作者の出世作であり,代表作の一つに数えられる日記体の長篇小説.セーヌ河畔に愛書に囲まれてひっそりと暮す老学士院会員をめぐるエピソードが,静かなしみじみとした口調で語られる.古書にとりまかれて育ち,多くの書物から深い知識を得たのち,その空しさを知った懐疑派アナトール・フランス(一八四四―一九二四)の世...