISBN-13 : 978-4003245910
- Amazon 売れ筋ランキング: - 902,058位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
5グローバルレーティング
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドイツ人の精神的風土をを知る上でも、おもしろい書物でしょう。
2015年11月11日に日本でレビュー済み
岩波文庫のシブい装丁に、古めかしさそのままの翻訳。「大人のための童話」として色あせない作品の魅力を、外観がすでに伝えています。
物語は決して魔法で色付けされたものではなく(終盤で登場する妖精はさておき)、あくまで素朴な生の営みのドラマ。風景や生き物たちは我々にも馴染みのあるものなのだけれど、それらに初めて出会ったときの真摯な感動が、マアヤの目を通して熱っぽく語られる。生きることの純真な喜びが通奏低音となって響きながら、全編の主題である「人間の偉大さとは何か?」が追求されてゆく。
脇役たちも感情豊かで、なんと詩心に恵まれていることか。風に吹かれるように思いがけなく現れては、珠玉の名台詞を残して去ってゆく。
「あたしもうひとくち飲むの……そのあとでお友達と一緒に夕日の中を飛ぶのよ、あした好いお天氣になるやうにね。」 (蚊の台詞。もう叩けません!)
文体の古さはあっても、星5つに変わりなし。あふれるような詩情を味わうことのできる名訳です。
物語は決して魔法で色付けされたものではなく(終盤で登場する妖精はさておき)、あくまで素朴な生の営みのドラマ。風景や生き物たちは我々にも馴染みのあるものなのだけれど、それらに初めて出会ったときの真摯な感動が、マアヤの目を通して熱っぽく語られる。生きることの純真な喜びが通奏低音となって響きながら、全編の主題である「人間の偉大さとは何か?」が追求されてゆく。
脇役たちも感情豊かで、なんと詩心に恵まれていることか。風に吹かれるように思いがけなく現れては、珠玉の名台詞を残して去ってゆく。
「あたしもうひとくち飲むの……そのあとでお友達と一緒に夕日の中を飛ぶのよ、あした好いお天氣になるやうにね。」 (蚊の台詞。もう叩けません!)
文体の古さはあっても、星5つに変わりなし。あふれるような詩情を味わうことのできる名訳です。
2005年2月11日に日本でレビュー済み
アニメのみつばちマーヤと随分ちがうような。
原作は、ドイツ文学の香りがします…
虫たちが、実は虫ではなく、人間の寓意であることがよくわかりました。
訳にもよると思いますが、不思議な気品に満ちた作品でした。
原作は、ドイツ文学の香りがします…
虫たちが、実は虫ではなく、人間の寓意であることがよくわかりました。
訳にもよると思いますが、不思議な気品に満ちた作品でした。